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2008年4月 6日 (日)

本 「雲雀」

「バルタザールの遍歴」で日本ファンタジーノベル大賞をとってデビューをした佐藤亜紀氏の作品です。
日本ファンタジーノベル大賞をとる作品はけっこう好きなので、「バルタザールの遍歴」も確か読みました(だいぶ忘れてしまっていますが)。
近代ヨーロッパを舞台にした二重人格ものだったと思いますが、ファンタジーノベルという言葉の印象よりも骨太で、それを女性が書いたということでとても驚いたのを覚えています。
「バルタザールの遍歴」はやや重くて読みづらいという印象がありましたが、本作「雲雀」はそのようなことはありませんでした。
ただし、この物語は近代ヨーロッパを舞台にしている中編集ですが、あまり歴史的背景などについてはくどくどと説明をしていないので、このあたりの歴史が苦手な方には取っ付きにくいかもしれません。
同じ作者の「天使」と対を成す作品ということですが、中編集でそれぞれ独立した物語なので(それぞれがリンクをしていますが)「雲雀」だけでもわからなくなることはありません。
またこの作者は、登場人物の心情をけっこう乾いた視線で描くので、ぐっと感情移入をしていくというタッチでもありません。
このあたりも苦手な人は苦手かもしれませんね。

「雲雀」佐藤亜紀著 文藝春秋 文庫 ISBN978-4-16-764704-9

佐藤亜紀さん作品「天使」の記事はこちら→

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