「0093 女王陛下の草刈正雄」 なんとなーくできちゃた感じ
B級映画というのは最近は一つのジャンルとなっているような気がします。
そもそもB級というのは、A級(メジャー)に対し低い位置づけであることを表していたものだったのでしょう。
A級の映画というのは制作費をかけた大作だったり、観客がたくさん入る作品であったり、巨匠の撮った作品だったり、メッセージ性のあるものだったりするわけです。
メジャーに対しては、インディペンデントという一方の対比軸はあるのですが、いつしかB級というのは、A級の映画ではできないことをやるもう一方の軸になってきたような気がします。
それは多くの人があまりこだわらないディテールへの偏愛であったり、カルトな分野へのこだわりであったりするわけで、オタクという存在の社会的な認知から、B級映画というのものも社会権を得たと言っていいでしょう。
またB級映画というのは、製作費がないという状況を、制作者のその分野へのこだわり(愛と言ってもいい)により、「金がなければ、アイデアで勝負」的な熱意で克服するという熱さというものをもっているような気もします。
B級映画というのは、ある客層にのみ受け入れられる細部への偏愛、ジャンルへの思い入れ、そして熱情とアイデアを持っている映画のジャンルと言っていいかもしれません。
さてさてなぜこれほどB級映画について書いたかというと、本作「0093 女王陛下の草刈正雄」という映画をどのように捉えるかとちょっと悩んだからでもありました。
本作はジャンル的にはパロディ映画ということになるのでしょう。
たぶんB級映画と言う人もいるでしょう。
けれども上に書いたような僕がイメージするB級映画かというと、そんな感じもしません。
B級映画の条件を、ディティールへの偏愛、ジャンルへの思い入れ、熱情とアイデアと書きましたが、そのあたりがあまり感じられない。
お金がない感じは十分伝わってきます(笑)。
けれども良い(?)B級映画にあるような制作者の熱みたいなものが伝染してこない。
なんだかとても温度の低い映画を観ているような気がしました。
猛烈に安っぽいんですよね。
もしくは大学の映画サークルで仲間内で楽しむためにつくった自主映画のような感じかもしれません(大学の頃、そういうの作ったなあ)。
安っぽさというのは、制作にかけられるお金だけによるものではないかと思います。
製作費がなくても、それなりにいい映画というものは作れるものです。
海外の作品にはパロディ映画というのはいくつもありますが、それらを見てみると「真剣に」パロディしているような気がします。
そういう海外の作品に比べ、本作は繰り出されるギャグに関しても、とてもお寒いネタがこれでもかこれでもかと繰り返されます。
「笑い」自体があんまり深く考えたものではなく、「笑い」へのこだわりといったものも感じさせません。
そういうわけで大笑いできるわけもなく、もしかすると「苦笑」という笑いをとりにきている高度なテクニックなのかもしれないとかんぐったりもしますが、たぶんそこまで考えてはいないでしょう。
なんとなーくノリでできちゃた映画のような感じがしますね。
制作がBS-i(TBSの衛星放送の会社)で、悪役が楽天の三木谷社長を思わせる役柄だったのだけ、笑えました。
しかし、この映画を題材にこれだけ書く人はあまりいないでしょうねえ。
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