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2009年5月24日 (日)

「BONES シーズン2」 シーズン1よりおもしろさアップ

アメリカのTVドラマというのは、少年ジャンプの連載漫画のように人気があればドンドン延長し、逆に人気がなければすぐに打ち切られていきます。
好きなドラマがずっと観られるのはファンとしてはいいのですが、その弊害としてどうしてもドラマが当初持っていたテイストが失われていくことが多々あります。
ドラマがパターン化して単調になってきたり、引き延ばしとしか思えないような無理なストーリー展開があったり。
ファンとしては緊張感がなくなるよりは、早く決着をつけて欲しいと思うこともあります。

さて人気シリーズの「BONES」のシーズン2を観ましたが、嬉しいことにシーズン1よりもおもしろさがアップしているように思えます。
一つは扱われる事件の謎がシーズン1よりもかなり凝ったものになっているということ。
このシリーズは、法人類学の視点から事件の謎を解き明かしていくミステリーですが、タイトルが「BONES」ですから毎回死体を題材にしていかなればならないという縛りがあります。
いつかはネタ切れを起こすのではないかと思っていたのですが、シーズン2を観る限りそういうことはないようです。
毎回物語の構造としては、タイトル前に謎の変死体が提示され、その謎を解き明かすという作りになっています。
その死体がそこにあるということは、その人には死に至るそれぞれの人生があるわけです。
その人生は画一的なものではなく、そこに数々の物語が生まれます。
彼らの人生をブレナンたちは、死体というものから浮かび上がらせていきます。
ブレナンの論理的な思考、ブースの捜査官のカンともいえる洞察も対照的で、それらが組み合わさり、謎を解き明かしていく様は、ネタ切れなど起こさないようなバリエーションを生み出していきます。
基本的にはこのシリーズは1話完結のスタイルですが、シーズン2に入りシリーズを縦に繋ぐような仕掛けというのも施されていました。
1話完結スタイルの作品は、それまでの放映を踏まえていないことがあったりします(並行して作られることが多いので仕方がないところもあります)が、シーズン2では各話の繋がりをかなり意識しているように思えます。
カミールとブース、ブレナンとサリーの恋愛話、ブレナンの両親の話なども描かれますが、これも複数回にまたがって縦糸のように語られていきます。
このようなシリーズを繋ぐエピソードとなり、またキャラクターの深みを増すことに貢献しているように思えました。
シーズン3も楽しみになってきました。

「BONES シーズン1」の記事はこちら→
「BONES シーズン3」の記事はこちら→
「BONES シーズン4」の記事はこちら→

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コメント

とめちゃんさん、こんばんは!

登場人物たちの会話が軽妙ですよね。
互いの性格がわかっているやりとりというか。
シーズン1より2のほうがさらにその感じがしっくりとしているような気がしました。
シーズン3もおもしろそうですねー。
謎の団体が出てくるというのは、どこかで読みました。
またはまってしまいそうです。

投稿: はらやん(管理人) | 2009年5月28日 (木) 21時20分

はじめまして。
私も『BONES』が大好きです。
このドラマはシーズンを重ねるごとに面白くなってきますよ。
本題の事件もさることながら、私は人間関係ややり取りが好きでハマりました。
3ndはシーズン全体で大きな事件を扱いつつ、1話完結のスタイルも維持していくという感じです。
脚本家ストの影響でエピ自体も少ないのが残念なんですが、それを加味しても楽しめると思います。

投稿: とめちゃん | 2009年5月28日 (木) 14時28分

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受信: 2010年3月22日 (月) 21時24分

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