「ICHI」 想像していたよりオーソドックス
本作いくつかの点で興味がある点がありました。
まずは綾瀬はるかさん(おいおい)。
「僕の彼女はサイボーグ」を観た時にかわいい人だなあと思ったのですが、その彼女が時代劇で女座頭市というキャスティングが意外性があって、どのようになるのだろうというのが興味がありました。
あとは曽利文彦監督が久しぶりの実写で、それも時代劇をどのように撮るのかという興味。
曽利監督作品では「ピンポン」でCGを上手に取り入れた演出が新鮮でした。
その後フルCGアニメの作品を作っていますが、その中で手に入れたノウハウを時代劇に持ち込んだときに新しい映像を観ることができるのではないかと思ったわけです。
特に殺陣などではいろいろできるのではないかなと思っていました。
さて蓋を開けてみると、思いのほかオーソドックスな作りでかえってびっくりしました。
まずストーリーはそれほどヒネリはありません。
これはつまらないということではなく、最初の設定から順当に積み上げられた正攻法のシナリオであるということです。
市が女性であるということ、刀を抜けない侍、宿場町で対決する二つの勢力などの設定から導きだされる全うなストーリーだと思います。
全うなので、その分、驚きはありません。
観賞前に期待していた新しい時代劇の映像ですが、これはそれほど新しさを感じませんでした。
スローを巧みに取り入れているとは思いますが、驚くというほどでもなく。
CGを使いこなすことができる曽利監督ならではの、もう少し新しい映像を見たかったような気がします。
特にいただけなかったのがキャスティング。
外しているキャスティングではないのですが、あまりに俳優に対しての役柄が今までのイメージ通りのため、その後そのキャラクターがどう動くかというのが想像できてしまうのです。
中村獅童さんとか竹内力さん、窪塚洋介さんの役柄は、彼らそれぞれが今まで演じてきたキャラクターとかなりかぶっているために新鮮味がありません。
それしかできない役者さんではないので、もう少し違った使い方ができたように思います。
逆にキャラクターが先にできているのならば、毛色の違う役者さんをはめてみるという勇気も必要だったのではないでしょうか。
伝統ある時代劇という題材だったからか、全体的に既存のイメージに囚われすぎているのではないかと思いました。
もうすこし若い世代ならではの時代劇というのを表現できるのではないかと感じました。
ええっとあと綾瀬はるかさんは、文句なくかわいらしかったです。
これが収穫でしょうか(笑)。
綾瀬はるかさん主演「僕の彼女はサイボーグ」の記事はこちら→
曽利文彦監督作品「ベクシル -2077 日本鎖国-」の記事はこちら→
香取慎吾さん主演「座頭市 THE LAST」の記事はこちら→

| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「ICHI」 想像していたよりオーソドックス:
» ICHI [Akira's VOICE]
中途半端な感動と興奮・・・。
[続きを読む]
受信: 2008年10月28日 (火) 10時33分
» ICHI [象のロケット]
盲目の芸人“離れ瞽女(ごぜ)”の“市”はひとり旅を続けていた。 彼女を取り囲んだ男たちを止めにかかったお人よしの侍・藤平十馬は、何故か刀を抜くことができない。 代わりに男たちを斬り捨てたのは市だった。 その後、宿場町を仕切る白河組に、腕前を誤解され用心棒に雇われた十馬は、他人を寄せ付けない頑なな市に惹かれてゆく…。 時代劇。... [続きを読む]
受信: 2008年10月29日 (水) 09時58分
» 映画『ICHI』 [闘争と逃走の道程]
『ピンポン』の曽利文彦監督がメガホンを取り、綾瀬はるかが主演をつとめた“女版『座頭市』”。
綾瀬はるか in 「ICHI」東京ニュース通信社 ... [続きを読む]
受信: 2008年10月29日 (水) 17時22分
» 『ICHI』2008・10・26に観ました [映画と秋葉原と日記]
←公式HPより配布
『ICHI』
公式HPはこちら
←クリック
●あらすじ
ポッ(。-_-。)綾瀬はるかに初主演映画『僕の彼女はサイボーグ』から萌えてる管理人に取って・・・
(^_^;)また、はるかちゃんに会えるだけで満足満足(笑)
キャッ(^^*))))((((*^^)キ... [続きを読む]
受信: 2008年10月29日 (水) 17時51分
» ICHI [UkiUkiれいんぼーデイ]
JUGEMテーマ:映画
2008年10月25日 公開
「なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ」
きっとアタシも裸眼視力だったらそうだわ。
座頭市の女性版なんですが・・・ふぅ〜、あまりこれと言うものもなく・・・。
まず、あの冒頭の吹雪!
出た!時代劇=吹雪始まりみたいな。
ただ、音楽がアカデミーを受賞したリサ・ジェラルドで、演歌な風景でも彼女の手がけた民族的な曲が意外性あって良かったです♪
えぇ、音楽は全体的に良かったと思いましたね。
エンドロー... [続きを読む]
受信: 2008年10月30日 (木) 08時48分
» ICHI [花ごよみ]
北野武が監督・主演した「座頭市」を、
市という名前の女性を
主人公にして作られた映画。
監督は「ピンポン」の曽利文彦。
主演は綾瀬はるか。
彼女の、恨みのこもった動かない黒い瞳。
つらい過去、深い悲しみ、
孤独を、一身で受け止める
はなれ瞽女を力演。
「ピンポン」のライバル、
窪塚洋介、中村獅童も出演。
久しぶりの窪塚洋介、
なんだかなつかしくってうれしいです。
武士、藤平十馬演じる大沢たかお
素朴さを感じられました。
それに対して、濃くて怖すぎる中村獅童。
笑い声が不気味。
市が... [続きを読む]
受信: 2008年10月30日 (木) 18時47分
» ICHI [だらだら無気力ブログ]
勝新太郎の代表作である「座頭市」の設定を女性に変えた時代劇。 一人で旅を続ける目の不自由な離れ瞽女の市。 ある日、道中で市がチンピラに絡まれていると、そこへ通りかかった 浪人・十馬が止めに入る。だがチンピラ達は十馬を殺害し、市を 連れていこうとする。十馬が刀..... [続きを読む]
受信: 2008年10月30日 (木) 22時54分
» ICHI・・・・・評価額1100円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
勝新太郎の代表作、「座頭市」のリメイク。
近年には北野武による金髪・碧眼の市という異色作もあったが、今回は綾瀬はるか主演の女座頭市だ... [続きを読む]
受信: 2008年10月31日 (金) 23時41分
» ICHI [映画君の毎日]
あらすじ//三味線を背負い、人とかかわることを避けながら、一人で旅を続ける目の不自由な“離れ瞽女”の市(綾瀬はるか)。とある宿場町に流れ着いた彼女は、一風変わった浪人・藤平十馬(大沢たかお)と出会う。やがて二人は、若き2代目・虎次(窪塚洋介)率いる白河組と、万... [続きを読む]
受信: 2008年11月 1日 (土) 15時02分
» 『ICHI』('08初鑑賞137・劇場) [みはいる・BのB]
☆☆★-- (5段階評価で 2.5)
10月25日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター7にて 13:30の回を鑑賞。 [続きを読む]
受信: 2008年11月 1日 (土) 20時46分
» ICHI [5125年映画の旅]
三味線を弾く盲目の女性・市。彼女は旅の途中、刀が抜けない侍・藤平十馬と出会う。二人で立ち寄った宿場町で、市は町を荒らす万鬼党の一味を居合いの太刀で蹴散らした。それを十馬の仕業と勘違いした町の実力者・虎次は、十馬を用心棒として雇う。そして万鬼党の頭目・万....... [続きを読む]
受信: 2008年11月 2日 (日) 08時41分
» ICHI/綾瀬はるか、大沢たかお [カノンな日々]
あの座頭市を綾瀬はるかが演じる目の不自由な芸者を主人公にして描いたという話題作です。実はチャンバラ物や忍者物といったアクションたっぷりの時代劇ってわりと好きなんですけど、なかなかコレといったのには出会えないんですよね。漫画っぽくても『あずみ』みたいのなら....... [続きを読む]
受信: 2008年11月 2日 (日) 17時02分
» 「ICHI」を観てきました・・・プチレビュー [気ままな映画生活]
女版「座頭市」と言われている作品。
勝新太郎バージョンの「座頭市」は全く見ていません。
北野武バージョンの「座頭市」は見ているため、
自然と比較しながら、鑑賞しました。 [続きを読む]
受信: 2008年11月 2日 (日) 23時15分
» 「ICHI」 [みんなシネマいいのに!]
1989年、勝新太郎が自ら監督・主演で映画化された「座頭市」は、脚本がないやら [続きを読む]
受信: 2008年11月 3日 (月) 02時02分
» 【ICHI】 [日々のつぶやき]
監督:曽利文彦
出演:綾瀬はるか、大沢たかお、窪塚洋介、中村獅童、竹内力、柄本明
「盲目の旅芸人市は人探しをしている道中で浪人の藤平十馬と出会った。目が見えないのに剣術が強い市に興味を持ち市に付いて、とある宿場町にやってきた。
その宿場町を仕切る白... [続きを読む]
受信: 2008年11月 7日 (金) 15時31分
» 「ICHI」 [お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法]
(2008年・ワーナー/監督:曽利 文彦) 勝新太郎主演の座頭市は、三船敏郎の三十郎、市川雷蔵の眠狂四郎、近衛十四郎の柳生十兵衛…等と並ぶ、日本の映画史上に残るスーパー・チャンバラ... [続きを読む]
受信: 2008年11月10日 (月) 00時23分
» 『ICHI』 [ラムの大通り]
----この『ICHI』って座頭市のこと?
勝新太郎や北野武とは
あまりにイメージが違うけど…。
「それはそうだよね。
原作者の子母沢寛は、
盲目の侠客、座頭の市について書いてはいるものの、
それはほんのわずか。
イメージを作り上げたのは勝新太郎。
そのキャラクターを象徴する長ドスを仕込み杖としたのも
やはり勝新太郎と言われているからね。
彼自身、テレビシリーズはもちろんのこと、
映画も『新座頭市物語・折れた杖』や
そのものずばり『座頭市』を監督している」
----そこまで作り上げられているイメージ... [続きを読む]
受信: 2008年11月10日 (月) 23時21分
» ★「ICHI」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
TOHOシネマズの1ケ月フリーパスの期限ももう少しになっちゃってるけど、
ちょっと忙しくてなかなかシネコンに足を運べなくて鑑賞数が増えないんだけど、
「ららぽーと横浜」は金曜日もナイトショウ実施中で助かるよーー。
でも疲れるぅ。
今週は週末連休なので連日シネコン通いになっちゃうかも。... [続きを読む]
受信: 2008年11月11日 (火) 01時00分
» 「ICHI」 女座頭市は時代劇風・・・劇画? [ノルウェー暮らし・イン・ジャパン]
久しぶりに時代劇を観た。
時代劇を観たつもりが、途中から現代劇になっていた。
それは、「GO」であり、「パッチギ」であり「クローズゼロ」だった。
ところが、それもいつの間にか劇画になっていて・・・・... [続きを読む]
受信: 2008年11月15日 (土) 16時58分
» ICHI [ダイターンクラッシュ!!]
11月5日(水) 18:10~ チネ7 料金:0円(ポイント使用) プログラム:800円(購入せず。綾瀬はるかファン以外必要無し。) 『ICHI』公式サイト 大プッシュ中の綾瀬はるか。座頭市を演じる。 辛い過去から人間不信、優しい男に出会い生きていく希望を見出す。 などという、甘っちょろいストーリーにしたため、「あずみ」のようにダラシナイ美少女剣士作品になってしまった。 おまけに優しい男というのが、過去の事件から腑抜けになった剣豪で、大沢キカイダーたかおが演じる。 後半なんかキカイダーの見せ場... [続きを読む]
受信: 2008年11月22日 (土) 16時57分
» 映画 「ICHI」 [ようこそMr.G]
映画 「ICHI」 を観ました。 [続きを読む]
受信: 2008年11月29日 (土) 12時20分
» ICHI [たにぐちまさひろWEBLOG]
【11月3日(祝)】
テアトルサンクにて映画鑑賞
1本目:ICHI
2本目:レッドクリフ“誰が悪くて誰がいい人間なのか、そんな境目がどこにあるのか、私にはわからない。”
綾瀬はるか主演時代劇“ICHI”を観てきました。(H20.11.3(祝)テアトルサンクにて鑑賞)
目の不自由な旅芸人の市は、とある宿場町に流れ着く。そこでは、万鬼党と名乗る野党一味が悪の限りを尽くしていた。
万鬼の子分5人を一刀のもとに市が斬り捨てるが、町を仕切る白河組は浪人の藤平十馬が倒したものと勘違... [続きを読む]
受信: 2008年12月30日 (火) 08時50分
» ICHI [うふふ・映画三昧。]
ICHI スタンダード・エディション
(2008年 / 日本 / 「い」 / 時代劇 / 劇場鑑賞)
監督: 曽利文彦
脚本: 浅野妙子
原作: 子母澤寛
出演: 綾瀬はるか / 大沢たかお / 中村獅童 / 窪塚洋介 / 竹内力
女版の座頭市です。
綾瀬はるかちゃん演じる「市」が、つっかかってくる男達を容赦なくぶった斬ります。
いや、美しいっス。
華麗な殺陣シーン。お見事です。
何やっても可愛い。
最後の中村獅童さんとの対決... [続きを読む]
受信: 2010年10月 3日 (日) 15時17分
» ICHI(51点)評価:○ [映画批評OX]
総論:もう少し脚本を練っていれば、大傑作になっていたハズ。勝新太郎や、北野たけしが演じてきた「座頭市」を、大胆にも女性という設定に変えてリメイクした意欲作。監督は「ピンポ...... [続きを読む]
受信: 2010年10月27日 (水) 12時19分
» ICHI(テレビ録画) [単館系]
ICHI
2012年01月02日01時45分00秒TBS新春シネマシアター「ICHI」
正月にやっていた綾瀬はるかさん版座頭市を鑑賞。
一応楽しめた。
市がサブキャラに見えるんですが。
藤平十馬演じる大沢たかお...... [続きを読む]
受信: 2012年2月10日 (金) 21時59分
コメント
ノルウェーまだ〜むさん、こんばんは!
本作観た後に雑誌などで曽利監督のインタビューを読みましたが、王道の時代劇を目指したとのことでした。
それだったら技術をもっている曽利監督ではなく、他の方でもいいのではと思ってしまいました。
そういうことで、もともとオーソドックスなものを志向していたようなので、キャスティングもあまり変化球なものにしなかったのかもしれません。
それが成功しているような気はしませんが。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年11月15日 (土) 17時20分
はらやんさん、こんにちは☆
なるほどおっしゃる通り、キャスティングが普通すぎますよね。
どこか漫画的な違和感を感じていたのですが、役柄が「お約束」すぎて、確かにヒネリがありませんでした。
中村獅童なんて演技もわざとらしくて、「一度道を踏み外すと、もう戻って来れないんだ。」みたいなことを言った時、ちょっと笑っちゃいました。
実感・・・だったり?
悪役多いですよね。
投稿: ノルウェーまだ~む | 2008年11月15日 (土) 17時13分
シムウナさん、こんにちは!
綾瀬はるかさんは悪くなかったですよね。
とはいえそれを活かしきれていたかというと、そうは言えないような気がしました。
スローの多様で殺陣はリズムが失われていた気がしましたし。
一瞬で勝負がつく居合いというのがもう少し表れていたらと思いました。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年11月 3日 (月) 05時58分
TBありがとうございました。
綾瀬はるかの殺陣さばきはなかなかさまに
なっている気がしました。
顔のアップやロングショット、吹替えで
ごまかすことなく頑張っていました。
この年代の女優では一歩抜き出た存在に
思いました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
投稿: シムウナ | 2008年11月 3日 (月) 00時48分
ノラネコさん、こんにちは!
確かにがっかりしましたね。
新しい時代劇を見せてくれるかと思っていたのですが・・・。
ノラネコさんも書かれていましたが、キャラクターが今までのステレオタイプのものをそのままはめたという感じがしました。
もうすこしきちんと物語を作って欲しいところですよね。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年11月 1日 (土) 06時31分
最近では一番のガッカリ作品でした。
座頭市をこんなにつまらなく作るなんて。
仰るようにキャラが全く生かされておらず、みんなプログラムで動くゲームキャラの様。
結果的に一つ一つの描写がうそ臭い物になってしまっていました。
綾瀬はるかの女座頭市は画的には格好良いだけに、もったいなかったです。
投稿: ノラネコ | 2008年10月31日 (金) 23時48分