「蟹工船(2009)」 イメージせよ、行動せよ
昨年からワーキング・プアや派遣切りなどの社会的問題の影響によって、ベストセラーとなった小林多喜二の「蟹工船」。
劣悪な環境で働かされ、資本家に搾取されている労働者たち。
そういうものだと諦めていた労働者たちですが、人間的に扱ってもらうことを掲げストライキに踏み切ります。
確かに昨今は格差社会と言われていますが、「蟹工船」で描かれている労働者たちの姿は、現代の働く人々の姿とダブります。
だからこそ80年もたったのにも関わらずベストセラーとなったのでしょう。
「蟹工船」はプロレタリア文学の代表作とされますが、僕は歴史の授業で習っただけでしっかりと読んだことはありません。
ですが、今回の映画も基本的なストーリーラインは原作に忠実であるように思えました。
プロレタリア文学という言い方は、なにか資本主義に対する社会主義・共産主義といった政治的イデオロギー的な感じがします。
当然、原作の小説が書かれた時代というのはそういう政治的な意味合いも当然込められていたでしょう。
けれども本作映画が描いているのは、そういう政治的イデオロギーなものではないと受け止めました。
思想的なイデオロギーで言えば、本作が描いているのは自由主義であると思います。
こちらの自由主義と対するのは全体主義・独裁主義であると思います。
よく資本主義VS社会主義・共産主義、自由主義VS全体主義・独裁主義という言い方をするので、これらの対立軸は混同しがちですが、全く別ものです。
舞台となる時代の日本は資本主義でありかつ全体主義な国家であったわけです。
労働者たちは社会主義・共産主義を求めたわけではなく、自由であることを求めたのです。
あの時代自由であるための政治的な受け皿は社会主義・共産主義しかなく、プロレタリア文学という呼び方をされたのでしょう。
その後、理想と言われた社会主義・共産主義も全体主義化もしくは独裁化を歩み、本当の意味での自由はなくなり、その後崩壊していったというのは歴史が語っている通りです。
ソ連など東側諸国の崩壊により、資本主義が買ったと言われます。
確かに資本主義の方が現状はうまく機能するでしょう。
けれども個々の人々がほんとうに自由であるかと言われれば、現代の資本主義国家においてもそうとは言い切れないような気がします。
自由主義を標榜している国であるにも関わらず、国会議員の二世問題等がまじめに議論されていたりするわけですが、持てる者しか国を動かす立場になれないようになってしまった今の時代は、原作小説が書かれた80年前と変わっていないのかもしれません。
ただ本作映画がテーマにしているのは、自由主義をもっとパーソナルな問題にしています。
このような時勢になっているのは体制の問題もありますが、現状を是としているのは、個人が自分の人生について真面目に考えないようになっているのではないかと。
イメージせよ、と本作は語りかけます。
自分がどうなりたいか、イメージしろと。
なりゆきまかせにしない。
行動せよ、本作は言います。
なりたい自分があるなら、一歩踏み出せと。
これは政治的イデオロギーではありません。
資本主義にせよ、社会・共産主義にせよ、強要され、それに従うだけならば、自由ではないのです。
自分の行く末を考え、自分で道を選ぶ。
それがほんとうの自由主義。
大切なのは個人個人が自分の人生を選ぶという行為なのかもしれません。

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叱咤激励ムービー。
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{{{ ***STORY***
カムチャッカ沖。蟹を缶詰に加工する蟹工船・博光丸の船内では、出稼ぎ労働者たちが安い賃金で過酷な労働を強いられていた。少しでも手を抜くと監督・浅川の容赦のない暴力に晒されてしまう。労働者たちは仲間の1人・新庄の言葉に従って自殺しようとするも、結局死ぬことすらできなかった。そんなある日、新庄と塩田は漁の最中に博光丸とはぐれてしまう。そして冬の海で寒さに凍える彼らを助けたのは、ロシアの船だった……。 gooより}}}
プロレタリア文学の代表作、小林多喜二..... [続きを読む]
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「蟹工船」 製作:2009年、日本 109分 監督、脚本:SABU 原作:小林多 [続きを読む]
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カムチャッカ沖で蟹を獲り、船上で缶詰に加工する蟹工船・博光丸。 監督の浅川は労働者たちを人間扱いしなかったが、安い賃金で過酷な労働を強いられている出稼ぎ労働者たちはそんな環境に慣れ、ただ疲れ、絶望しているだけだった。 労働者の一人・新庄は「あきらめるには早すぎる。 自分たちが変わらなければ何も変わらない!」と呼びかける…。 社会派ドラマ。... [続きを読む]
受信: 2009年7月13日 (月) 20時40分
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映画館にて「蟹工船」
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おはなし:カムチャッカ沖でカニを捕り、船上で加工缶詰を作る蟹工船の博光丸。そこで働く労働者は、監督・浅川(西島秀俊)の暴力と酷使に耐えながら、低賃金で重労働についていていた・・・。
プロレタリア文学の傑作『蟹工船』が、作者の没後75年である2008年に再脚光を浴び何十万部も売れたことも記憶に新しいです。安い給料と不安定な雇用に苦しんでいる労働者たちに共感を呼んだということですが、私も映画化に備えて何十年かぶりに再読しました。... [続きを読む]
受信: 2009年7月14日 (火) 09時33分
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受信: 2009年7月14日 (火) 23時36分
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原作は読んでませんけど監督がSABUさんだということでガチンコな社会派作品にはならないだろうなと思っていたら、何となく予想通りのあの劇場予告編。原作や社会性はあまり意識せずに観たほうが良さそうかなと思ったので特に予備知識は仕入れずに観ることにしました。
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受信: 2009年7月18日 (土) 10時13分
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それでも働くカムチャッカ。
カムチャッカ沖。蟹を缶詰に加工する蟹工船・博光丸の船内では、出稼ぎ労働者たちが安い賃金で過酷な労働を強いられていた。現代的にカジュアルにアレンジされた「蟹工船」ということだったので、かなりハジけた演出なのかと思いきや、さほど冒険はせずにわりとストレートに作られていた印象。思えば、この昭和初期のプロレタリア文学の代表作がこの時期に脚光を浴びたのは、ワーキングプアのあふれる現代に共感できる労働者待遇が描かれていたからであるらしいから、遊びをきかせすぎて茶化しているような... [続きを読む]
受信: 2009年7月18日 (土) 20時25分
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[ドラマ][悲惨な労働][蟹工船[シュールなユーモア]][実写][邦画][スコープサイズ][DTSステレオ]
鬱な雰囲気:★★★☆☆
監督:
SABU
出演:
松田龍平、西島秀俊、高良健吾、新井浩文、柄本時生、木下隆行、木本武宏、三浦誠己、竹財輝之助、利重剛、皆....... [続きを読む]
受信: 2009年7月18日 (土) 22時04分
» 蟹工船 [必見!ミスターシネマの最新映画ネタバレ・批評レビュー!]
[蟹工船] ブログ村キーワード ↓ワンクリックの応援お願いします↓ 評価:6.0/10点満点 2009年65本目(60作品)です。 労働環境の悪化を背景に、脚光を浴びている小林多喜二の小説「蟹工船」の実写版です。 カムチャッカ沖で蟹を獲り、船内で缶詰に加工する蟹工船・..... [続きを読む]
受信: 2009年7月18日 (土) 23時53分
» □『蟹工船』■ ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2009年:日本映画、小林多喜二原作、SABU監督&脚本、松田龍平、西島秀俊主演。 [続きを読む]
受信: 2009年7月18日 (土) 23時57分
» 「蟹工船」 [みんなシネマいいのに!]
今やすっかり過去のことになってしまったが、派遣切りや派遣村で世間が盛り上がって [続きを読む]
受信: 2009年7月19日 (日) 12時56分
» 蟹工船 意外にもまともな映画だったが。(←失礼か!?) [労組書記長社労士のブログ]
【 38 -8-】 思いも掛けないある方からの突然の頂いた鑑賞券(ありがとうございました、昨日、見てきました)。
プロレタリア文学の代表作とされている小林多喜二の原作「蟹工船」、大昔、労働組合の先輩に無理矢理貸し付けられて読まされたがそのこと自体を覚えていないからまともに読まなかったのだろう、いや、お馬鹿だったからか、または根気が足らなかったからかで読めなかったのかも知れない。
最近、若い人に読まれていると話題で、だからようやく読んだのが約1年前、それ以来、何度か読み返してみた。
これといった感想は... [続きを読む]
受信: 2009年7月19日 (日) 21時57分
» 蟹工船 [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP]
言わずと知れた小林多喜二の傑作小説の映画化だが、ポップな地獄絵図とでも呼びたいライトな「蟹工船」に仕上がった。カムチャッカ沖の船上で蟹の缶詰を加工する蟹工船で働く労働者たちが、過酷な重労働と横暴な支配者に対してついに立ち上がる姿を描く物語だ。ユーモアを漂....... [続きを読む]
受信: 2009年7月19日 (日) 23時51分
» 蟹工船2009 [銅版画制作の日々]
反撃!!!!ーーーーーー!
上映最終日これまた滑り込みーーーーー。ようやく「蟹工船」鑑賞しました。今何故に?「蟹工船」がブレイクなのだろ?とよく考えたら、社会が抱える深刻な失業事情が、この作品を呼び起こしたわけだった。考えるともう何年も前からそんなに選ぶほど良い仕事はなかったように思う。そう思うのは私だけ?かな・・・・・。
そんな事情はじりじり迫っていたのだけれど、ここ数年で大きく落ち込んだように思う。昔のように1つの会社に就職したら、定年まで同じところでというのはもう夢の話なわけで。多分今の若... [続きを読む]
受信: 2009年7月20日 (月) 21時10分
» 小林多喜二「蟹工船」の文章 [聖なるブログ 闘いうどんを啜れ]
芸もないのにキレキャラ演じてる宮崎哲弥先生は元キッチュに弟子入りして大島渚の瞬間芸を体得すべきではないのか。いや、それ以前に、背を伸ばす機械つかって肉体改造するのが先決か。... [続きを読む]
受信: 2009年7月24日 (金) 21時56分
» 蟹工船 [映画君の毎日]
●ストーリー●北海道の先、カムチャッカ沖でカニを捕り、船上で加工缶詰を作る蟹工船の博光丸。そこで働く労働者は、監督・浅川(西島秀俊)の暴力と酷使に耐えながら、低賃金で重労働についていていた。そんなある日、労働者たちは一斉蜂起するが、力及ばなかった。しかし、労... [続きを読む]
受信: 2009年7月26日 (日) 22時44分
» 蟹工船 [欧風]
日曜はワーナー・マイカル・シネマズ市川妙典で映画を観てきた~。
今回観たのは「蟹工船」。
なんか昔から「蟹工船」っていうのは歴史の文学でこの作者と作品名を線で結べ、みたいな問題で目にしたことがよくあったような気がするけ... [続きを読む]
受信: 2009年8月 2日 (日) 06時32分
» 蟹工船 [Diarydiary!]
《蟹工船》 2009年 日本映画 カムチャッカ沖で蟹を取り船の中で缶詰加工する工 [続きを読む]
受信: 2009年8月24日 (月) 19時39分
» 蟹工船 [むーびーふぁんたすてぃっく]
「蟹工船」 感想
たまには日本映画のレビューもかかないと
今回観たのは「蟹工船」
小林多喜二の有名な小説を映画化した作品です。
... [続きを読む]
受信: 2010年3月 1日 (月) 19時16分
» 蟹工船 [映画、言いたい放題!]
原作本が大流行。
随分前に読んだけれど、忘れてしまいました。f(^^;)
映画の方の評判は微妙ですが、
観てみないとね。
昭和初年のある春。
折からの大不況にあぶれた鉱夫、農夫、
労働者上りの雑夫たちを乗せ、
カニを捕り、船上で加工缶詰を作る蟹工船・博光丸は... [続きを読む]
受信: 2010年5月 7日 (金) 13時23分
» 「蟹工船」松田龍平主演 [コレ、いいかも☆]
カニを漁獲した後、そのまま船の上で缶詰に加工する船を蟹工船と呼んだ。カムチャッカ沖を航行する蟹工船・博光丸の監督、浅川は、労働者たちを酷使し、まるで奴隷のように扱ってい... [続きを読む]
受信: 2010年12月 7日 (火) 22時43分
» 「蟹工船」 [prisoners BLOG]
端的にいって、1929年に書かれた小林多喜二の原作小説が現在のワーキングプアが搾取されている姿にストレートにつながるのか、といったらかなり疑問、というよりはっきりこじつけと思え、特に「団結」して資本家に対抗するという処方箋は日本に限っても組合の腐敗(今の民...... [続きを読む]
受信: 2011年5月 1日 (日) 05時18分
» 蟹工船 [映画と本の『たんぽぽ館』]
意外とライトなプロレタリア
* * * * * * * * *
小林多喜二によるプロレタリア文学の金字塔「蟹工船」の映画化です。
えーと、私は西島秀俊さんはてっきり労働者の先導役かと思ったのだけれど・・・、
これが意外にも、蟹工...... [続きを読む]
受信: 2013年4月 7日 (日) 10時29分
コメント
ときおさん、こんにちは!
僕も本作以外のSABU監督の作品は観ていないのでなんとも言えないのですが・・・。
あまりSABU監督は細かい人間描写というのには頓着しないのかなと思いました。
彼の作品はよく「疾走感がある」と言われています。
本作を観てなるほどなあと思いました。
後半のストライキに至るにつれ、段々と走り始めていき、そして止まらないまま映画が終わる。
これが彼のテイストなのだろうと感じました。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年7月27日 (月) 15時31分
思想的な立場というよりは映画とは
なにかということを書いたつもりです。SABU監督は
絵づくりとかシェール、ポップアート表現はたしかに
才能優れています。彼の前作は観ていないのでわかりませんが。
人間ドラマの描き方が不向きなところが見えてしまう。
前編のほうはまるで子供向けのようにばかばかしさ、見る
大人は耐えられない。後編はしっかりしているがその前後が一致
しないため、これじゃヒットしないだろうなー。
実は私も映画監督になりたっかたのです。
映画を愛しているから。
投稿: ときお | 2009年7月26日 (日) 16時06分
ときおさん、こんにちは!
コメントありがとうございました。
僕は原作も以前の映画化作品も読んでいないので、比べることはできないのですが、これはこれで成立しているような気がしました。
ワーキング・プアなどが問題になっている現在ですが、「蟹工船」当時の様子をリアルに描いても若い人々には共感できないような気がします。
あくまで今の人に受け入れやすいテイストでポップに描くというのは、一つのアプローチの方法かなと思いました。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年7月26日 (日) 07時07分
この間、SABU監督新作映画蟹工船を観に行きました。
しかし、ここまで酷く描く作品は観たことありません。
私は若いときに原作を読んだ記憶ありますが昨年の蟹工船ブームになっていたので再読しました。1953年山村惣監督の蟹工船も観ました。
リアルでおっさん臭いほど演技が光る重圧感と虐げられた労働者たちが起ちあがるシーンは感動そのものです。
新作ではどうかというと時代無視、どこか懐かしい昭和30年代の日本の面陰を散らす。船内の糞壷はまるで大きな蜂の巣みたい。天井剥がしたようにかなりある配管。作業場にはコンベアを動かす大きい歯車があります。まさにSABU監督らしい演出です。だがお話は原作と違い、飽きれるほど貧乏自慢話や集団自殺?これって誰に観せているのかわかりません。
さすがに途中で帰ると思いました。まあ。最後まで観るのが礼儀でしょう。
前編ではこんな感じで進み、後編にあたりかな?小林多喜二の原作が息吹き返してくるが、行く不明になった二人の漁夫がロシアで救助され、ロシア人たちが踊っている船内で怪しげな中国人が話かけてくる。この台詞は謎説きのようにへんな日本語で説得する場面であるが、笑いさせるところでしょうが私はイライラしてまったわい。戻ってきた二人の漁夫。そのうちのリーダーの漁夫は労働者たちを団結させ、ストライキ突入。要求書を持って浅川監督に渡すのだが、その翌日。駆逐艦の水兵たちに包囲させる?じゃない。
宇宙船のような将軍と一人の水兵でした。突然、浅川監督がリーダーの漁夫の背中にピストルで打ったれてしまう。リーダーの漁夫が叫ぶ。ロシア人や日本人なんて関係ない。みんな、同じ歯車じゃないかと云って死んでいくリーダーの漁夫の役松田龍平くんの演技は素晴らしいかったと思います。
そして、SABU監督も感動したという、彼等は起ち上がった、もう一度というストーリです。だから、前編の方で作業場シーンに労働者の表情のアップ、全体の繰り返しの演出すること。同じアングルではあまりよくない。
蜂の巣のような糞壷シーンも同じアングル。映画なのに舞台を観ている感じ
です。役者の台詞が聞き取りにくいところが多い。映画監督は最低劇作家シェークスピアを読むべし。
蟹工船は優れたプロレタリアート文学であり
弱い立場の視点で描いたものです。
映画監督選び方が間違ったのでしょう。
文学的知識を持った職人の映画監督ならば
しっかりした蟹工船の映画になったかもしれません。
SABU監督のようなポップアート表現主義は悪く思わないがかえて自己意識が強くなりがち、これはオリジナル作品だったら良いでしょう。
蟹工船は文学性の高いものであるから、
映画製作担当者は真剣に考える必要ではないでしょうか。
投稿: ときお | 2009年7月23日 (木) 22時05分