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2008年7月20日 (日)

「ジャージの二人」 大人のリセットタイム

大人になったら、しっかりと自分で決められる。
いろいろなことに悩んだりしなくてすむ。
だって大人だから。
子供の頃はなんとなく大人というものはとても大きな存在で、なんの疑問もなく「大人は偉い」って思っていました。
でも、いざ自分が大人になってみるとそんなことはまるでなく・・・。
大人になったほうが悩みは大きく、深くなっているような気もします。
大人だって普通に悩むし、時々は逃げだしたくもなる。
主人公の二人の親子(堺雅人さん、鮎川誠さん)はある夏、群馬の別荘にやってきます。
二人はなにか飄々としているように見えますが、実はそれぞれに悩み事を抱えています。
父親は仕事のことや娘のこと、息子は妻の浮気。
それぞれ悩みは深いように見えますが、その別荘では淡々と(ほんとうに)何もなく時間が過ぎていきます。
熱暑の東京とは違い、過ごしやすい高原は、二人にとって格好の逃走場所でした。

タイトルにあるように、その別荘では親子二人は小学校や中学校で着ていたようなジャージ姿で過ごしています。
ジャージ姿というのは、だらしない姿の代名詞のようにも感じたりもします。
けれど考えてみるとそれはとても自由で開けっぴろげな格好なのかもしれません。
なんてったって、寝る時も、起きているとき時もずっと同じ格好。
家の中でも外でも、まったく同じ。
人というのはやはり内面と外面というのがあると思います。
外に出かける時というのは、人の目線というのを気にするもの。
それが外面であって、だからみんな出かける時には服に気を使ったり、化粧をしたりするのでしょう。
人の目を気にすることもない別荘地でジャージ姿というのは、その外面を装着しなくてもいいという気楽さ、自由さのある格好のような気もしました。

そんな自由な場所であっても、主人公の息子を含め、人はケータイのアンテナが立つたった一カ所の場所に立つことで安心します。
しがらみから離れられる場所であっても、人は煩わしかったり、逃げ出したくなるような繋がりをもとめてしまうものなんですね。
何からも自由であること、何かと繋がっていること、人は相反する二つのものが必要なのでしょうね。
主人公二人にとって、あの別荘での時間はその相反するものをバランスをとるための、一年に一度のリセットタイムなんでしょう。

ちょっと余談。
昔、中学生の頃、学校の行事でスキー教室がありました。
初めてのスキーだったのでワクワクして行きましたが、そのときの格好といえば学校の体育の授業の時に着るジャージの上下。
ジャージに防水スプレーをかけ、それを着てスキーをしたのでした。
初めてだったし、みんな同じ格好だったので、その時は疑問を持ちませんでしたが、たくさんの中学生が全員ジャージ姿でスキーをしているのはすごい光景だったに違いありません・・・。

「アフタースクール」、「クライマーズ・ハイ」そして「篤姫」と最近活躍が目覚ましい堺雅人さん。
本作でもいい味だしていましたね。
堺さんにまさにぴったりの役でした。

堺雅人さん出演「アフタースクール」の記事はこちら→
堺雅人さん出演「クライマーズ・ハイ」の記事はこちら→

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コメント

hitoさん、こんばんは!

「クライマーズ・ハイ」でいつもと違った厳しい感じを出していた堺雅人さんですが、こちらではゆるーい感じがまたぴったりでした。
先日レンタルで「やさぐれぱんだ」という深夜にやっていたバラエティ観たんですけれど、それに堺さんがでていてそれがまたゆるーくていいんですよ。

ファミコン懐かしいですねー。
最近のゲームは操作やルールを覚えるのがたいへんなのでほとんどやってない・・・。
単純なゲームが懐かしいです。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年8月22日 (金) 22時14分

TBが不調ですいません。

堺雅人さんピッタリでしたね~
何でもないユルユルダラダラしたストーリーですが、クスっと笑える会話や仕草に癒されて楽しみました~

あのファミコンの麻雀以前持っていて、すごく懐かしかったです!!

投稿: hito | 2008年8月22日 (金) 10時17分

kimion20002000さん、こんにちは!

そういえば、ジャージって最近は全然着ていないです。
家の中でも、外に出てもOKだから、着始めたら手放せなくなってしまうかも・・・。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年8月21日 (木) 12時10分

TBありがとう。

緊張感のない僕は、近所の散策は、ほとんどジャージ姿です(笑)

投稿: kimion20002000 | 2008年8月18日 (月) 00時51分

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