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2008年12月 7日 (日)

本 「アメリカの宇宙戦略」

子供の頃に読んだ本では、21世紀になったら人類は宇宙に居住地を持っているような未来が描かれていました。
けれど現在の状況はそれにはほど遠い。
ケネディ大統領が月へ行くと宣言してから、月に人類が足跡を刻むまではたった8年。
けれどもそれから何十年と経っているのに、最近では月を訪れることもなくなっています。
その背景にはアメリカ・ソ連の宇宙進出競争がアメリカの勝利で一段落したことが大きい。
「必要は発明の母」と言いますが、科学技術というのは解決しなくてはいけない目標があるほうがその進化は早い。
月へ到着するという目標を達成してしまったNASAはその目標を失ってしまい活力を失ってしまうのです。
その他にも東西冷戦が終わったこと、アメリカの景気の悪化などの要因があります。
宇宙への進出には莫大なコストそして人的なものを含めた大量の資源の導入が必要です。
それは一大国家プロジェクトであり、そのために経済や政治というものの影響を多く受けざるをえません。
宇宙は残された最後のフロンティアと言われることが多いですが、そこへの進出というのは極めて政治的な意図によってもたらされるものだといえるでしょう。
そう言えば、ヨーロッパの新大陸への進出も経済的、政治的理由によってはじまりました。
好奇心だけではもう宇宙開発といった大プロジェクトは動かないのです。
最近は中国が有人での打ち上げに成功したりして、アメリカも危機感を持つ状況になってきていると思います。
この先にあるのが、競争にせよ強力にせよ、宇宙開発においてアメリカと中国が牽引役になるのは間違いないでしょう。
ただ心配なのは最近の全世界的な不況により、宇宙開発といったすぐにリターンが返ってこないプロジェクトに対しては予算などの獲得が難しくなるのが予想されること。
もしかすると再び宇宙開発低迷の時代になるかもしれません。

「アメリカの宇宙戦略」明石和康著 岩波書店 新書 ISBN4-00-431023-7

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