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2008年9月14日 (日)

本 「太陽がイッパイいっぱい」

作者は三羽省吾さんという方ですが、まったく知らず、なんとなくタイトルの響きだけで買ってしまった小説です。
けど、おもしろい!
登場人物たちは「マルショウ解体」というビルの建築の型枠を解体する業者のいわゆる肉体労働者です。
なんとなく今流行の「蟹工船」のような話をイメージしてしまうのですが(表紙のデザインもなんとなくプロレタリーアート文学っぽい)、青春小説でした。
登場人物たちがとても魅力的で活き活きと描かれています。
肉体労働というのは3Kと言われたり、社会的には下請けの下請けみたいな状態で弱者的な存在に思われますが、登場人物本人たちはまったくそういう風には思っていない。
きっつい仕事をしている彼らには何か力強さのようなものを感じます。
それは理屈や言葉で語ってしまうとなんだか陳腐になってしまうようなものなのですけれど。
人は社会に出ていくとき、必ずその仕組み取り込まれてしまいます。
それはいたしかないと考える人、それは正しくないと考える人といろいろいると思いますが、そんな考え休むに似たりというような力強さを「マルショウ解体」の面々に感じるわけです。
彼らは自分たちは弱者などとは思っていません。
それぞれが背負うものがあるにせよ、仕事終わりのビールの旨さ、達成感の旨さを彼らは知っているのです。
それは頭で考えるものではないのでしょうね。
頭でいろいろ考えすぎて、不満ばかりがたまりながら仕事をしていくっていうのは、とっても不健康なことなのかもしれません。

この小説、とっても映画向きだと思うんですよね。
どなたか映画にしてくれないかなあ。

「太陽がイッパイいっぱい」三羽省吾著 文藝春秋 文庫 ISBN4-16-771901-0

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