本 「禁断のパンダ」
料理を題材にしたミステリーである本作、「このミステリーがすごい!」大賞の2008年の大賞受賞作です。
「このミス」は比較的読みやすいミステリーが受賞しますよね。
本作もミステリーでありながら、蕎麦をすするようにするりするりと読めてしまいます。
その分、ミステリーの謎ときの部分についてはそれほど複雑なところはありません。
タイトルにある「パンダ」にまつわる話が中盤くらいに出てきますが、この部分からだいたいその後の事件の展開が想像できてしまい、この点はややあっさり味で、もの足りない印象があります。
代わりに料理を題材にしている小説だけあって、料理の味の描写はとても丁寧で豊かに表現されていて、濃厚な味わい。
読んでいると、濃厚なフランス料理を食べたくなってきます。
視覚という要素がない小説で、味・香りを感じさせる料理の描写はなかなかのもの。
作者のプロフィールを見てみると、フランス料理店で仕事をしていたということで、納得です。
「チーム・バチスタの栄光」の海堂尊さんもお医者さんですし、もともと小説家でない方が自分の仕事の知識を活かしたミステリーを書くのが増えてきているような気もしますね。
「禁断のパンダ」拓未司著 宝島社 ハードカバー ISBN978-4-7966-6194-2
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