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2008年11月 3日 (月)

本 「NHK -問われる公共放送-」

広告に関わる仕事をしながら、日頃地上波の民放を観ることがあまりありません。
観ているのはBS・CSだったり、そしてNHKだったりします。
なぜ民放を観ないかというと、おもしろくないからとしかいいようがありません。
ドラマなどでは時折しっかりしたものがありますが、ほとんどがバラエティになっていて観ていてもうるさいだけだと思ったりします。
それでも民放の場合は(なげかわしいことに)そういう番組で視聴率がとれているわけだからそういう内容ばかりになってしまっているわけです。
その点、NHKに関しては突っ込んだテーマやタイムリーだったり、深く掘り下げていたりする番組を作っているように思います。
そういう姿勢自体を評価したいので、僕はきちんと受信料は払っています。
時々「観ていないと言えば払わなくてもよい」という人がいますが、これは結果的には自分の首を絞めることになるように思えます。
基本的に受信料だけで成り立っているNHKはそれがなくなれば、番組制作も放送もできない状態になってしまいます。
もしCMなどを流して広告収入を得るような民放スタイルになれば、同じように安易にローコストで視聴率のとれる番組へ偏っていくのは目に見えています。
逆に国営放送として政府の予算を使うような組織となってしまえば、戦前のように政府に都合のいい情報しか流さなくなってしまう危険があります。
国からも、経済の仕組みからも独立したジャーナリズムとして質の高い放送を行っていくためには、現状のような受信料方式は向いています。
けれどそこに不満が多く出てきているのは、受信料を払っている視聴者に対しきちんとした情報公開などを行ってこなかったNHK側の甘さがあると思います。
NHKは視聴者が払っている受信料の重みというものをしっかりと認識しながら、放送をしなくてはいけません。
昨今のNHK職員の不祥事はそのようなモラルがなくなってきていることによるからだと思います。
民放などよりも良質の番組を作るスタッフ力をNHKは持っていると思います。
その影響力ということを理解し、NHKという組織がなんのために存在しているのかということをしっかりと組織構成員が自覚するということが大事なのだと思います。

「NHK -問われる公共放送-」松田浩著 岩波書店 新書 ISBN4-00-430947-6

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