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2009年1月26日 (月)

本 「震える岩 霊験お初捕物控」

引き続き宮部みゆきさんの本を読みました。
こちらもミステリーですが、時代劇です。
いわゆる捕物帳ですね。
探偵役となるのは短編集「かまいたち」で登場したお初。
お初は岡っ引き六蔵の娘ですが、人の見えぬ物を見る能力、つまりは超能力を持っています。
ミステリーで超能力というと、なんでもありになりそうでどうかと思う方もいるかもしれませんが、おなじ宮部みゆきさんの「龍は眠る」や「クロスファイア」などでも超能力を扱っているので、このあたりの道具立ての使い方は非常に上手です。
タイトルにある「震える岩」というのは、「耳袋」にある「奇岩鳴動の事」という記録をベースにしています。
ちなみに「耳袋」というのは江戸時代の町奉行根岸鎮衛が書いた奇妙な話をまとめたものです。
その「奇岩」があるのが、あの忠臣蔵の浅野内匠頭が切腹した庭にある岩ということです。
「耳袋」に書いてある「奇岩鳴動の事」という記録は十行程度の記述なのですが、それを宮部みゆきさんは赤穂浪士の討ち入りと絡めたミステリーに見事に仕上げています。
このあたり作家というものは少ないきっかけからよくもこんなに想像力を広げる事ができるものだと感心してしまいます。
超能力を持つお初と数学が好きな変わった侍右京之介のコンビ振りもなかなか。
「霊験お初捕物控」はシリーズになっていて、本作の次が「天狗風」という作品。
こちらも今度読んでみたいと思います。

本作の続編「天狗風 霊験お初捕物控<二>」の記事はこちら→

「震える岩 霊験お初捕物控」宮部みゆき著 講談社 文庫 ISBN4-06-263590-9

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コメント

ななさん、こんにちは!

宮部みゆきさんの時代ものはそれほど読んでいないのですが、こちらの作品、おもしろかったです。
「本所深川ふしぎ草子」は先日読みました。
彼女の時代ものは人情味があって宮部みゆきさんらしいですよね。
「火車」も読みました。
宮部みゆきさんのミステリーってけっこう人の醜いところとか悪意とかをとりあげるので、ドキドキしてしまいますが、読むの止められないんですよね。

投稿: はらやん(管理人) | 2009年2月 7日 (土) 11時56分

こんばんは!
私も宮部みゆきさん大好きで
彼女の時代ものもほとんど欠かさず読んでますね~
お初が主人公のシリーズもいいですが
「本所深川ふしぎ草紙」「初ものがたり」「幻色江戸ごよみ」「堪忍箱」「あやし」・・・どれもお勧めです。
彼女の筆力には毎回脱帽ですね。
ちなみに私が彼女にハマった初めての作品は「火車」でした。

投稿: なな | 2009年2月 4日 (水) 22時00分

SOARさん、こんばんは!

宮部みゆきさんのこと、「模倣犯」を読んで以来、大ファンなんですよー。
彼女のミステリーはおもしろいですよね。
時代物はあんまり読んでいなかったのですが、おもしろさはかわりませんね。
現代物でも下町を舞台にすることが多いので違和感はないです。
「天狗風」も今度読んでみます!

投稿: はらやん(管理人) | 2009年1月26日 (月) 21時42分

こんばんは。
はらやんさんも宮部みゆき読まれるんですね!
「淋しい狩人」の記事も拝見しました。
私も彼女の初期からのファンでして、最近の時代物とファンタジー系以外のほぼすべてを読んでます。
「天狗風」もオススメですよ~!

投稿: SOAR | 2009年1月26日 (月) 20時42分

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» 宮部みゆき「震える岩」 [お花と読書と散歩、映画も好き]
盛り沢山、凝ったストーリーです 死人憑きという怪奇話に始まり お初の超能力 算学に強い古沢右京之介 忠臣蔵 徳川治世 ミステリーというよりホラーの印象が強いかなぁ、と読んでいったのですが 最後は全ての話が繋がり謎解きが終る やっぱミステリーだったか 右京之介の存在が面白い 理系ならでは、視点を変えることの重要性を説き、お初に大きなヒントを与えます 伊坂さんの「モダンタイムス」で主人公の奥さんが右京之介と同じようなこと言ってたっけ ... [続きを読む]

受信: 2010年2月15日 (月) 19時36分

» 『震える岩』 [観・読・聴・験 備忘録]
宮部みゆき 『震える岩』(講談社文庫)、読了。 真夏のホラーシリーズ第4弾(笑)。 どんどんホラーの本質から外れていってますが、もう何でもあり。 江戸の時代を舞台に、死人憑きと幼子殺しの真相に...... [続きを読む]

受信: 2013年6月 7日 (金) 19時36分

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