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2009年2月 8日 (日)

「純喫茶磯辺」 愛おしい不器用さ

最近はお洒落なカフェが隆盛で、純喫茶と言っている店はめっきりと少なくなりました。
もともと大正時代から広まってきた「カフェー」は女給さんがいてお酒も出したりするお店ですが、それに対して種類を扱わないお店を「純喫茶」と呼ぶようになったようです。
現在は「純喫茶」はすっかり死語になっているような感もありますが、この言葉からはなんというか昭和の香りみたいなものを感じますね。
今の時代に「純喫茶」と言っているお店というのは、頑固にそれを守っているというよりも、時代の流れに無頓着なのか、なんかいつの間にか周りが変化してしまっていたという感じがします。
それは遅れているといったネガティブな感じというのではなく、時代に合わせるような器用なところがない印象があって、なんだかそれが微笑ましい感じもするんです。

本作の中で登場人物がよく使っている言葉があります。
それは「アレ」。
「いや、その、アレだよ・・・。」
「実はアレなんですよね・・・。」
みたいな使い方。
よく考えてみると「アレ」って言葉はなんとも言えない、いい加減さと便利さというものを持っているような気がします。
言いたいことがあるんだけれど、なんとなくはっきりと言いづらいようなこと。
「ちょっとそこのところ察してくれよ」みたいな時に使ってしまう言葉のような気がします。
この察せるか察せないかというのも微妙なところなんですけれどね。
察するにはそれなりに相手のことをわかっていなくてはいけない。
言っている方は察してくれるだろうみたいなところもあるけれど、それを聞いているほうは「?」となたりもしたりして。
「アレ」って言葉を使う時っていうのは、自分がこの相手だったらわかってくれるだろう、わかってほしいという時に使うものなのかもしれませんね。
こちらがそれなりに親しいと思っている(期待している)関係のときしか使わない言葉なのかも。
親しいけれど、言いづらかったり、なんかかっこ悪そうなときに使ってしまう、照れ隠しの便利な言葉。
なんていうか、この言葉とっても不器用な感じがするんですよね。
微笑ましい不器用さ。
「純喫茶」という存在にも通じるような不器用さ。
このなんとも言えぬ不器用な感じはこの作品全体の雰囲気にもよくでていて、なんか登場人物がとてもどうしようもないほど人間くさく、愛おしく感じてしまいました。

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