三週連続の「機動戦士ガンダム」観賞です。
ほんとは新宿ピカデリーで観たかったのですが、夜しか上映していないので、昼でもやっているマリオンで観ました。
やっぱりデジタル上映の方がきれいだなあ・・・。
残念。
「機動戦士ガンダム」のことを書くとなると、「ニュータイプ」という概念に触れないわけにはいきません。
こちらのテーマについては、今までも様々な方が評論しているので、今更ながらというところも、自分ごときがというところもあるのでなんなのですが、今再び「ガンダム」を観て感じたこと、考えたことを書きたいと思います。
作品中で語られる「ニュータイプ」という概念は、認識力・直観力が今までの人類よりも増している新しい人類だと言われています。
これはいわゆる超能力者(エスパー)のような存在ではありません。
人類という存在が大地に立ったそのときから、人類は重力という力によって縛られていました。
ですので、その認識力というものの基本は二次元ベースであると言っていいと思います。
この世界は三次元ではないかという異論はあるかもしれないですが、地図などを見ればわかるように世界の認識はやはり二次元的であると思います。
そして人類が宇宙に進出したとき、人類は世界を初めて三次元的に認識するようになる可能性はあると思います。
そのような三次元的な世界を見るようになったとき、同じ世界であってもその見え方は変わってくるような気がします。
見え方だけでなく三次元的空間で暮らすことが普通になった時、新たな能力の萌芽が見られるということもあるかもしれません。
それが遺伝的なものになるかどうかはわかりませんが、空間識などの認識力が高い人々が出てくるということはありえるような気がします。
僕たちが二次元的に生きながらも、三次元を認識できるように、三次元的に生きるようになった人々は時間を含め四次元的な認識ができるようになるかもしれません。
それは未来を思い描くということにより長けた人々であるかもしれません。
また本シリーズで言われるスペースノイド(宇宙で暮らす人々)は、日常的に地球を客観的に外から見ることができるようになった人々でもあります。
説明するまでもなく現在の僕たちにとって地球は足下にあるのが普通です。
それはそれこそ空気があるように当たり前のことであるわけです。
けれどもコロニーで暮らすスペースノイドにとって、大地も空気もはかなく貴重なものであるという点で大地というものの捉え方が異なってくると思います。
同じ地球でも、存在することを当たり前と思う人々、それを貴重だと思う人々、価値観が変わってくるということはこれもあり得ることです。
未来をもうすこし認識できるようになる力。
地球を今よりも客観的に見えるようになる力。
「機動戦士ガンダム」で描かれていた「ニュータイプ」というのは、今の時代にこそ必要な概念であるかもしれません。
ジオン・ズム・ダイクンが唱えた「ニュータイプ」というのは極めて概念的であったのであろうと思われます。
もともとは概念であったものが、実際に通常よりもカンの良いタイプの人間(アムロやララァなど)の出現により「ニュータイプ」が概念ではなく、具体的な力として受け止められるものに変容していったのが本シリーズで描かれる一年戦争中であったのでしょう。
ただ能力的な変化がすべての人々に同じように、同時に起こるということはありえないと考えられます。
「ニュータイプ」を「人類の革新」と呼び、以降のシリーズで「オールドタイプ」に反旗を翻すようになるシャアはそのことを認識できなかったのかもしれません。
ものの見方というのはある時期に急激に変化することはあり得ます。
革命やパラダイムシフトというのはそういう変化のことです。
けれども人類総ての肉体や能力というのはそのような急激に変化は起こりません。
概念的な「ニュータイプ」への急激な変化はあり得ても、能力的な「ニュータイプ」へ変化はあり得ません。
「ニュータイプ」と同じ言葉で語られたため、この概念と能力の差が一緒くたになってしまうところに作品中で語られる「ニュータイプ論」の危うさがあるのです。
その危うい罠に、その後のシャアもシロッコもハマーンも嵌っていったと考えられます。
対してアムロはこの概念と能力の差というのをわかっているように思われます。
彼は人類が穏やかに変化していくということを目指していたように思えます。
ふむ、「ニュータイプ」について書きながら、「Zガンダム」がけっこうキーになっているような気がしてきました。
「Zガンダム」のテレビシリーズは、観てなじめずその後の「ガンダム」から脱落していった僕はあまりいい印象がありません。
なので劇場版も未観賞。
やはりメモリアル上映で、こちらも改めて観てみなくてはいけないかな・・・。
「機動戦士ガンダム」の記事はこちら→
「機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編」の記事はこちら→
「機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者」の記事はこちら→

最近のコメント