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2009年6月 6日 (土)

「ハイキック・ガール!」 映画ではない、デモンストレーションだ

先週観たタイのアクション映画「チョコレート・ファイター」が想像以上におもしろかったのでした。
「マッハ!」と同じく生身アクションなのにも関わらず、主演の一見可憐な少女のジージャーが、繰り出す技が迫力がありたいへんに見応えがあった作品でした。
細身の少女がバッタバッタと自分よりも大きな男たちを倒していくという、この落差が迫力あるんですよね。
そして今週、ふと「ぴあ」を見ていると、「ハイキック・ガール!」なる日本のアクション映画が公開中であることを発見。
掲載されている写真は、空手有段者の女子高生が、悪党にハイキックをお見舞いしている画柄。
なかなかに決まっていて、カッコいい。
「チョコレート・ファイター」の感激再び!と、いそいそと本作を観に行ってきました。

最近テレビであまり放送していないので、ご無沙汰なのですが、総合格闘技は好きなんですよ。
でもってやはり好きな技はハイキックとか、回し蹴りとかの蹴り技。
ミルコ・クロコップとか好きなんですよね。
なんで好きかというと、技が美しいから。
やはり格闘家がハイキックとか決めた時っていうのは、「強いっ!」っていうより、「美しいっ」て思っちゃうんですよね。
微動だにしない下半身から、ピンと一直線に高い位置まで蹴り上げられた脚というのは一枚絵のような感じがしたりするのです。

ちょっと脱線しました。
で、勢い込んで本作を観に行ったのですが、映画館を出てくる時はゲンナリしてしまいました。
あまりのひどい出来に。

<ここから珍しく悪態モードに入りますので、ご注意>

それほど映画として期待していたわけではありません。
でも、本作は映画としてお金をとるほどのレベルに仕上がっておりません。
確かに出演者は実際に格闘技の経験者、プロを集めているようで、個々の技などは美しい。
実際に技も当てているので、その辺りは迫力はあるとは思います。
けれどもアクションシーンの演出は、段取りを決めた空手の組み手を観ているよう。
よほど当てていることを見せたいのか、何度も同じシーンをスローモーションで見せてくれます。
この手法は香港のカンフー映画や、先にあげた「マッハ!」などでも見られますが、一つの作品の中でもかなり大きな技や仕掛けがあった場合に限られます。
本作のようにいちいちスローモーションをはさまれては、アクションの流れがとまっているように思えます。
なんだか観ていて、格闘技のデモンストレーションフィルムを観ているような気がしてきました。
またアクションシーンに限らず、カットの繋ぎがモタモタしていて非常にテンポが悪い。
撮ったフィルムを全部見せようとしているかと思えるくらいに編集が悪いです。
さらに出演者が、演技者というよりも格闘技経験者を集めているためか、演技についてはお粗末としか言えません。
つまりは興行してお金をとる映画としてのある品質レベルまでにいっていないように思えます。
映画監督しか映画をとっていけないわけではありません。
別にタレントでも、アクション畑の人でも作品を作ってもいいのです。
けれども作品を作り興行をはる時点で、その人はプロの映画監督となるわけです。
だからある一定のレベルの作品を提供する義務があると思います。
そのレベルにこの作品はなっていません。
久しぶりに叫びたくなりました。
「金返せ!」と。

「チョコレート・ファイター」の記事はこちら→

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コメント

お名前のない方さん

本作がダメなところは主演の子がどうこうという話ではないと思います。
アクションものはファンタジーのようなものなので、女の子が男を倒していくこと自体はまったく文句はありません(というより好きです)。
本作が良くないのは、演出です。
映画であるからには押さえるべき点がまったくきちんとされておりません。
その点が僕がこの作品を評価しないところです。

投稿: はらやん(管理人) | 2009年6月28日 (日) 08時53分

まあ少女の体格で大男をバタバタ倒す時点でファンタジーですから温かくみてほしいです。
ベストキッドなんかと一緒で実際には誰も強いと思ってないですしw

投稿: | 2009年6月24日 (水) 13時23分

KLYさん、こんにちは!

そうなんですよねえ、空手のパフォーマンスを観ているかと思ってしまいました。
どうしても同時期に公開されている「チョコレート・ファイター」と比較してしまいますが、あちらが観客へのサービス精神というのが溢れているのに対し、本作はどちらかというと自己満足にとどまっていたようなところが残念です。
スゴいのはわかったからさー、と言いたくなってしまいました。

投稿: はらやん(管理人) | 2009年6月 7日 (日) 14時41分

全く同じです。
武田さんの蹴りや、中さんの流れるような型。見事なものですが、監督が全てを台無しにしています。
何を勘違いしてるのか知りませんけど、見たいのは武道としての空手ビデオじゃなくて、アクションなんですけどね。
あの編集が狙いで本当にそれが良いと思ってやっているなら根本的なセンスがないので監督なんてやらないで欲しいです。というか、今からでも辞めて欲しいぐらい。
まぁ、実はこの監督さん『少林少女』のプロデューサーですから、推して知るべしってとこなんでしょうけども。

投稿: KLY | 2009年6月 7日 (日) 00時49分

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