本 「アヒルと鴨のコインロッカー」
映画化作品がなかなかいい出来だったので、原作小説の方にも興味が出て、読んでみました。
伊坂幸太郎さんの作品は初めて読みました。
映画を観ているため、この物語の結末は知っています。
それでも、河崎とドルジと琴美の3人の物語はとてもせつなく感じます。
琴美がどうなるかそれを知っているために、ページを繰るのが躊躇されてしまいます。
何か他の結末は用意されているのではないかとも期待してしまいます。
でも物語は同じ結末に収束していきます。
小説は過去を琴美の一人称で語るパートと、現在を椎名の一人称で語るパートで構成されています。
その両方に登場する河崎とブータン人ドルジがキーマンになります。
二つのパートを別の人間の一人称で語るというところにこのミステリーのトリックの肝があるわけなんですよね。
あらためて小説を読んでみると、同じ手法が使えない映画でよく原作の雰囲気を損なわず映像化できたなあと改めて関心をしてしまいます。
脚本の構成の見事さと、瑛太さんの演技のすばらしさで可能になったのでしょうね。
伊坂さんの小説にも興味が出てきたので、他の作品にもチャレンジしてみようかと思います。
「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎著 東京創元社 文庫 ISBN4-448-46401-7
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