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2009年8月22日 (土)

本 「宮本武蔵」

学生の頃から、ちびりちびりと日本酒を飲むように吉川英治さんの作品を読んできました。
「三国志」「新・平家物語」「私本太平記」など・・・。
やっと「宮本武蔵」も読み終えました。
こちらの作品は若い人にとっては「バカボンド」の原作というほうがピンとくるかもしれませんね。
吉川英治さんの作品は文体が好きなんですよね。
本作は戦中に書かれた作品ですが、読みにくいってことはありません。
むしろスルスルと読めていく、心地よいリズムがあります。
またところどころにある最近ではあまり使われなくなった言葉の数々。
講談社の文庫版では巻末に言葉の解説などがついていますが、この言葉がとても風情があるのです。
読みやすい文体、そして風情のある言葉・・・。
情景が浮かんでくるような文章です。
僕もこうやってブログで文章を書いていますが、吉川英治さんの文章はある意味、理想とするようなところであったりします(おこがましいけれど)。

佐々木小次郎との対決に向かう武蔵には、戦いを前にしながらも静謐と言えるような境地に達しているように見えます。
その境地に自分が達することなどできそうにもないのですが、そこに至った武蔵の姿には憧憬の心を持ってしまいます。
そういえばマリナーズのイチローは、現代の武蔵とも言えるような求道者に見えますね。
イチローに対して僕たちが想う気持ちというのは、あの時代の人々が武蔵を想った気持ちに似ているのかもしれません。

「宮本武蔵(一)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196514-X
「宮本武蔵(二)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196515-8
「宮本武蔵(三)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196516-6
「宮本武蔵(四)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196517-4
「宮本武蔵(五)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196518-2
「宮本武蔵(六)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196519-0
「宮本武蔵(七)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196520-4
「宮本武蔵(八)」吉川英治著 講談社 文庫 ISBN4-06-196521-2

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コメント

hideakifujiさん、こんばんは!

バカボンドは読んでいないんですよ。
まずは吉川英治さんの方を先にと思っていましたので。
そういえば井上雅彦さんの作品自体を読んでいないなあ。

投稿: はらやん | 2009年8月26日 (水) 22時53分

宮本武蔵については残念ながらバガボンドのほうが個人的な認識手段です
ただしバガボンドについては原作をベースにしていながらも漫画家井上雄彦氏のアレンジによって井上ワールドとして独自の作品のカラーが強くなっています。

バガボンドはとにかくかっこよく
現代的な劇画なので、現在30巻まで出ているコミックスを全巻揃えています。

2003年の大河ドラマの武蔵もバガボンドの影響をひしひしと感じました
ただ小次郎の設定はバガボンドでは別物となっています

井上雄彦といった鬼才にして、このままいくと武蔵を負かすのが小次郎という奇想天外な結末になりかねない予感もしてきます

吉岡一門と真っ向から闘って50人切りをして奇跡的に勝利して半身不随になった武蔵というのは原作ではないと思います

9月15日にNHK総合でプロフェッショナルという番組でバガボンドの生みの親 井上雄彦氏が登場しますよ。

投稿: hideakifuji | 2009年8月23日 (日) 22時35分

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