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2008年11月30日 (日)

本 「本所深川ふしぎ草子」

宮部みゆきさんは下町の育ちということで、東東京のあたりが舞台となることが多いですよね。
本作は宮部さんが得意とする時代小説で、深川の七不思議を題材にした短編集です。
深川七不思議というのは知らなかったのですが、「置いてけ堀」だけは聞いたことがありました(まんが日本昔話だったかな)。
どの短編も時代小説らしい人情味があって、そしてちょっとしたミステリー・不思議話があって、宮部さらしい作品になっていると思います。
時代小説といっても物語に登場するのは侍ではなくて、江戸の街の町人たち。
そういった市井の人々が登場するからでしょうか、素直に人の哀しさやあったかい人情みたいなところが感じられます。
たぶん侍社会の話だともっと堅苦しくなってしまうんでしょうね。
このあたりは宮部さんのやさしい視線が感じられます。
すべての短編に登場する回向院の親分さん茂七が、またいい感じの人なんですが、こちらは別の作品「初ものがたり」では主役をはっているということで。
こちらも読みたくなりました。

「本所深川ふしぎ草子」宮部みゆき著 新潮社 文庫 ISBN4-10-136915-1

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