さて恒例の(と言っても2回目ですが)2008年の振り返りをやってみたいと思います。
昨年はあと1本で大台と書いていたのですが、今年の劇場鑑賞作品の数は軽く大台を越え、年間122本に及んでおりました。
びっくり。
今年は仕事がかなり忙しく、ストレスフルなものが多かったんですけれど、そうなると休みの日に映画が無性に観たくなるんです(現実逃避という説もあるけれど)。
なので本数が激増したのかな。
とはいっても2008年はこれは初日に観たいぞというような期待が大きかった作品も多かったのも事実でした。
では今年のベスト10を発表です(昨年はベスト5だったのですが、絞れなかった・・・)。
1.「ダークナイト」
2.「デトロイト・メタル・シティ」
3.「パコと魔法の絵本」
4.「アフタースクール」
5.「WALL・E/ウォーリー」
6.「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン-」
7.「クライマーズ・ハイ」
8.「クローバーフィールド/HAKAISYA」
9.「バンテージ・ポイント」
10.「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
さて1位の「ダークナイト」。
おそらく数多くのブロガーさんが今年No.1にしているであろうと予想される作品です。
僕の中でも他作品に圧倒的な差をつけての1位だと思っています。
ヒーローものの前提である善と悪というものを深く深く掘り下げたテーマ性を持ちながらも、高いエンターテイメント性を持った作品。
絶対的な悪として描かれるヒース・レジャー演じるジョーカーの印象も強く残っていますが、やはりヒーローもの根底に関わるテーマをこのように掘り下げた脚本、演出がすばらしいと思います。
2位の「デトロイト・メタル・シティ」、こちらは役者はやはりすごいと思い知った作品です。
「ダークナイト」のヒース・レジャーも演じているというよりはジョーカーという存在がそこにいるという感じでしたが、本作で松山ケンイチさん演じるクラウザーさんもまさにそんな感じ。
松山ケンイチさんという人は、どんなキャラクターでも雰囲気というか魂からしてなりきるような役者さんに見えます。
もちろんメイクをしたりとはしているのですが、やはり松山ケンイチではなくそのキャラクターがそこにいるという感じに思わせるのがスゴいと思うのですよね。
原作のエッセンスをうまく解釈してストーリー仕立てにした脚本もよくできていました。
3位は「パコと魔法の絵本」。
これは作品の中で語られていることにとても共鳴してしまったからです。
詳しくはそのときの記事のところを読んでいただけると幸いですが、「自分だけで生きているのではない」という当たり前のことを改めて感じさせてもらった作品でした。
邦画とは思えないカラフルな映像・音楽も楽しかったです。
4位「アフタースクール」。
結局この作品は3回も観ました(さらにDVDも買ってしまった)。
観る度になるほどと思わせる脚本がすばらしい。
こういうドンデン返しものというのは2回目はさほどおもしろくなかったりするものですが、本作は違います。
観れば観るほど、こんなところにこんな仕掛けが、と感心させられることばかり。
よく練られています。
5位「WALL・E/ウォーリー」
こちらはここまでアニメーションキャラクターに生命を与えた演出が良かったです。
コンピューターで描かれている以上そこには偶然性などはなく、すべてウォーリーやイヴが人間以上に人間らしく見えるところは監督やアニメーターたちが意図したことなんですよね。
これを支えるピクサーの技術力もすばらしいです。
6位「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン-」
これは「映画愛」を感じたから!
映画を作っている人たちの映画への愛情が感じられる作品はやはり観ていて気持ちいい。
皮肉って笑わせるパロディ映画ではなく、映画好きなんだ!という想いが伝わってきます。
7位「クライマーズ・ハイ」
原田監督のいいところがでた作品。
ぴりぴりとした緊張感が全編ずっと続いていて、長尺なのに引き込まれて最後まで見せきりました。
堤真一さんは本作といい、「容疑者Xの献身」といい、脂が乗っている感じがしますね。
8位「クローバーフィールド/HAKAISYA」
これは賛否両論分かれていましたが、僕は高く評価しています。
映画をとてもコンセプチュアルに考えて、それを中途半端ではなく徹底的にコンセプトに基づいて組み立てた作品に思えます。
9位「バンテージ・ポイント」
これは「アフタースクール」と同じようによく練られた脚本だったからです。
こういうタイプの作品は脚本の設計がおかしいと、全く見られたものではなくなってしまいます。
やはり映画は脚本ですよね。
10位「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
人間というものを醜いところまで深くえぐっていくポール・T・アンダーソン監督の粘っこい演出が良かった。
観るのにとてもエネルギーがいりますが、いろいろと考えさせてくれるパワーを持っています。
ダニエル・デイ=ルイスの存在感も圧倒的でした。
あとワースト5を。
1.「少林少女」
2.「L change the worLd」
3.「カンフーくん」
4.「ブラブラバンバン」
5.「D-WARS/ディー・ウォーズ」
1〜3位まではあまりに企画が安易すぎて、腹立たしいほど。
映画への愛情はなく、売りたいだけでは?と勘ぐってしまいます。
その時の記事を読み直してみると、かなり憤っているのが我ながら伝わってきます。
5位の「D-WARS/ディー・ウォーズ」は映画に対する愛は感じるけれど、実力が伴わない感じでした(笑)。
そこが「クローバーフィールド」と違うところ。
今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
よい映画に出会えるといいですね。
2007年を振り返って<映画>の記事はこちら→
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