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2008年7月12日 (土)

「闘茶 tea fight」 自己との闘いが浅い

実はけっこう楽しみにしていた作品。
料理を題材にして対決する物語は漫画やアニメ、映画でも数々と作られてきましたが、お茶で闘うというのはなかなか新しい。
お茶というのはどちらかというと「静」なイメージがあるので、それが闘いという「動」のイメージにどのように変換されるのかというのに興味がありました。

オープニングはアニメーションで「鉄コン筋クリート」のスタジオ4℃制作していて、これはさすがの出来。
期待度は高まりましたが、良かったのはここまででした。
展開がどうにも良くありません。
話を進めようという脚本の意図が見えてしまうところが、とても辛い。
例えば、台湾で美希子(戸田恵梨香さん)がお金がなくなったときに合わせたように村野がやってくるとか。
物語の語り手である伝説の茶人陸羽が、圭(香川照之さん)をお茶の先生のところに導くところとか。
そのような都合のいい展開がいくつもあり、やや興ざめしてしまうのです。
当然フィクションなので、登場人物の動きや出会いというのは脚本が意図して作っているものなのですが、それをいかに物語の中では自然に行うかというのが大事かと思うのです。
そういう意味では、脚本の練りが甘いと言わざるをえません。
また観賞前に期待していたお茶の「静」が闘いの「動」にどのように変わるか、映像化されるかというのも、それほど驚くことはなく、こんなものかという印象に終わりました。
「闘茶」とは相手と闘うのではなく、自分との闘いだという答えはなるほどと思ったのですが、その自分の内面の闘いが、回想シーンだけというのはなんとも浅いような気がします。
自分との闘いというからには、闘う登場人物の背負ってきたもの、内面について深く描かれるべきなのですが、圭以外についてはさらりと描かれているだけなので、その自己との闘いがどれほどのものなのかというのがあまり感じられません。

おもしろいテーマを扱っているし、日本・台湾の俳優・スタッフで作っている映画なので、期待はあったのですが、残念な出来であったように思います。
香川照之さんの「だめおやじ」っぷりが良かったのでもったいない。
戸田恵梨香さんがかわいかったのだけが救いです。

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