「宇宙戦艦ヤマト」 センス・オブ・ワンダーが溢れている
このところ「機動戦士ガンダム」3部作を観たので、懐かしアニメシリーズということで、えらく久しぶりに「宇宙戦艦ヤマト」を観ました。
今年は「復活篇」も公開するということですし・・・。
本作のTV版が公開されたのは「ガンダム」より更に前。
「機動戦士ガンダム」の記事のとき、「アニメを変えた記念碑」と書きましたが、本作はアニメだけにとどまらず映画や漫画や、小説等様々な作品に影響を与えたと言っていいでしょう。
ですが本作はテレビ放送時は視聴率はふるわず、当初予定よりもシリーズは短くなっています(なのでイスカンダルからの帰り道はえらく早い)。
なにせ裏番組は「アルプスの少女ハイジ」でしたから・・・(僕もハイジを観てました)。
「ガンダム」も「エヴァンゲリオン」もそうですが、エポックな作品というのは世の中に受け入れられるのには時間がかかるのでしょうか。
「宇宙戦艦ヤマト」という作品は改めて観てみると、SFのセンス・オブ・ワンダーに溢れた作品であると思います。
それもそのはず、企画にSF作家の豊田有恒さんやスタジオぬえ(SF作家の高千穂遙さんや「マクロス」シリーズでおなじみの河森正治さん等が所属)が参加していましたから。
まず戦艦大和に空を飛ばせるっていうことを思いついたのが、まずすごい。
本作以降は「宇宙戦艦」という概念はとても普通な概念になっていると思いますが、「ヤマト」以前はそんなにはっきりとしたものはなかったような気もします(宇宙船という概念はあったとしても)。
エピソードで出てくる設定等もよくよく見れば、とてもSF的であるものが多いのです。
冥王星の反射衛星砲とか、ガミラス星の硫酸の海の設定など、きちんと考えられていることに今観ても唸ります。
ですが、ただハードな科学的な設定だけでなく、科学的でなくてもワンダーである要素もふんだんにあります。
宇宙戦艦であるヤマトが攻撃されてモクモクと煙を出すというのは、実際にはあり得ないのですし。
僕はガミラスの三段空母が好きなのですが、宇宙空間で滑走路なんて必要ありません。
ですが、やはりああいうのを良しとするのが、センス・オブ・ワンダーなのです。
子供心に何かを感じたのでしょう。
それこそ再放送をやるたびに一生懸命観ておりました(当時はビデオなんて便利なものはなく、放送している時はものすごく真剣に観てました)。
僕としては「ヤマト」シリーズは「さらば宇宙戦艦ヤマト」で終わっています。
それ以降はどうも「売らんかな」という作り手側の発想が見えてしまって、興ざめしてしまったのです。
冒頭に書いたように今年の年末に「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」を公開するということです。
ただ用意されているホームページを見てみてもしばらく新しい情報は発信されていません(ホームページの作りもとてもしょぼいし・・・)。
ホームページを見ると和解書なるものが掲載されていてなにやら不穏な臭いも感じます(松本零士氏、プロデューサー西崎義展氏、東北新社の間ではなんども著作権についてもめています)。
今までも新作が公開と噂があっても、何回か頓挫している「ヤマト」シリーズ。
無事に今回は「発進」することができるのでしょうか・・・。
願わくば、ファンありきで作品を作って欲しいものです。
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コメント
hideakifujiさん、こんにちは!
確かに当時「ヤマト」がブレイクしたときは、今のように一部のマニアというよりも、誰も彼もみんなが夢中になっていたという感じでしたよね。
今回改めて観直したときも、クオリティの高さというのを実感しました。
新作の「ヤマト」はCGで描くということですが、逆にクオリティが出るか心配です。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年8月 1日 (土) 06時02分
再度 お邪魔します
ヤマトは懐かしい作品となってしまいました
ただ人気絶頂期の世間の騒ぎようは相当なものでした。
今現在人気を集めているアニメなどのコンテンツの比ではありません
なんだかんだ言っても、現在につながる直接のコンテンツ界の流れはヤマト抜きに語れない
スタジオぬえはヤマトの初期にかなりの設定協力している
こないだのコメントでややヤマトを批判した記事になったが日本のSF界の流れをヤマト抜きに語れないのも事実
時間が経てばクオリティも下がる
仕方の無いこと
ただヤマトの一作目の当時としてのクオリティの高さは、あのガンダムを生んだサンライズの監督陣もヤマトのプロデューサーの西崎さんの手腕は奇跡的と一目を置いてずっと目標としていたようです
投稿: hideakifuji | 2009年7月29日 (水) 22時37分
hideakifujiさん、こんにちは!
SFテイストに満ちた作品と言えますよね。
このあたりバリバリのハードSFでもなく、なんでもありのSFファンタジーでもなく、その間のいい匙加減になっているように思います。
ハードSFだとその根拠となる科学知識自体が更新されていくので、古い作品はとても古くさくなるものですが、本作などはSFのセンス・オブ・ワンダーに溢れているので、不思議と色あせてみえないように感じます。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年7月27日 (月) 15時16分
inunekoさん、こんにちは!
ドメル艦隊はかっこいい!激しく同意です。
艦載機などもけっこう好きなんですよ。
実写化ですか〜!
そんな話もあるんですね。
沖田=西田敏行さん、なんとなくあっているような気もします。
古代=キムタクは???。
森雪がだれかが気になります。
確かにそそりますねえ。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年7月27日 (月) 06時36分
ヤマトは僕にとっても劇場二作目「さらば…」で終わっています
ただその次に作られた「ヤマトよ永遠に」は非常にまとまりのよい傑作だったため、個人的にそれまでのヤマトと分けて別物といった割り切り方で支持しました。
日本の当時のSF状況というのは海外からかなり影響左右されていた感があり
もともとテレビシリーズの第一作目は海外のスタートレックのオープニングのスキャットの入った曲をイメージしてヤマトのBGMにアレンジしなおしたり
劇場版第一作のヤマトが出発するときの音楽は2001年宇宙の旅の冒頭で流れたツァラトゥストラはかく語りきをかなり髣髴とさせた曲だったと思います
テレビシリーズの第一作目はかなりSFドラマとしてらしく仕上げようと手探り状態で作られていた感があって、やはり現代の視点で見ると一年で別の銀河系まで旅をしようとするのはかなり無理なナンセンスさも感じます
ただ宇宙に地球時間の一年の定義を持ち込もうとしたアインシュタインの特殊相対性理論を無視した設定点はかわいらしく
現在同じような企画を持ち上げる製作者は居ないだろうなと考えると時代性を感じて非常に懐かしく観れる作品と考えています
ヤマトは個人的に当時という固定枠に縛られた作品として現在では通用しない作品と定義している私にとって
タイムカプセル的な作品として別の意味で価値は見出しています
投稿: hideakifuji | 2009年7月26日 (日) 14時29分
お邪魔します〜。三段空母良いですよね!ドメル艦隊はみんなかっこいいです。
で、そのアニメもどうなるのか不安なところに、キムタク古代で実写というヨタをツレがたれ込んできました。沖田艦長は西田敏行さんだとか…佐渡先生じゃなくって?ふはは!
ホントですかね〜?
アニメよりそそるところがチとかなし、です。
投稿: inuneko | 2009年7月26日 (日) 02時50分