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2008年11月30日 (日)

「ルパン三世 カリオストロの城」 繰り返し観ても色あせない

先日ブロガーさん仲間と生涯の映画ベスト10は何かという話になり、うーんと頭をひねったのですが、僕の選んだ映画の中で唯一アニメーションでランクインしたのが、この作品「ルパン三世 カリオストロの城」です。
正直言ってこの映画を何度観たかわからないくらい。
ビデオが家に導入されたときにもテレビで放映されたのを録画して繰り返し観てましたね。
おかげでCMが入る場所まで覚えてしまった・・・。
いつもお世話になっている「カリスマ映画論」の睦月さんが、熱く本作についてブログで語っていたので(先週としまえんでリバイバル上映していたそうです)、つられて無性に観たくなって本日通算何十回目かの観賞をDVDで。
やはりおもしろい!
しかし、この作品はすごいです。
数えきれないほど観ても楽しめるんだもん。
心に刻まれる映画というのはいろいろなタイプがあります。
初めて観た時の衝撃が強い印象となって心に残るもの。
こういう映画は何度か観るとその強い印象が段々と薄れていくような怖さがあって、何度もあまり観なかったりします。
逆に何度も何度も観て楽しみたくなってしまうもの。
明らかに本作「カリオストロの城」は後者でしょう。

本作については思い入れがありすぎるので、なかなか記事に書くのが難しいのですが・・・、がんばってやってみましょう。
まず何度観ても見飽きないというのは、この作品がアニメーション=「絵が動く」ということの本質的なおもしろさということをきちんと見せているからでしょう。
アニメというのが市民権を得てから久しいですが(「ガンダム」以降か)、ストーリーやテーマを語り過ぎ、「絵が動く」という基本的なところにある感激を失っている作品も多くみられます。
宮崎監督も「ポニョ」でそのあたりの本質に再チャレンジしているように見えますが、やはり最高峰なのは「カリオストロの城」なのではと思います。
有名な「ルパン走り」(タタタタタタ、ピョーンってやつね)とか、オープニングのカーチェイスとか、ストーリーに関係なく「絵が動く」ということの感激が味わえるんですよね。
これは本当に快楽的ですらあって、何度でも何度でも観たいって感じになります。
そうそう、城にローマ水道から侵入するときのルパンの平泳ぎ(落ちる水の中を泳ぐところね)も好きなんです。
あとは魅力的なのはキャラクター、そしてその粋な台詞だと思います。
登場してるのはルパン、次元、五右衛門、不二子、銭形とおなじみのキャラクターたちですが、彼らの掛け合いの台詞というのに、彼らの長年の腐れ縁みたいなものが感じられるのがとてもいい。
例えば、クラリスが不二子にルパンとの関係を聞く場面。
不二子 「気をつけてね、あいつ、根っからの女たらしよ」
クラリス 「捨てられたの?」
不二子 「まさか。捨てたのよ」
くどくどとルパンと不二子の関係を説明するのではなくて、これだけでわからせてしまうところが粋なんですよね。
他にもルパンと次元がジャンケンでパンクの修理を決めるとことか、大公の屋敷跡で次元がルパンにコブラツイストかけるとことかも、台詞がほとんどないのにこの二人の関係というのが伝わってきます。
「超」がつくくらいに有名な「ルパン三世」という題材だからできることだとは思いますが、それがわかった上でのこの洒落たキャラクターの描き方がいいですね。

ここまで書いてやっとこの作品が何度観ても色あせない理由がわかってきたような気がします。
この作品何度も観ている場合には、ストーリーを楽しんでいるんじゃないんですね。
この場面が観たい、この台詞が聞きたい、なにかそういう気持ちで観ているような気がします。
そういった名場面がこの作品には数えきれないほどにある。
だから何度観てもその度ごとに楽しめる。
うー、やっぱりスクリーンで観たくなってきた。
どこかでまたリバイバル上映やってくれないかなあ。

宮崎駿監督作品「崖の上のポニョ」の記事はこちら→

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コメント

cochiさん、こんばんは!

おっしゃるとおりで、アニメーション本来の楽しさというのを味わうことができる作品ですよね。
この作品ができて何十年も経ちますが、まったく古びれていないのは本来の楽しさを持っているからだと思います。
宮崎監督は「ポニョ」でも原点に立ち返った演出をしていましたが、こういう作品がもっと観たいですね。

投稿: はらやん | 2012年4月 1日 (日) 00時18分

金曜ロードショウで放映してましたので、ひさしぶりにじっくりみました。
>絵が動く
まさにそれで、最近のアニメは世界観がどうのこうので、
アニメ本来の楽しさは二の次のようです。
昨晩は《ポパイ》や《トムとジェリー》を観ていた頃の感覚が蘇ってきました。
宮崎さんの才能の凄さは、《動く絵の躍動感》にありますね。
見直しました。

投稿: cochi | 2012年3月31日 (土) 11時02分

睦月さん、こんにちはー!

>『カリオストロ名台詞&名場面10選』
おおっ、これはおもしろそう!
いくらでもでてきますよ〜。
銭形の「ルパンを探してたいへんなものを見つけてしまった。どうしよう」も結構好きです。
年末くらいに是非やりましょうねー。

「ポニョ」はルパンの名場面のいくつかが反映されていますよね。
カーチェイスもそうだし、ポニョが波の上を走るところはルパンが走るところを髣髴させました。
水の表現なども通じるものあったような気がします。

ルパンの映画だと一作目の「複製人間」もけっこう好きだったりします。
「カリオストロの城」は宮崎駿作品ですが、一作目はルパンの映画という感じで。
こちらの冒頭のカーチェイスも「激突」っぽくて迫力あるんですよね。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年12月 2日 (火) 06時11分

こんにちわ。

あああ!カリオストロ、再見されたんですね!?
あ、文中リンク感謝です^^

≫この場面が観たい、この台詞が聞きたい、
なにかそういう気持ちで観ているような気がします

そうなんですよねえ。
うん、はらやんさんの言葉で非常に納得いたしました。

今度は、我々2人だけで
『カリオストロ名台詞&名場面10選』
というのをやりましょうか(笑)。
とめどなくたくさん出てきそう♪

冒頭のカーチェイスの場面(ルパン車が崖の側面を
走ったりするとこ)なんかは、ポニョでソウスケのママが
車を爆走させるシーンとダブったりしますわ。

カリオストロの中では、ルパンが「ふ~じこちゃ~ん♪」
と猫撫で声を出すシーンがないですよね?
それもまた他のルパンシリーズとは別格だなあと思って
しまうー。

投稿: 睦月 | 2008年12月 1日 (月) 15時56分

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