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2009年5月31日 (日)

本 「多神教と一神教 -古代地中海世界の宗教ドラマ-」

文明が発祥したメソポタミアやエジプトの宗教は多神教でした。
そこから一神教であるユダヤ教、キリスト教が生まれ次第に広がっていきました。
本著では、多神教から一神教への流れというのを、遺跡や古文書の解析からというよりも、古代人の精神という点からアプローチしていきます。
なんとなく僕たちは古代人も自分たちと同じように感じ、考えていたように思えます。
なので古代の文献を読むにしても、自分たちの精神をベースにして考えてしまいがちです。
それを古代人の精神から見るというのはとても新鮮でした。
それは古代人が世界をどう見ていたかということで、それは彼らの宗教観に繋がっていきます。
古代ギリシアの文献でもまた聖書でも、あたかも神がそこにいて語りかけているように書かれています。
現代人である僕たちはそれを非現実的なフィクションととらえ、何かの暗喩と考えます。
けれどもほんとうにそうでしょうか。
実体としての神が存在しなくても、古代人の精神には神という領域があったのではないかと著者が書いていますが、おもしろい考え方ではないかと思いました。
よく考えてみるとそもそも神というものは、人間が世界を認識するために編み出したもののような気がします。
脳なのか精神の中になのか世界を認識するというパートがあって、それが神の領域だったのかもしれません。
けれども人間が言葉を手に入れ、そして論理というものを手にしたとき、世界を認識する術を得、かつて神の領域だったものが、科学の領域になったのかもしれません。
最近観た「天使と悪魔」でも宗教と科学の対立というのがテーマになっていましたが、それらはそもそもは同じ根源(世界はどうしてこうあるのかという人間の根源的疑問)を持つものなのかもしれません。

「多神教と一神教 -古代地中海世界の宗教ドラマ-」本村凌二著 岩波書店 新書 ISBN4-00-430967-0

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