「フィッシュストーリー」 想いはいつか誰かに届く
「アヒルと鴨のコインロッカー」と同じく、伊坂幸太郎さん原作、中村義洋さん監督の本作「フィッシュストーリー」を観てきました。
「アヒルと鴨のコインロッカー」は好きな作品なので、期待大でした。
過去と現在が絡まりながら描かれ、これらがどのように収まるんだろうと思わせ、最後にピタリとピースが嵌る感じは「アヒルと鴨のコインロッカー」を思わせるようなところがありました。
本作は「アヒルと鴨のコインロッカー」のようなびっくりするような種明かしというわけではないのですが、最後にちゃんとジグゾーパズルが完成するような気持ちよさはあります。
「フィッシュストーリー」の方がよりおとぎ話的というかファンタジー的なところがあるように思いますが、観終わった後のなにか切ないような、そして希望が見えるような、観後感は共通していたような気がします。
これは中村監督の持ち味なんでしょうね。
こういうテイストは好きです。
バタフライ効果を思わせるような、過去の些細な出来事が、ゆくゆくは人類を救うことに繋がっていきます。
些細な出来事とは、音楽に情熱をかけるバンドメンバーのささやかな想いと現状に対する抵抗がこめられたパンクロック。
彼らが曲に込めた想いはすぐには誰にも伝わらない。
けれどいつかはその想いは誰かに届くと思って彼らは演奏しました。
目先の結果がすぐにでないと、人は自分がやっていることがとても無意味に思えてしまいます。
だから段々と人は現状を打破する気持ちを失って、長いものに巻かれていくようになってしまいます。
けれど厳しい現状だと諦めてしまっては、個々の人にも、人類にも未来はなくなってしまうのかもしれません。
レコード会社に首を言い渡されそうになろうとも、歌いたい曲を演奏した「逆鱗」のメンバーの勇気。
臆病でいつも逃げてばかりいた雅史が運命の女性と出会った時に振り絞った勇気。
シージャッカーに撃たれても正義を貫こうとする瀬川の勇気。
曲に込めた想いと勇気はその形を変えながら、さまざまな人に伝わり、また勇気を生み出していきます。
些細な勇気は、いつかは誰かに伝わり、でも確実に大きな勇気に育っていく。
「フィッシュストーリー」というのは「ほら話」という意味だったんですね。
知らなかったです。
とてもおとぎ話的な「ほら話」でしたが、勇気と希望を与えてくれる「ほら話」でした。
伊坂幸太郎原作、中村義洋監督作品「アヒルと鴨のコインロッカー」の記事はこちら→
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受信: 2009年4月 4日 (土) 18時02分
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原作 伊坂幸太郎 『フィッシュストーリー』(新潮社刊)
脚本 林民夫
監督 中村義洋
出演 伊藤淳史/高良健吾/多部未華子/濱田岳/森山未來/大森南朋/渋川清彦/石丸謙二郎/草村礼子
『アヒルと鴨のコインロッカー』に続き、伊坂幸太郎の原作を中村義洋が監督したユーモラスでそう快な人間ドラマ。
{/book_mov/}1975年、鳴かず飛ばずのパンクバンド“逆鱗”のメンバー4人(伊藤敦史、高良健吾、渋川清彦、大川内利充)は、解散前最後の... [続きを読む]
受信: 2009年4月 4日 (土) 22時14分
» 『フィッシュストーリー』 [ラムの大通り]
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中村義洋監督、
『ルート225』の頃からただ者じゃないと思っていたけど、
やってくれるね」
----えっ。泣ける映画ニャの?
原作の伊坂幸太郎ってあまりそんな感じしないけど。
「いや、そうじゃないよ。
ここが説明しづらいんだけど、
観ている間、現実世界のアレやコレやを全部忘れることができる、
それほどにオモシロい映画ってこと。
まったく先を読むことができない、
そのストーリー展開と構成の妙。
いくつもの時代を描き、
最後はそれらが見事に繋がっていく。
... [続きを読む]
受信: 2009年4月 4日 (土) 23時57分
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受信: 2009年4月 5日 (日) 00時16分
» フィッシュストーリー [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
『きっと、つながる』
コチラの「フィッシュストーリー」は、”発売当時だれにも聞かれなかった曲が、時空を超えて人々をつなぎ、世界を救う!「アヒルと鴨のコインロッカー」のチームが贈る、伊坂幸太郎ワールド第2弾!!”となる3/20公開のヒューマン・ファンタジー...... [続きを読む]
受信: 2009年4月 5日 (日) 09時43分
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きっと、つながる [続きを読む]
受信: 2009年4月 5日 (日) 13時48分
» フィッシュストーリー [ダイターンクラッシュ!!]
3月24日(火) 21:05~ チネ4 料金:1200円(レイトショー料金) パンフレット:700円(買っていない) 『フィッシュストーリー』公式サイト 『アヒルと鴨のコインロッカー』の原作、監督コンビの作品。伊坂幸太郎原作映画は、いくつか見ているが、小説は一冊も読んでいないな。 本作は、短編が原作だそうである。 「逆鱗」なる早すぎたバンド(「セックス・ピストルズ」の一年前1975年のパンクらしきもの)の曲「フィッシュストーリー」が、2012年彗星激突の危機を救う。どのように救う結果になったの... [続きを読む]
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TB失礼します [続きを読む]
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» 『フィッシュストーリー』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「フィッシュストーリー」□監督 中村義洋 □脚本 林 民夫 □原作 伊坂幸太郎(フィッシュストーリー」新潮社)□キャスト 伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田 岳、森山未來、大森南朋
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受信: 2009年4月10日 (金) 11時15分
» 中村義洋監督 「フィッシュストーリー」 [映画と読書とタバコの日々]
映画「アヒルと鴨のコインロッカー」に続く、伊坂幸太郎【原作】×中村義洋【監督】の第2弾「フィッシュストーリー」
公式サイトはコチラ⇒http://fishstory-movie.jp/
予告編です。
[parts:eNozsDJkhAMmJhMjUyZjU2NGJgszSyPTNEuLEEvdSI+KKt0MD18mGDA2xS4P1czEhKQSALl3DtI=]
原作の単行本。
原作が文庫本になってないので、未読ですが…
映画、今日の公休に観てきちゃいました。
お小遣いが今月は厳し... [続きを読む]
受信: 2009年4月10日 (金) 16時37分
» フィッシュストーリー☆独り言 [黒猫のうたた寝]
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受信: 2009年4月16日 (木) 01時47分
» [映画『フィッシュストーリー』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』]
★MOVIX昭島での、最終上映に駆け込んできましたよ^^
明日から、ロードショーがいっぱいだから、上映終了の映画も多いですな。
◇
簡単に言うと、これは「小エピソード連鎖」の物語である。
とあるパンク(と言うジャンル名さえない頃の)バンドの売れない一曲から発した「無意識のメッセージ性」が、多くの人物の人生を介在し、最終的に地球を滅亡から救う。
普通、このような物語は、実写映画にすると、荒唐無稽になってしまうと思われるのだが、
「場(演劇で言うところの)」を限定し、でも、そ... [続きを読む]
受信: 2009年4月17日 (金) 15時07分
» 届け天国の弟へ! 『フィッシュストーリー』トークショー付きプレミア上映&ライブfeaturing逆鱗@SHIBUYA O-EAST [|あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο]
昨日の速報の通り、映画『フィッシュストーリー』トークショー付きプレミア上映&ライブfeaturing逆鱗へ行ってきた。映画の上映後に、監督・キャストによる舞台挨拶と、映画から飛び出しデビューしたバンド逆鱗の一夜限りの生演奏が行われた。会場はSHIBUYA O-...... [続きを読む]
受信: 2009年4月18日 (土) 02時42分
» フィッシュストーリー ★★★★★ [えいがのはこ。]
みんな小さい頃は、それになりたい!!って憧れてたのに、大人になっていくにつれて、それを願う気持ちは次第に忘れていってしまうんだ。
うーん、忘れたって言うのはちょっと違うか。
本当は全然忘れてないし、その声は発せられ続けてるんだけど、かつての純粋な気持ちの上... [続きを読む]
受信: 2009年4月21日 (火) 12時40分
» 『フィッシュストーリー』 試写会鑑賞 [映画な日々。読書な日々。]
1975年、セックス・ピストルズがデビューする1年前。最後のレコーディングで「FISH STORY」を放った、早すぎたパンクバンド“逆鱗”。1982年、いつか世界を救うと予言された気弱な大学生。2009年、シージャックに巻き込まれた女子高生と、正義の味方になりたかったフェリーの... [続きを読む]
受信: 2009年4月27日 (月) 22時43分
» 「フィッシュストーリー」みた。 [たいむのひとりごと]
「僕の孤独がぁ~(ダダダ ダン) 魚だったらぁ~(ダダダ ダン)♪」何度も繰り返して聞かされると必ず頭の中でエンドレスにグルグルと回ってしまうような曲の一つと思う。何たってヘンテコリンな歌詞だし、「ダ... [続きを読む]
受信: 2009年5月17日 (日) 17時27分
» フィッシュストーリー [迷宮映画館]
本のテイストとは、違った味わい。 [続きを読む]
受信: 2009年6月 3日 (水) 20時11分
» フィッシュストーリー [Art- Mill]
http://fishstory-movie.jp/
伊坂幸太郎さんの「行ったり来たりの時空間」ワールドを、中村義洋監督がどう自分の世界に取り込むか。これが一番の興味だった。「フィッシュストーリー」、 [続きを読む]
受信: 2009年6月 4日 (木) 21時37分
» 映画 【フィッシュストーリー】 [ミチの雑記帳]
映画館にて「フィッシュストーリー」
伊坂幸太郎の原作を『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋監督が映画化。
おはなし:1975年、鳴かず飛ばずのパンクバンド“逆鱗”のメンバー4人は、解散前最後のレコーディングに挑んでいた。そして、地球の滅亡まで数時間に迫った2012年、一軒のレコード店から「FISH STORY」が流れ始める・・・。
原作は未読です。
伊坂幸太郎の小説と言えば、たくさんの伏線が最後には見事に回収され、登場人物が何らかの繋がりを持っていたことが解明される爽快感に魅了されること... [続きを読む]
受信: 2009年6月 8日 (月) 11時53分
» フィッシュストーリー [CASA GALARINA]
★★★☆ 2009年/日本 監督/中村義洋
「少ない出演時間で個性を発揮する俳優陣」 [続きを読む]
受信: 2009年11月15日 (日) 15時10分
» フィッシュストーリー [悠雅的生活]
「いつか世界を救う」。「誰かに届け」。「礼なら父に」。 [続きを読む]
受信: 2009年12月30日 (水) 22時46分
» 映画「フィッシュストーリー」 [Andre's Review]
フィッシュストーリー 日本 2009 2009年3月公開 DVD鑑賞 1つ前の原作の感想記事で予告した通り、原作を読み終えてすぐに映画版をDVDで鑑賞。原作は文庫版で追いかけていて、さらに伊坂作品はどうしても原作を先に読みたいので、劇場公開時もできる限り予告編を見ないようにするなどグググッと我慢していたのをようやく観ることができました。 そんなわけで、短編集『フィッシュストーリー』に収録されている表題作の映画化。 2012年 隕石がまもなく地球に衝突しようとしている時、谷口(石丸謙二郎)は誰もい... [続きを読む]
受信: 2010年1月 4日 (月) 00時25分
» フィッシュストーリー [にわうたぶろぐ]
原作を読んでなくなって凄さはわかるよ! [続きを読む]
受信: 2010年4月18日 (日) 23時59分
» フィッシュストーリー [A Day In The Life]
DVDにて観賞
解説
『アヒルと鴨のコインロッカー』に続き、伊坂幸太郎の原作を
中村義洋が監督したユーモラスでそう快な人間ドラマ。
1970年代に活動した売れないパンクバンドの一曲を中心に、と
りどりの登場人物が交錯しやがて地球の滅亡をも救う、時空を
超えた奇... [続きを読む]
受信: 2011年12月 2日 (金) 23時53分
コメント
sakuraiさん、こんばんは!
原作、お読みになっているんですねー。
短編ということで、映画の方はずいぶん膨らませているのかな。
伊藤君はいまだにチビノリダーのイメージがありますが、最近はこういうかっこいい役もはまってきましたよね。
>「正義の味方」
あそこまで技がなくても、子供には心には正義の心を持って育ってほしいですよね。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年6月 3日 (水) 21時20分
本は短編で、するっと終わるんですが、あたしにはちょっと余計な逸話と、冗長な感じがしたかな・・。
音楽は最高でした。
イメージ通り。よかった。
伊藤君も今まで見た中で、一番かっこえかった。
あとは未來君でしたね。
うちの子も、今から『正義の味方』にしようと画策してます。。。。
投稿: sakurai | 2009年6月 3日 (水) 20時13分
hitoさん、こんばんは!
「アヒルと鴨」はそれまで前提としていたことがひっくり返るところが見事でしたよね。
本作はそれぞれのエピソードが実は関連していることであるというところが非常にうまく構成されていました。
こういうのは中村監督はうまいですね。
逆鱗の歌、特に最後のレコーディングのところは彼らの魂が入っている感じがありましたよね。
その魂が入っていたからこそ、その想いは知らない人にも伝わっていったのですよね。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年4月 7日 (火) 22時09分
こんにちは~
こちらからのTBが反映されないようです、すいません。
アヒルと鴨ほどの爽快さはなかったですが、全体が繋がっていく様子は巧かったですよね~♪
楽しみました!
何度か聴くうちにとても耳に馴染んできてとてもいい曲に思えてきました。
逆鱗のレコーディングシーンはゾクゾクでした!
投稿: hito | 2009年4月 6日 (月) 18時52分
kiraさん、こんにちは!
そうですねー、伊坂作品と中村監督は相性がいいように僕も思います。
積み重ねられるエピソードに出てくる登場人物が、それぞれにまっすぐで、いい気持ちで見終えることができました。
また中村監督には伊坂作品の映画を撮ってほしいです。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年4月 5日 (日) 06時36分
rose_chocolatさん、こんばんは!
伊坂幸太郎作品と、中村監督は相性がいい感じがしますね。
本作はキャラクターがそれぞれまっすぐなところが良かった。
なんだか観ていてほっとします。
音楽も良かったですよね。
彼らの歌詞の意味のギミックは伊坂作品の味わいがありました(原作にもあるのかな)。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年4月 4日 (土) 23時07分
こんばんは!
TB,有難うございます♪
この作品で、やっぱり中村監督は井坂作品との相性がいいんだなーと、
私的には思いました~。
逆鱗の最後のレコーディング~居酒屋のメンバーの会話のシーン、
そこから繋がっていくちいさなエピソード。
全部がなんだか好き
いろんな正義の味方、あってもいいですよね!
投稿: kira | 2009年4月 4日 (土) 22時22分
中村作品って自分には当たりハズレが大きすぎるんで(!)、いつも怖々と観るんですけど、これはよかった。みんないい味出してましたね。
そしてやっぱり音楽がいいと映画が引き締まります。逆麟カッコよかったー
投稿: rose_chocolat | 2009年4月 4日 (土) 21時08分