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2008年10月26日 (日)

本 「悪夢のエレベーター」

コメディサスペンスという分野になるのでしょうが、こちらの作品、かなりおもしろいです。
舞台となるのはタイトルにある通り、ほとんどが密室化されたエレベーターの中。

ある日バーテンの佐藤は気がつくとエレベーターの中に閉じ込められています。
いっしょに閉じ込められているのは、自称不動産関係という中年男、ニートという青年、怪しげな魔女風の雰囲気をもつ若い女性。
佐藤はバイトの女の子を送った帰りに、妊娠中の妻から出産しそうという電話を受け、エレベーターに乗ったところまでは覚えています。
四人はエレベーターから脱出しようとしますが、そのうちに佐藤以外の人間のほんとうの正体が明らかにされていき・・・。

同じシチュエーションを何度も繰り返す中で、新たな視点が提示され新しい事実が判明していくという構造で、ぐいぐいと引き込まれていきます。
物語の構造としては映画の「バンテージ・ポイント」とかが近いかもしれません。
「えっ、そういうことなの?」みたいな感じで、読み始めると後をひく作品です。
二転三転するミステリーですが、読み心地は軽妙なので、サクサクと読んでいけます。
著者は舞台の作家ということで、こちらの作品も舞台にもなったようですね。
映画にしてもおもしろいかもしれません。
ほとんどエレベーターの中なので、難しいか・・・。

映画化作品「悪夢のエレベーター」の記事はこちら→
木下半太作品「悪夢の観覧車」の記事はこちら→
木下半太作品「悪夢のドライブ」の記事はこちら→
続編「奈落のエレベーター」の記事はこちら→

「悪夢のエレベーター」木下半太著 幻冬舍 文庫 ISBN978-4-344-41023-7

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コメント

Agehaさん、こんにちは!

そうですねー、本の方はどこにいくんだかわからないおもしろさがありましたけど、映画の方は人生についてのメッセージが強く出てましたね。
冒頭の野球場のシーンとか。
雑誌で読んだ監督のインタビューでも、そういうこと書いてありました。

「ギャンブルマンション」買いました!
まだ読んでないですけれど。
晴れてマッキーが主役ですね。
「カイジ」っぽいのかなー。

投稿: はらやん(管理人) | 2009年10月24日 (土) 16時04分

見てきましたよん♪

う~ん、コメディ色は減った・・・かも。
ミステリーとして見たくても先に本読んでますから
結末知ってるし。アハハハハ。

実は一番悪夢だったのは三郎かも・・・。

本で感じた、笑いとか大どんでん返しの結末とか
そういう部分よりももっと
なんていうのか人の弱さとか哀しさとか
「それでも生きていればきっと」っていう
メッセージ性のほうが強かった気がします。
コレは意外でした・・・。
ラストはもうホントこのまま
「奈落のエレベーター」作ってくださいっ!っていう
終わり方だったんで、ヒットしたら見たいです、続き。(笑)

投稿: Ageha | 2009年10月19日 (月) 14時42分

agehaさん、こんにちは!

そうですねー、「悪夢のドライブ」も店頭で見つけました。
全然しらなかった作家さんですが、けっこう気に入ってしまいました。
視点を変えて真相が明らかになっていく感じは確かに「キサラギ」っぽくもありましたね。
そう考えると映画化もありそうですよね。
映画にしてもおもしろそうなので、ぜひやってほしいところです。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年11月 1日 (土) 08時01分

http://ameblo.jp/tsutaya-5201/theme7-10004611126.html

いつも、TBありがとうございます。
なかなかお返事にこれなくてすみません。

スタッフブログのほうで
この本は自分も記事にしていましたので
リンクさせていただきました。
現在悪夢3本目、「悪夢のドライブ」が
文庫化されて好評発売中です。
(と、ちゃっかり宣伝)

関西弁で展開される、ノリの軽いミステリなんですが
エレベーターはぞ~っとしたし、
第二弾「悪夢の観覧車」は
ちょっとその結末は切なくなっちゃいました。
この悪夢シリーズ、とても読みやすいので
ホントオススメです。

「キサラギ」のような
ワンシチュエーションコメディもあったんですから
(あれももともとは舞台でしたよね?)
案外、映画にもなるかもしれませんよ。(笑)

投稿: Ageha | 2008年11月 1日 (土) 03時08分

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» 悪夢のエレベーター / 木下半太 [ねこやま]
抜粋 後頭部の痛みで目を覚ますと、緊急停止したエレベーターの中。 浮気相手のマンションで、犯罪歴のあるヤツらと密室状態なんて、 まさに悪夢。 笑いと恐怖に満ちたコメディサスペンス! お客様からのオススメで。 わざわざ持って...... [続きを読む]

受信: 2011年5月 5日 (木) 23時45分

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