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2008年9月 7日 (日)

本 「功名が辻」

歴史小説も好きなのですが、実は歴史小説の大家司馬遼太郎作品は読んでいなかったんですよね。
今更ながらっていう感じがして、ずっと手に取れていなかったということなのかな。
そういうことで僕の初司馬遼太郎作品が「功名が辻」です。
二年前の大河ドラマの原作ですが、ドラマの方を観ていた時も読んでみようかなあと思っていたんですよね。
やっと読みました。
読んでいるときはやはり千代は仲間由紀恵さんのイメージになっちゃいますね。

千代という人物はやはり賢い人なんですよね。
いろいろ情勢を分析してその対応を考えている。
けれどもそれを声高に主張するのではなく、決める人(多くは伴侶の山内一豊)が判断できるようにやんわりと意見を言っていきます。
相手がそれを聞きやすいように上手に。
決断する人はいつの間にか、それは献策されたアイデアではなく自分の考えとして考えるようになるんですよね。
またその相手である一豊も実はなかなかそうはいないタイプの人物です。
一豊は戦国大名としては凡庸だと言われますが、決してそんなことはないような気がします。
確かに戦略家でもないし、武勇があるわけでもありません。
けれども自分が凡庸であると自覚し、人の意見を聞く(多くは千代の場合が多い)という姿勢を持っています。
これはできるようでなかなかできない。
最近流行の言葉で言えば「聞く力」を持っている人物と言えるかもしれません。
人の意見を聞けるトップと、彼に違った視点で物事を見て意見を言えるセカンド。
そして彼らを信頼する部下たち。
そういう点で、山内家というのは発展する可能性を持った組織だったのかもしれません。

NHK大河ドラマ「功名が辻」の記事はこちら→

「功名が辻(一)」司馬遼太郎著 文藝春秋 文庫 ISBN4-16-766315-5
「功名が辻(ニ)」司馬遼太郎著 文藝春秋 文庫 ISBN4-16-766316-3
「功名が辻(三)」司馬遼太郎著 文藝春秋 文庫 ISBN4-16-766317-1
「功名が辻(四)」司馬遼太郎著 文藝春秋 文庫 ISBN4-16-766318-X

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