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2008年12月13日 (土)

「空へ -救いの翼 RESCUE WINGS-」 人を守る力

ゴジラシリーズや「戦国自衛隊1549」等、手塚昌明監督の作品はあまりいいと思ったことはないのですが(とってもドラマが薄いので)、撮影に自衛隊が全面協力していることらしいので、観に行ってきました。
メカもの好きなので・・・。
本作の題材となるのは航空自衛隊航空救難隊。
主役メカ(?)は救難ヘリUH-60Jで、こちらは「ブラックホーク・ダウン」で登場したUH-60 ブラックホークをベースにした機体です。
実機が映っているシーンがかなり多いですが、自衛隊もだいぶ撮影に協力したのでしょうね。
登場人物の背景に本物の戦闘機が映っていると、それだけで画面がはえます。

救難ものというと、「海猿」や「守護神」そして先週から公開中の「252」などが思い浮かびます。
それらの作品と比べても、予想した通りというか本作も過去の手塚監督の作品と同様にドラマ部分がとても弱い。
ストーリーはこの手のジャンルの王道で凝ったひねりはないのに、それをドラマチックに盛り上げるでもない。
救難シーンは自衛隊の全面協力なので、本物の醸し出す迫力は映像から感じられるところなので、登場人物に関わる演出が淡白なのがもったいない感じがします。
メカ周りの演出では見せてくれるような気がしましたが(護衛艦への着艦のシーンはなかなか迫力ありました)、あまりこの監督は人間を描くことにはあまり興味がないのかな・・・。

日本の自衛隊というのは「専守防衛」という言葉にあるように、その力を「守る」ためにしか使えません。
ただその高い戦闘力というのはそもそもは人を殺したり、物を壊したりするために使うものなので、ある種の自己矛盾を持っている組織でもあります。
たぶんその組織も、そこに属する人も、そのアイデンティティの不安定さというのを感じることはあるのではないでしょうか。
自衛隊という(あえて言いますが)軍隊・戦闘集団の中で、やはりエリートと呼ばれるのはファイターパイロットなどの戦闘職なのでしょう。
その中で救難隊というのは、ど真ん中のコースではないのだと思います。
作品中で織田1尉が「F転」(ファイターパイロットから配転すること)したのをわだかまりと持っているように。
ただ日本において自衛隊の持つ戦闘力というのは自分からその力をふるうことのできない力です。
それをふるわなくてはいけないときは日本がかなりたいへんな状況となっている時です。
つまり平和であり続けるための力ではあるけれども、それをふるう機会がない力。
そのような自衛隊という組織の中で唯一救難隊というのは、「人を守るための力」を実務で発揮できる組織なのだと感じました。
自衛隊への災害救助要請というのは自治体から出るものですが、民事への自衛隊の介入というのはなるべくなら避けたいという気持ちがあるようです(ただ阪神淡路大震災での要請の遅れが被害を大きくした反省から最近はそうでもなくなっている)。
そのために自衛隊が出動する時というのはかなり過酷な状況になっているわけで、救難隊というのはそういう中でその力を発揮することが期待される、たいへんなお仕事だと思います。

本作の主人公役を務めるのは高山侑子さん。
本格的に映画に出演するのは本作が初めてのようで、初々しいというかややまだ演技が拙いところがありました。
ただまだ16歳にも関わらず、20歳過ぎの女性自衛官という役を本作では演じていたので、もう少し慣れてくればおもしろい女優さんになるかもしれません。
彼女のお父さんは実際に航空自衛隊の航空救難隊にいた方で、新潟中越地震のときも任務につかれていたということです。

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コメント

SOARさん、こんにちは!

手塚監督は映画としては、どうも出来はよくないものが多いので、作品としてはあまり期待度は高くありませんでした。
でもSOARさんコメントいただいているように実機でのシーンは迫力ありましたよね。
ネットで調べたら空自のヘリの護衛艦への着艦というのは、最近になって実際の訓練でもやられるようになったようですね。
今までやっていなかったのが不思議だったけど。
やはりセクショナリズムとかあるのかな。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年12月14日 (日) 08時43分

こんにちは♪
手塚監督と聞くとどうしてもあの「戦国自衛隊1549」が思い出されて・・・(^^ゞ
ただ今回は少なくとも自衛隊機が持つ本物の迫力を活かしきったシーンが多く見られたので、そのあたりは評価できるかもしれませんね。
空自ヘリの護衛艦への着艦シーン、貴重な映像を見せてもらいました♪

投稿: SOAR | 2008年12月14日 (日) 08時31分

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