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2008年1月 2日 (水)

「もやしもん」 「はみ出し」の方がおもしろい

石川雅之さんの原作漫画「もやしもん」が好きなので、テレビアニメの方もチェック。
なんだか、おもしろくなかった・・・ほぼ原作と同じ展開なのだけれども。
どうしてだろう?

さて何故原作の「もやしもん」が好きなのだろうか、ちょっと考えてみる。
原作の漫画も決して絵がうまいわけではない。
ストーリーもいきあたりばったりな感じが多分にある(劇中で作者も指摘しているけれども、主人公の沢木の陰が薄い)。
これは好きな理由にならないですねー。
ーん、好きな理由は・・・。
菌が見えるというアイデアはとてもユニーク、そして沢木に見えている菌たちの姿、彼らの言動がなんだかほのぼの愛らしい。
訥々と語られる樹教授(沢木が世話になっている大学の先生)の発酵に関する「まめ知識」などは、読んでいてなるほどーと勉強になっておもしろい(番外編で菌たちが主役の時の方がおもしろいなあと思ってしまったりする)。
あとコミックのコマの脇に描いてある「はみ出し」のようなところが、けっこう楽屋落ちで笑えたする。
こうやって考えてみると原作「もやしもん」の僕が好きなところというのは、ストーリーだとかキャラクターとかいったような普通小説、漫画、映画を楽しむ基本的なポイントとはちょっと違う。
原作「もやしもん」は昔あった学研の学習マンガ「○○のひみつ」シリーズ(知っている人いるのかな?)のように、発酵について漫画でわかりやすく解説しているみたい感じがする。

あ、これでアニメがおもしろくない理由がわかってきた。
シリーズ化したアニメではどうしてもストーリーを追っていかなければなりません。
ストーリーにするということは何かキャラクターたちに関わって展開があるということ。
なので最終回などででてきた「自分の将来を自ら選択できるのだ」というようなテーマが表れてくるわけです。
アニメでは最終回という幕引きをするためには、このような何かしらの「結」を作らなければならなくなります。
原作ではほとんどストーリーといった「本質的なところ」には重きをおいていない。
なぜなら「もやしもん」のおもしろさの「本質」は違うから。
逆説的になるのだけれど原作「もやしもん」のおもしろさとは「まめ知識」とか「はみ出し」とか「本質的じゃないところ」にあるのだ。
アニメというものになった瞬間に「はみ出し」といったものは成立しようがなく、ストーリーといった「本質的なところ」しか描けなくなってしまう。
なのでアニメは「もやしもん」らしくなくおもしろく感じなかったのだ。
たぶんこれはアニメの制作者サイドも薄々感じているような気がする。
なので毎回のラストに「菌劇場」なるものをおまけでつけていたのだろう。
これはアニメという時間の流れが存在している表現形態でできる「はみ出し」の手法だったのですね。
改めて原作「もやしもん」は余計なところの方がおもしろい、不思議な漫画なのだなあと思いました。
おまけの方がおもしろくなってしまった「ビック1ガム」のようだ(これも知っている人いるのかなあ?)

実写版「もやしもん」の記事はこちら→

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