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2008年9月13日 (土)

「大決戦!超ウルトラ8兄弟」 二匹目の泥鰌はいない

一昨年の「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」が全編からウルトラマンシリーズへの愛を感じる出来映えで満足したので、初日に観賞に行ってきました。
やはりウルトラマンには特別な思い入れがあるのです。
けれども不安がなかったわけではありません。
まずは平成3部作と呼ばれるティガ、ダイナ、ガイアを、僕が全く観ていなかったこと(ネクサスからまた観るようになりました)。
特撮や映画に興味をなくしていた時期でもあって、この3部作にほとんど思い入れがありません。
そのため前作「メビウス&ウルトラ兄弟」ほどに入り込めるかどうかが心配でした。
あともう一つの心配は、平成3部作はそれぞれが、「ウルトラマン」から「レオ」そして「80」、「メビウス」と連綿と続くウルトラ兄弟サーガには属さない作品であるということです。
それら独自の世界観を持つウルトラマンをウルトラ兄弟の物語に結びつけるということに、無理が生じないかということでした。
やはりティガ、ダイナ、ガイアはウルトラ兄弟ではないだろうと。

事前に抱いていた心配は作品を観始めて現実となりました。
平成ウルトラマンに思い入れがないのは自分に原因があるとしても、彼らをウルトラ兄弟サーガに取り込む手法というのがとても安易なものに感じました。
その手法は最近、使い古されていると言っていい、並行宇宙(パラレルワールド)という考え方です。
並行宇宙という考え方は便利な代物で、理論上は考えられる限りのすべての世界はあり得るというものです。
その考え方をとればウルトラ兄弟サーガと、平成ウルトラ3部作のウルトラマンがいっしょにいるという世界もあり得るのですが、そこには物語が求める必然性というものはあまりありません。
並行宇宙は昨年から放映されていた「ULTLASEVEN X」でも最終回に披露されていてげんなりした覚えがあります。
安易な並行宇宙という設定は、「夢オチ」と匹敵するぐらいに安易な気がします。
では何故、ティガなど世界観が異なるウルトラマンを、ウルトラ兄弟の物語に組み込まなくてはいけなくなったのでしょうか。
このあたりにとても「商売っ気」というのを感じてしまうのです。
一昨年の「ウルトラマンメビウス」は旧作ファンにも新しいファンにも受け入れられました。
それは過去のウルトラ兄弟サーガの設定を真正面から引き継ぎ、その集大成として作られたからです。
それはシリーズへの愛情がふんだんに注ぎ込まれた作品でありましたが、獏とした心配も持ちました。
ここまでシリーズをまとめあげてしまうと、その後に続く作品は作りにくいのではないかと。
「メビウス」でウルトラ兄弟シリーズは最終回を迎えた気がしたわけです。
「メビウス」は好評価を受けました。
だからこそ制作者は二匹目の泥鰌を狙ったのではないのかと思います。
でも大団円を迎えてしまったウルトラ兄弟サーガに続編は作りにくい。
そのため新味を出すための平成ウルトラマンの登場だったのでしょう。
それならば新しいウルトラマンをすべきだったと思います。
けれども悲しいかな、制作の円谷プロにはそれほどの力は今はないように思えます。
意欲的に新しい仮面ライダー像を造り続けている東映とは体力の差があるように見えます。
新味を出したいが、新しいものを作る余裕はない。
だからある程度当て込める平成ウルトラマンを登場させたのではないのでしょうか。
そのために物語は安易な設定で作られ、人気のあるキャラクターや怪獣を登場させるだけの話題性のみでの勝負する映画になってしまったような気がします。
映画としての見せ場も「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」で驚いたウルトラマンたちの空中戦を越えるほどのものも感じませんでした。
印象としては「メビウス&ウルトラ兄弟」の焼き直しのように思えてしまいました。

「ウルトラマン」というのは「仮面ライダー」と並んで日本が作り出した偉大なキャラクターだと思います。
けれどもキャラクターというのは常に新しい方向に進化していかない限りは、いずれ古くなります。
「仮面ライダー」や、海外の「スーパーマン」や「バットマン」が作品としての進化を志向しているのに対し、「ウルトラマン」というのは過去の遺産に頼りすぎている気がします。
昨年円谷プロは経営難からTYOに買収されました。
これは昔からのファンとしては寂しい思いもありますが、逆にこれをきっかけに「ウルトラマン」というシリーズを更に進化させていっていただきたいと思うわけです。
苦言を呈するようですが、進化しない限り、柳の下に二匹目の泥鰌はいないのです。

「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」の記事はこちら→

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コメント

kossyさん、こんばんは!

昭和ウルトラマンの主人公カップルが幸せそうなのは良かったですね。
そろって映っているところはほんとに同窓会のようでした。

平成ウルトラマンを知っていた方がやはりこの映画は盛り上がれるんでしょうね。
「コスモス」も観ていない・・・。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年9月26日 (金) 22時19分

なんだか同窓会の勢いにまかせて作ってしまった感じでしたよね~
昭和ウルトラマンの俳優たちが楽しそうに演じていたので、それには嬉しくなったんですけど・・・そこまででした。

新しいウルトラマンは見る気もおきないのですが、なぜか「ウルトラマンコスモス」だけは好きだったりします(汗)

投稿: kossy | 2008年9月25日 (木) 00時10分

エクスカリバーさん、こんばんは!

僕が本作に入れ込めなかったのは、たぶん平成ウルトラマンをまったく観ていないからでしょうね。
前作はけっこう楽しめましたから。
とはいいながら平成ウルトラマンを登場させるための理由づけをするために、物語のかなりの部分を使ってしまった気がしました。
前作は最初からウルトラマンそろい踏みでしたので、いきなり気分盛り上がりましたが、今回はほんとに終盤になってからの登場でしたから。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年9月21日 (日) 20時50分

例えば「赤い靴の少女」の呼びかけに、時空を、次元を超えて応えた勇者たちが集結する、というのであれば、全てのウルトラマンを召集することも可能だったかも知れません。
ハヤタやダンが暮している世界に、ダイゴやアスカ、我夢も一緒に暮しているというのは、幾らパラレルワールドとはいえ、無理があるのは確かです。
他にもツッコミどころ満載の作品なのですが、やはりウルトラマンが8人並んでいる画、素顔の8人が話を交わす絵、というものの魅力には、どうでも良くなってしまったのも事実ですね。
何はともあれ、自分はこの作品、肯定したいですねぇ。

投稿: エクスカリバー | 2008年9月21日 (日) 17時42分

sakuraiさん、こんばんは!

そうですかー、子供暴れてましたか(笑)。
前作はオープニングからウルトラマン出ていましたからねー。
ほんと前作は新しいファンと往年のファンを満足する出来でした。

今回はやはり僕自身が平成ウルトラマンへ思い入れがなかったのが痛かった・・・。
あれをリアルタイムで観てたら、きっと受け止め方は違ってたと思うんですけれど。

前作「メビウス」ではレオの真夏さんも80の長谷川さんもテレビの方に登場してくれてたので、あと篠田さんだけっと思っているんですけれどね。
なんとか出てくれないかなあ。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年9月15日 (月) 20時48分

いろいろとTBいただきまして、ありがとうございました。
少々多忙だったもので、手抜きですいません。

そう、小さい子供が暴れてましたもん、今回に関しては。
前回は、子供も大人も結構満足。どっちの思いもキチンと受け止めて作った感があふれてました。
で、今回のいただけなかったのはよーくわかるのですが、なんせ、今中学校の息子と、毎回絶対欠かさす、ティガ・ダイナ・ガイアを見た口なので、まるであたしのための!!!と思ってしまうほどの切り口でした。話はともあれ。
習性と言われれば、それまでですが、これまでのウルトラマンの映画も、ほとんど見てきました。ほとんどが、あちゃーーという内容。頭抱えてしまうようなものばかりが多かった中で、前回のは、できすぎだったのですよ。なので、あんなもんです。
あたしは、タロウが出るのをひたすら待ってるのですが、あの内容じゃ、篠田さんは出ないかな。

投稿: sakurai | 2008年9月15日 (月) 20時39分

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