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2008年4月28日 (月)

本 「ミステリと東京」

日本の犯罪ミステリー小説には、東京を舞台にしたものが多くあります。
本著はそれら東京を舞台にした小説を材料に、東京の都市論について考察しています。

もともと僕は東京という街に惹かれておりました。
大学の卒業制作では「東京」をテーマに選んだほど。
それは大きな街で暮らしたいといった若者、地方出身の方が持つ気持ちではなく、何か東京には得体のしれないものを感じていたのです。
東京は江戸末期から200年程度でこれほどまでに劇的に変わっていきます。
また東京は場所や時間によって驚くほど顔つきが違う。
何かキメラのような、不思議で幻想的なイメージがこの街にはあります。
僕がそのようなイメージを持つようにいたったのは荒俣宏氏の「帝都物語」の影響が大きかったように思えます。
荒俣氏もそのような変化し続ける一個の生物のような東京の街というイメージを持っているのかと思います。
たぶん、数々の作家がちょっと目を離してしまうと変わっていってしまう、このとらえどころのない街に魅力を感じているのか、本著で紹介されているように数々の作家が東京を舞台にしたミステリを書いています。
この本では書いている時代・場所、そして描かれている時代・場所、そして作家の捉え方で、東京都いう街がいかに多様的で不定形であることがわかります。
本著で紹介されている本が全部読みたくなました。
たぶん今まで僕が感じたことがない東京がそこにはあるのでしょう。

暖かくなってきたので、なんだか久しぶりに東京の街中のそぞろ歩きをしたくなりました。
東京は地図を持たずにデタラメに歩いても、本の数分でどこかの地下鉄の駅にぶつかります。
そういう意味ではそぞろ歩きには向いている街。
ふとしたところで小説や、映画の舞台になった場所に出くわすことがあります。
それが何とも楽しいんですよ。

「ミステリと東京」川本三郎著 平凡社 ハードカバー ISBN978-4-582-83377-5

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