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2009年7月27日 (月)

本 「戦略シナリオ -思考と技術-」

こちらの著作は初版が1998年だからもう10年以上前になります。
けれどもこの本の中で書かれていることは、全く古くなっていません。
というよりも先行きが見えにくい時代だからこそ、この本のテーマである「戦略思考」というものが必要になると思います。
自分もマーケティングの周辺分野でずっと仕事をしてきたこともあり、自分なりの方法論というものを持っていますが、本作で書かれていることというのは自分でも実践していることと共通したところがありました。
本著で書かれている「戦略思考」ですが、陥りやすい思考方法として「オペレーション思考」と「ギャンブル思考」というのがあります。
「オペレーション思考」というのは、現状顕在化している状況の中でいかに問題解決をしていくかという思考スタイルです。
ある枠組みの中にいかに効率的にオペレーションしていくかというのがこの考え方です。
これは高度成長期のように世の中が右肩上がりであり、ある程度その先行きが読める状況であれば最も効率的な思考方法になります。
ですが、状況が激しく変わり続けている中では「オペレーション思考」は対応しきれなくなっています。
また「ギャンブル思考」というのは論理的に破綻している言わば「思いつき」の考え方です。
こういう事例は実はけっこう自分の会社でもあったりします。
「オペレーション思考」で行き詰まったときに起死回生とばかりに、ハイリターンを求めてしまう。
けれどもその裏にはハイリスクがあるとも考慮せずに。
これは危険な思考方法です。
世の中の情勢が激しく変化し続ける中で有効なのは本著であげられている「戦略思考」であると思われます。
「戦略思考」というのはリスクをイメージしつつ、最もリターンをあげられる道筋を考えていくということです。
「オペレーション思考」は言わばリスクばかりを気にしすぎる安全主義ですが、今まで予想し得なかった状況になったときには昨日しません。
「ギャンブル思考」はリスクを無視した考え方であり、賭けに成功した場合はいいですが、そうでない場合は組織を破壊しかねません。
「戦略思考」とはリスクとリターンのバランスをとるという思考方法なのです。
そのためには客観的な現状の把握と、そしてビジョンが必要です。
現在の立ち位置と、未来の立ち位置をイメージすることにより、その中で最もリスクとリターンのバランスがとれた道を見つけるということです。
未来の立ち位置がしっかりとしていれば、その道行きで何か突発的なことが起こったとしても、行うことのベースにはぶれることはありません。
「オペレーション思考」というのは現在しか見ていない考え方、「ギャンブル思考」とは良い未来しか見ていない考え方とも言えるでしょう。
たびたびこのブログでも触れているのですが、昨年は自分が所属する会社を未曾有の危機が襲いました。
それは予想をすることはまったくできない事態で業界全体がダメージを受けました。
けれども僕たちの会社はその対応には、全くブレなく対応できたと思っています。
それは中は大変でした。
今まで誰も経験したことがない事態でしたから。
けれども僕たちの会社は「こうあるべき」という姿のイメージが共有化されていました。
ですのでいろいろな打ち手がすばやく実施できたのだと思います。
これはいわば社員が「戦略思考」でものを考えていたのでしょう。
先行きの見えないこういう時代だからこそ、このような考え方が必要なのだと思います。

「戦略シナリオ -思考と技術-」齋藤嘉則著 東洋経済新報社 ハードカバー ISBN4-492-53049-5

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