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2009年1月26日 (月)

「仮面ライダークウガ」<平成仮面ライダー振り返り-Part1>

いよいよ始まった平成ライダー第10作「仮面ライダーディケイド」。
第1話はオープニングからして、劇場版か?と思えるほどに気合いが入った迫力で、平成ライダーがわんさかでてきてサービス満点でした。
平成ライダーシリーズは、それぞれが独自の世界観を持っています。
「ディケイド」では別々の世界である過去の9作品をパラレルワールドとして描き、それをディケイドが旅していくという趣向のようらしい。
これから、それぞれの世界で、それぞれのライダーと出会っていくのでしょう。
なかなかに力技が必要な設定ですが、平成ライダーらしい意欲的な試みですので、これからの1年間を期待したいところです。

さて「ディケイド」で平成ライダーが出てくるということなので、いい機会なので平成ライダーを振り返ってみようと、実は昨年末から「クウガ」から見直しているところです。
平成の「仮面ライダー」は、昭和の「仮面ライダー」とは違い、上記のようにそれぞれの作品で、全く別のそれぞれの世界観を持っています(「アギト」では当初「クウガ」とのリンクと思しきところもありましたが)。
作品中で「ライダー」という呼称が出てこない作品の方が多いくらいです。
けれどもそれらの作品が「仮面ライダー」らしいのは、何か「仮面ライダー」らしい共通項があることからなのでしょう。
また平成ライダーというのは、毎回作品を作るたびごとに、今までの「仮面ライダー」らしくないところ、それまでのファンからすれば「掟破り」的なことにも果敢に挑んできたような気がします。
それは裏っ側にはマーチャンダイジング的なこともあるでしょうが、そのチャレンジャブルな姿勢こそが、毎回進化していくという平成ライダーの遺伝子「革新性」となっているような気がします。
そこで今までの平成ライダー9作品を振り返る事によって、そのような共通項と革新性を見ていきたいと思っています。

まずはとちあえず見終えた平成ライダー第1作「仮面ライダークウガ」。
実は僕はこの作品はリアルタイムでは見ていません。
ちょうどその頃は、すこし映画や特撮などから離れていた時で、あまりその存在を気にしていませんでした。
けれどもオダギリジョーさんのブレイクなどもあり、世間で話題になっているうちに次第に気になってきました。
リアルタイムで平成ライダーを観始めたのは、「龍騎」からなので、ちょうどそのころDVDを借りて一気見たのでした。

「クウガ」はそのデザインは、昭和のライダーのフォーマット(複眼、クラッシャー等)に沿ったものでした。
これは「BLACK RX」からずいぶん間が空いてからの登場であったので、皆のイメージにある「仮面ライダー」らしさというものをしっかりと出そうという狙いであったのでしょう。
「仮面ライダー」の資産というものを、しっかりと使っていこうという意図があったように感じます。
けれども物語としては、昭和ライダーにはない「革新性」に満ちあふれていました。

まず全体的な構成として1年間を通した大河ドラマとして描かれているということ。
現在では平成ライダーとしてそれは当たり前ですが、「仮面ライダー」、というより特撮のテレビシリーズとしては革新的だったと思います。
それまでは子供向け(とされる)特撮番組は1話完結が基本。
これは複雑な物語で1年間は子供がついていけないと(勝手に)思われていたからでしょう。
けれども「クウガ」ではその大河ドラマ性というのを取り入れました。
それにより子供だけでなく、大人のファンも獲得することができたのだと思います。
現在では1年間オンエアする大河ドラマ性を持ったシリーズは「仮面ライダー」とNHKの大河ドラマくらいです。

「クウガ」で革新的であったのは、その徹底したリアル志向でもありました。
このあたりのリアルな世界観の組み立ては高寺プロデューサーの個性のような気がします(「アギト」から担当する白倉プロデューサーはどちらかというと非現実的な世界観を好んでいるような気がします)。
現実の世の中でもし「仮面ライダー」に登場するような怪人が出現したらといったシミュレーションを本作では行っています。
そのような状況でまず対応するのは警察でしょう。
登場する怪人(グロンギ)は、警察から未確認生命体、通称未確認と呼ばれ、警視庁には「未確認生命体対策室」が作られる。
そしてその怪人も「悪の組織」などという現実的にはあまり考えられないものとしては描かれていません(ま、怪人自体が非現実的ではあるのですけれど)。
殺戮だけをゲームのように楽しむことを目的とする殺人集団として描かれています。
これは殺伐とした今となっては実はけっこうリアリティのある話でもあると思います。
現実、理由もなく行われる殺人が増えてきています。
作中、グロンギであるバラのタトゥーの女が「リント(人間のこと)も変わったものだな」という台詞がありますが、彼女の言う通り現在人間はより殺伐とした存在、グロンギに近くなっているのかもしれません。
このように「クウガ」は実はかなりハードなテーマを扱った作品でありました。
これを最終回まで押し通したのは感心するばかりです。

上に書いた「仮面ライダー」が持つ共通項というのは何かと言ったら、僕は「強さ」であると思います。
そんなのヒーローものだから当たり前じゃないかというかもしれませんが、この「強さ」は単に怪人との戦いに勝つといっただけの「強さ」ではありません。
仮面ライダーという存在は、「ウルトラマン」とは違い、その本質は一人の人間です。
一人の人間がある事情により、特殊な能力を持つ「仮面ライダー」になることができるようになる。
そして彼らはその能力を、敵との戦いに使おうとするわけです。
そこには戦いに向かわせる意志や覚悟といったものがあります。
それが「強さ」なのではないかと思っています。
平成ライダーはそれぞれが、それぞれの「強さ」を持っているように思えます。
では「クウガ」、その主人公五代雄介(オダギリジョーさん)の「強さ」とはなんなのでしょう。
僕は彼が持つ「強さ」とは、その「楽天性」にあると思います。
彼は「みんなの笑顔のために」戦います。
けれども彼からは表面的には悲壮感といったものは感じません。
クウガであり続けることは彼が真の闇に囚われる危険がありました。
それでも彼は戦い続けた。
たぶん彼は「明るい未来」というものを信じ続ける「強さ」があったのでしょう。
困難が目の前にあったとき、誰もそれから逃げ出したくなります。
けれどそれで未来をあきらめることというのが、本当は真の闇に囚われることなのかもしれません。
信じ続けることというのは、それだけの「強さ」を持たなくていはいけないのです(雄介の先生のエピソード、また蝶野という人物のエピソードからそういうものを感じます)。
そして「明るい未来」をかなえるために、決して逃げず向かい合う雄介の姿勢は周りの者にも勇気を与えてくれます。
立ち向かう心が、皆に「強さ」を分け与えるのです。

いつもよりもとても分量が多い文章になってしまいました。
それだけ平成ライダーには思い入れがあるということで(笑)。
次回は第2作目「仮面ライダーアギト」の予定です。
全シリーズ見終えるのはいつになることやら・・・。
「ディケイド」が終わるまで達成できるかなあ。

「仮面ライダーアギト<平成仮面ライダー振り返り-Part2>」の記事はこちら→
「仮面ライダー龍騎<平成仮面ライダー振り返り-Part3>
「仮面ライダー555(ファイズ)」<平成仮面ライダー振り返り-Part4>の記事はこちら→
「仮面ライダー剣(ブレイド)」<平成仮面ライダー振り返り-Part5>の記事はこちら→

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コメント

ミチさん、こんばんは!

意外なところにコメントを、と思ったら、そうかミチさんはオダギリジョーさんのファンでしたねー。
そう、「クウガ」のラスト2話というのは、今見てもかなり意欲的な作りになっています。
最終回ではなくその前の回で最強の敵と対決をもってきたということもそうですし、そこでは戦いではなく雄介がみんなのところを訪れるのがメインでしたからね。
最後まで雄介というキャラクターをしっかりと描ききった本作は、現在へ続く大人の観賞に耐えうる平成ライダーの歩みを決定づけたものだと言えますね。

投稿: はらやん(管理人) | 2009年1月30日 (金) 23時26分

こんにちは♪
はらやんさんもご存知のとおり、私はオダギリジョーの大ファンなのですが、彼のファンになった時に「クウガ」を全話DVDで見ました。
台詞回しはイマイチだったものの、サムズアップして「みんなの笑顔のために」と戦い続ける彼に魅せられました。
最終話の1話前、みんなにお別れを告げて回るエピソードでは涙が止まりませんでした。

投稿: ミチ | 2009年1月29日 (木) 19時40分

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