「潜水服は蝶の夢を見る」 静かなる闘い
この映画は難病を題材にしている映画ですが、最近の日本の映画の難病もののように泣ける映画ではありません。
いつもブログでやり取りさせていただいているコブタさんが「泣ける映画ではないけれど、強く心に残る映画」とおっしゃていましたが、まさにそのような映画だったように思えます。
この映画は、人間性をかけ自らの境遇と闘った男、ジャン=ドミニク・ボビーとその周囲の人々の物語です。
ジャン=ドーは有名なファッション誌「ELLE」の編集長でしたが、突然の病に倒れ、意識が目覚めたときは左目しか動かせない状態になっていました。
指も足も動かすことはできない、言葉も発することはできない。
自分の意志を人に伝えられることができない状態になってしまったのです。
彼が自分の状態を「潜水服」と例えるのはまさにその通りで、限られた視界、動かすことのできない甲殻、誰も周りにいない深海・・・、そんな状態でおかれたときの孤独感は想像することができません。
人間性という存在は、以下の3つの要素で構成されているように思えます。
それは「外界」「肉体」「精神」。
どれが欠けても、そしてそれら3つの繋がりが途切れても人間性は失われてしまう。
「外界」がなくても人間としては「肉体」と「精神」があれば成立しそうですが、人間は「外界」に働き続けるからこそ人間であるように思えるので、やはりどれが欠けても難しい。
「肉体」は「外界」と「精神」を繋ぐインターフェイスであると言っていい。
入力装置であり、出力装置であるのが「肉体」。
インターフェイスとしての「肉体」が不調になった時の状態は、モニタもマウスもプリンタも全部動かなくなってしまったコンピュータと相対しているときを想像するとわかりやすい。
ジャン=ドーの場合、か細く繋がっている唯一のインターフェイスが左目のまばたきなのです。
看護士が読み上げるアルファベットに、まばたきによるイエス/ノーで答えて文章を綴るジャン=ドー。
それは本人も周囲にとってもとてもまどろこしく、根気のいるコミュニケーション方法に違いありません。
当然「死にたい」と漏らしたような気持ちも起こるでしょう。
それでもジャン=ドーは文章を「書く」。
身じろぎもせずにまばたきだけで「書く」行為はとても静かです。
けれどもそれは人間性を守るための激しい闘いであるのです。
そこに感じたのは涙が出てくるような感動というよりは、彼の行為に対して神聖さのようなものを感じました。
あくまで人間であること、それは言葉を発すること、意志を表すことへこだわり、それを守るために静かなる闘いを続ける。
それは辛いに違いないし、くじけそうにもなるに違いない。
彼の神聖な行為を見ているうちにとても胸が苦しくなりました。
自分たちが当たり前のように感じていること。
当たり前のように行っていること。
これは「空気のように」当たり前のことではないんですよね。
日々、なんとなく感じて過ぎていく時間。
その時間や、感じる感覚というものを大切にしなくてはいけないと思いました。
| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「潜水服は蝶の夢を見る」 静かなる闘い:
» 「潜水服は蝶の夢を見る」レビュー [映画レビュー トラックバックセンター]
「潜水服は蝶の夢を見る」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア、ジャン=ピエール・カッセル、マリナ・ハンズ、マック..... [続きを読む]
受信: 2008年2月12日 (火) 06時43分
» 潜水服は蝶の夢を見る [スワロが映画を見た]
原題:LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON/THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY
製作年度:2007年
製作国:フランス/アメリカ
上映時間:112分
配給:アスミック・エース... [続きを読む]
受信: 2008年2月13日 (水) 23時23分
» 『潜水服は蝶の夢を見る』 (2007) / フランス・アメリカ [NiceOne!!]
原題:LESCAPHANDREETLEPAPILLON/THEDIVINGBELLANDTHEBUTTERFLY監督:ジュリアン・シュナーベル原作:ジャン=ドミニク・ボービー脚本:ロナルド・ハーウッド出演:マチュー・アマルリック、マリー=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー公式サイトはこちら。<S...... [続きを読む]
受信: 2008年2月15日 (金) 21時09分
» 『潜水服は蝶の夢を見る』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「潜水服は蝶の夢を見る」□監督 ジュリアン・シュナーベル □原作 ジャン=ドミニック・ボービー □キャスト マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー、ジャン・ピエール=カッセル■鑑賞日 2月10日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> まずそのタイトルに興味が沸く。 この作品はカンヌ映画祭で監督賞と高等技術賞を受賞し、今回のアカデミー賞でもジュリアン・シュナーベル... [続きを読む]
受信: 2008年2月17日 (日) 21時07分
» ●潜水服は蝶の夢をみる(Le Scaphandre et le Papillon) [コブタの視線]
FC2投票
無料アクセス解析この映画、TVの宣伝CMでおすぎさんが「この映画を見て感動しない人が1万人以上いたら、私は映画評論家を辞めま... [続きを読む]
受信: 2008年2月17日 (日) 21時20分
» せ)潜水服は蝶の夢を見る [朱色会]
執筆中、というかレビューできるかどうか・・・
『∞』。…この感動を表すことばを持っていない。書けるのか?わたしに。
冷却と取材を始めたところである。
原題: Le Scaphandre et le Papillon / The Diving Bell and The Butterfry
鑑賞記:「潜水服」に必ずあるもの・・・それは『(空気供給)ホース』
1.人はおおむね、「氷河のように」生きている
すべてが自由で希望に満ちた「降雪」であったときは忘れるほどに
かなたに過ぎて... [続きを読む]
受信: 2008年2月18日 (月) 00時38分
» 潜水服は蝶の夢を見る [カリスマ映画論]
【映画的カリスマ指数】★★★★★
厚い殻を打ち破る、無限大のイマジネーション
[続きを読む]
受信: 2008年2月18日 (月) 20時04分
» 潜水服は蝶の夢を見る TIFF鑑賞記その4 [シャーロットの涙]
いつもエレガントに・・・ [続きを読む]
受信: 2008年2月19日 (火) 00時40分
» 潜水服は蝶の夢を見る [映画通の部屋]
「潜水服は蝶の夢を見る」 Le Scaphandre et le Papillo [続きを読む]
受信: 2008年2月23日 (土) 20時03分
» 潜水服は蝶の夢を見る [映画を観たよ]
正直、思っていた作品と違いました。
[続きを読む]
受信: 2008年2月29日 (金) 21時14分
» 【2008-45】潜水服は蝶の夢を見る(Le Scaphandre et le Papillon) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
人気ブログランキングの順位は?
ぼくは生きている。話せず、身体は動かせないが、
確実に生きている。
ジャン=ドミニク・ボビー
ELLE編集長、42歳、子供3人の父親。
ある日倒れ、身体の自由を失った。
そして左目の瞬きだけで語り始める。
蝶のように飛び立....... [続きを読む]
受信: 2008年3月 1日 (土) 09時49分
» 潜水服は蝶の夢を見る/le scaphandre et le papillon [我想一個人映画美的女人blog]
原題はle scaphandre et le papillon
"ー身体は潜水服を着たように重たくても、僕の想像力と記憶は蝶のように自由に羽ばたくー"
実話です。
{/book/}ジャンドミニクは三人の子の父親であり、雑誌ELLEの編集長として充実した人生を送っていた。
ある日突然、倒れ気がつくと病室。脳梗塞によって身体は全く動かず、
唯一動くのは左目のみとなってしまう。。。。
「死んでしまった方がまし」とも思え、絶望的、、、
言語療法士に瞬きでコミュニケーションをとる方法を教えられ、次第に... [続きを読む]
受信: 2008年3月 1日 (土) 21時23分
» 潜水服は蝶の夢を見る [ようこそ劇場へ! Welcome to the Theatre!]
”Le Scaphandre et le Papillon”原作=ジャン=ドミニク・ボビー『潜水服は蝶の夢を見る』。監督=ジュリアン・シュナーベル。脚本=ロナルド・ハーウッド。撮影=ヤヌス・カミンスキー。「ウィ」は1回、「ノン」は2回、合計20万回の瞬きで自伝を綴った「ELLE」の元編集長ーの実話映画化。☆☆☆☆★★... [続きを読む]
受信: 2008年3月 3日 (月) 15時16分
» 潜水服は蝶の夢を見る [佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン]
ジャン=ドミニック ボービー原作、 ジュリアン・シュナーベル監督、マチュー・アマルリック、マリー=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー。原作者の実体験に基づいた映画で、本来なら「潜水服」というより「潜水鐘」。英訳はDiving Bellだ。最も原始的な潜水装置で...... [続きを読む]
受信: 2008年3月 5日 (水) 22時45分
» 潜水服は蝶の夢を見る [空想俳人日記]
瞬きの 紡ぐ人生 羽ばたきの
それにしても、イントロのクレジット(背景がX線写真)から、この映画やるな、そう思わせぶりの作品。と思いきや、本編に入ると、いきなり朦朧とした映像。そうか、観客は主人公の目を通して周囲を見ているんだ。私たちは主人公その人なん... [続きを読む]
受信: 2008年3月 9日 (日) 07時19分
» 潜水服は蝶の夢を見る☆マチュー・アマルリックの素晴らしい演技!! [銅版画制作の日々]
20万回の瞬きで自伝を綴った、驚異の実話!
圧倒的な映像美で描く、きらめく愛の感動作
2月16日、京都シネマにて鑑賞・・・・・。
実在した奇跡の伊達男、ジャン=ドミニク・ボビー
彼はファッション界を左右するフランス版ELLEの名編集長だった。2人の子持ちだった。42歳のとき、突然脳梗塞で倒れて、生死をさまよった後に目覚めると、左目以外は動かない状態になっていた意識、知力は元のままなのに、身体的自由はすべて奪われた状態、ロ... [続きを読む]
受信: 2008年3月10日 (月) 00時35分
» まばたき20万回【潜水服は蝶の夢を見る】 [犬も歩けばBohにあたる!]
人気ファッション誌「ELLE」の編集長だったジャン=ドミニック・ボビー氏。 突然 [続きを読む]
受信: 2008年3月24日 (月) 14時52分
» 「潜水服は蝶の夢を見る」 [ヨーロッパ映画を観よう!]
「Le Scaphandre et le papillon」...aka「The Diving Bell and the Butterfly」 2007 フランス/USA
原作者であり、主人公のジャン・ドミニクに「キングス&クイーン/2004」「ミュンヘン/2005」のマチュー・アマルリック。
彼の3人の子供たちの母親セリーヌに「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」のエマニュエル・セリエ。
言語療法士アンリエットに「みなさん、さようなら/2003」のマリ・ジョゼ・クローズ。
ジャン・ドミ... [続きを読む]
受信: 2008年4月 3日 (木) 00時00分
» 30●潜水服は蝶の夢を見る [レザボアCATs]
'08年ゴールデン・グローブ賞、監督賞・外国語映画賞おめでと〜!それと、マチュー・アマルリックのセザール賞、主演男優賞受賞もその他、セザール賞編集賞受賞、他、アカデミー賞も主要7部門ノミネート。... [続きを読む]
受信: 2008年4月 4日 (金) 20時28分
» 映画 【潜水服は蝶の夢を見る】 [ミチの雑記帳]
映画館にて「潜水服は蝶の夢を見る」
ファッション誌ELLEの編集長だったジャン=ドニミク・ボビーが20万回の瞬きで綴った自伝小説の映画化。
おはなし:1996年、42歳のジャン=ドミニク(マチュー・アルマリック)は脳梗塞で倒れる。昏睡状態から目覚めたものの、彼は左目のまぶた以外を動かす事ができなくなっていた。
シャンソンの名曲♪ラ・メール♪に乗ったオープニングは、レントゲン写真(しかも病的なもの)が次々と映し出されて、これから始まる重苦しい実話を予感させると共に曲の明るさとのギャップにまず驚き... [続きを読む]
受信: 2008年4月30日 (水) 22時56分
» 「潜水服は蝶の夢を見る」 [-☆ EL JARDIN SECRETO ☆-]
感動の衣をまとった相当の曲者。左目以外の全身が麻痺した男性が、20万回のまばたきで自伝を綴った。と言えば、これはもう感動以外の何ものでもないはずと思うのですが・・・。映画は、主人公のボビーが病院のベッドの上で3週間ぶりに目を覚ますところから始まります。周囲の...... [続きを読む]
受信: 2008年5月 3日 (土) 21時27分
» It's not my taste. 「潜水服は蝶の夢を見る」 [こたえがあるなら]
タイトルだけなら、こないだの「君のためなら千回でも」に匹敵する クオリティーの高さなんですがねーー。うーーーん。#63897; 潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】 先に見に行った友人達から、あまり芳しい評価を聞かなかったので 一抹の不安を抱きながら..... [続きを読む]
受信: 2008年8月13日 (水) 00時43分
» 潜水服は蝶の夢を見る [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
『ぼくは生きている。 話せず、身体は動かせないが、 確実に生きている。』
コチラの「潜水服は蝶の夢を見る」は、2/9公開となった"20万回の瞬きで自伝を綴った、脅威の実話!圧倒的な映像美で描く、きらめく愛の感動作"なのですが、観て来ちゃいましたぁ〜♪
ア...... [続きを読む]
受信: 2008年11月 3日 (月) 12時01分
» 「潜水服は蝶の夢を見る」 [the borderland ]
【ネタバレです】
いきなり、昏睡から目覚めたジャン=ドー(マチュー・アマルリック)目線なので、いやがうえにも追体験しながらの鑑賞になります。「自分を哀れむのを止めた」という心境に至るまでが意外と短かったのですが、そこに至るまでは想像を絶する苦悩があったんでしょうね。観てるだけでも、死んでしまいたいという気持ちになっても不思議じゃないと思いましたよ。
同じように首から下が不随となった男の物語、「海を飛ぶ夢」は、死ぬためにどうするかということだけが映画になっていたぐらいですから。2人の状況は... [続きを読む]
受信: 2008年11月 4日 (火) 22時34分
» 潜水服は蝶の夢を見る [りらの感想日記♪]
【潜水服は蝶の夢を見る】 ★★★★ DVD(111) ストーリー 雑誌ELLEの名編集長として人生を謳歌していたジャン=ドミニク・ボビー(マ [続きを読む]
受信: 2009年1月 5日 (月) 20時38分
» 『潜水服は蝶の夢を見る』 [ラムの大通り]
(原題:Le scaphandre et le Papillon)
「いやあ、久しぶりに見応えある映画を観たね」
----そうニャの。
これってよく分かんないタイトルの映画だよね。
ある意味、アスミック・エースっぽい気もするけど…。
「うん。確かにそうかも。
この映画、タイトルだけでは想像がつきにくいけど、
これは20万回の目の瞬きで自伝を綴った『ELLE』誌編集長
ジャン=ドミニク・ボビー(通称ジャン=ドー)の
実話を映画化したものなんだ」
----20万回の目の瞬き…
ニャんで、そんな面倒なこ... [続きを読む]
受信: 2009年6月14日 (日) 12時58分
» 潜水服は蝶の夢を見る [Diarydiary!]
《潜水服は蝶の夢を見る》 2007年 フランス/アメリカ映画 - 原題 -LE [続きを読む]
受信: 2009年7月19日 (日) 19時25分
» 潜水服は蝶の夢を見る (2007) LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON 112分 [極私的映画論+α]
ラストシーンで・・・○┼ バタッ [続きを読む]
受信: 2010年12月30日 (木) 18時26分
» 潜水服は蝶の夢を見る [to Heart]
原題 LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON/THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY
製作年度 2007年
製作国・地域 フランス/アメリカ
上映時間 112分
原作 ジャン=ドミニク・ボビー『潜水服は蝶の夢を見る』(講談社刊)
監督 ジュリアン・シュナーベル
出演 マチュー・アマルリ...... [続きを読む]
受信: 2012年10月12日 (金) 23時59分
» 潜水服は蝶の夢を見る [rambling rose]
20万回以上のマバタキだけで自伝を綴ったジャン=ドミニク・ボビーの物語。観ようかどうかずっと迷っていたんですが・・ [続きを読む]
受信: 2013年3月16日 (土) 21時48分
コメント
ミチさん、こんばんは!
こちらの作品は難病モノでありながら、とても生というものを前向きとらえていて感動してしまいました。
原作、今度読んでみよと思います!
投稿: はらやん(管理人) | 2008年5月 3日 (土) 20時41分
こんにちは♪
難病モノというとどうしても「泣かせ」が気になってしまいます。
でも、この作品は違いました。
原作もとても素晴らしいので、機会があったらぜひ!
投稿: ミチ | 2008年4月30日 (水) 22時57分
HITOMIさん、こんばんは!
そうなですよね、人間は自分の存在というのを外部への働きかけとそのリアクションによって確認しているものなのかもしれません。
映画の語り口もおさえながらも、非常にドラマチックで良かったです。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年3月16日 (日) 19時08分
はらやんさん、こんにちわ。
確かに人間は外の世界に働きかけることで、自分の存在を確認し、生きていくことができるんですよね。その手段を遮断された悲劇は想像を絶するものがあります。それを克服する過程を、思い切り乾いた筆致で描いたところがよかったと思いました。
投稿: HIROMI | 2008年3月16日 (日) 16時34分
なななさん、こんばんは!
涙をぼろぼろ流す作品ではありませんでしたよね。
けれど「生きるということ」を考えさせてくれる、染み入るような映画だったと、僕も思います。
「生きる」ことを前向きにとらえることこそが、「生きる」ということなのかもしれません。
そんなことを考えさせられました。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年3月 1日 (土) 19時04分
はらやんさん、こんばんわ。
感動系って思っていた部分もあったので、すっかり構えていたのですがそんなことなくってよかったです。
彼が人間でい続けることは誰にも制限できないし、する必要がないこと。
だからこそ最後まで「人間」でいようとした彼の生き方がじんわりと心に残りました。
この前向きな姿がとっても印象的でした。
投稿: ななな | 2008年2月29日 (金) 21時11分
シャーロットさん、こんばんは!
この作品、シャーロットさんは絶対好きだと思いました!
確かにアート系なのに、いろいろな方に評判いいですよね。
昨年よりシャーロットさんの影響を受け(?)、単館ものもたくさん観るようになったところで、こういう作品に出会えて嬉しいです。
また今度お会いしたときに映画のお話をしましょー。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年2月23日 (土) 22時05分
睦月さん、こんばんは!
そうですよね。
もちろん感動するわけだから「泣く」のですけれど、心が揺さぶられるとき必ずしも「泣く」わけじゃないんですよね。
映画で病気をテーマにするとどうしても悲劇に偏ってしまいがちですが、とても前向きさを感じられ、その姿勢に心を揺さぶられました。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年2月23日 (土) 21時10分
コブタさん、こんにちは!
>プラスな想い満ちた心地よいエネルギー
そうそう、そういう感じがありました。
たいへんな病気になっただけその悲劇だけを描くと、ただの「涙もの」の映画になってしまいますが、本作は生きるということを前向きにとらえているところが良かったです。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年2月23日 (土) 07時46分
ぼんそわ。
先日はお会いできなくて残念でございました。また映画について熱く語り合えると嬉しいでーす。・・・本作が話題になっていたのですね。それは私としても嬉しいです。
シュナーベルの作品はどれも好きですが、これは別格。こんなにも自分のフィーリングにばっちり合う作品といきなり出会ってしまって、私はそっちの方が感動的でしたよ。
アート作品なのに意外に好意的なブロガーさんが多いので嬉しいです♪
そうそう、当たり前な自分の置かれている環境の大切さが身に沁みますよね。
失ってこそわかる、自由という当たり前な事。でも失ったからこそ、もっと自由になれた…って思えるジャンの前向きさ加減に感銘を受けました。
投稿: シャーロット | 2008年2月19日 (火) 00時39分
こんにちわ。
「泣くことが感動することである」
私をはじめ、多くの人がそんな風に勘違いをしているんですよね。『感動』とはそういうことではない・・ってことに気づかせてくれた作品だったと思います。
ハンディを抱えた人物の映画はこれまでにもいくつもありましたが、こんなにポジティブに清々しささえ感じる明るさでアプローチをかけたこの作品の斬新さは実に素晴らしかったなあと思いました。
投稿: 睦月 | 2008年2月18日 (月) 17時33分
表現すること、それが人間にとっていかに素晴らしく大切なことであるのかを見せつけられた作品でしたよね。
ジャン・ドーの表現することへのひたむきな想いは決して涙をさそうような安っぽい行為ではなく、プラスな想い満ちた心地よいエネルギーに感じました。
ジャン・ドーを救ったものも神ではなく、創作することへの意欲そこも彼らしいさなのでしょうね。
投稿: コブタです! | 2008年2月17日 (日) 21時32分
スワロさん、こんばんは!
過酷な境遇を表現していますが、タイトルがとても詩的ですよね。
ものを表現する仕事をしていた方ならではだと思います。
それだからこそ、表現するということを封じられたジャンの最初の絶望感は深かっただろうと思います。
けれども「自分を憐れむのを止め」、できる限りのことをしていく姿勢は、心を打たれるものがありました。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年2月16日 (土) 21時09分
はらやんさん、こんばんは。
この作品、先日ちょっと話題になっていましたよね。
もともと見る予定がなかったのですが、
気になったので見てしまいました(照)
>あくまで人間であること、それは言葉を発すること、
>意志を表すことへこだわり、それを守るために静かなる闘いを続ける。
静かな闘いって言い得ていますね。
スワロとしてはもうちょっと彼の内なる葛藤の描写が欲しいなと思ったのですが、
彼の芯の強さと豊かなキャラクターに引き込まれてしまいました。
「潜水服」って正確なうえ、
ELLE編集長らしいお洒落な例えですよね。
投稿: swallow tail | 2008年2月13日 (水) 23時34分