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2008年1月27日 (日)

「Little DJ 小さな恋の物語」 後悔したくない

ずっと人間が生きていられるのなら、たぶん「後悔」という言葉は生まれなかっただろう。
人っていうものは終わりがあることに気づいて初めて、できていないことが永遠にできないということに気づき「後悔」をする。

亡くなってしまった結城さんの息子周平は父親にありがとうと言えないまま、父親を失ってしまったことを悔いています。
捨次は20年も前に自分が好きだった女性に想いを伝えられないまま、その女性は亡くなってしまいました。
「失ってしまって初めて気づく」というフレーズは使い古されていますが、真実を表している言葉なんですよね。
二人とも相手に伝えたいと思っていてもそれを叶えることは永遠にできない。
それが「後悔」。
二人がそれぞれに自分の「後悔」を太郎に伝えるところがとてもいい。
親への感謝の気持ち。
好きな人への愛する気持ち。
自分の命が限りがあるということに気づいている太郎は、二人の言葉をしっかりと心に刻んでいる。
気持ちを伝えず「後悔」はしたくない。
気持ちを伝えることはとても気恥ずかしいことであるし、とても勇気のいること。
けれどもそれをしないともっと大きな「後悔」が残ってしまう。
命に限りがあることを知った太郎は「後悔」しないよう、みなに気持ちを伝えようとします。

ここ数日やや気分がダウナーでありました。
時折こういう気分なときがあるのですが、なんだかこんなままじゃいけない感じ、どうもぼんやりと不安な感じになるときがあります。
日々仕事は忙しくも適度に達成感ありますし、土日は趣味など充実している感じはあり、毎週毎週くるくると回っているのですが、ふと何かこのままずっといてしまっていいのだろうかと思ったりもします。
一人で日々の安楽さにかまけてなんとなく生きていないかとふと不安になるのです。
そんなとき、難病ものみたいな悲しい気持ちになりそうな映画を観るのもいかがなものかと思いましたが、この映画、観てよかった気がしています。
大人になったたまきも、ラジオの仕事に関われるようになってそれで日々が忙しいながらも過ぎていって、十分満足でもないけれど、不満もなく過ごしていたんだと思います。
けれどもなんだかこのままでいいのかという不安な気持ちがあったのでしょう。
このままの状態でずっといられるわけではなく、いつか命は終わりがあるということ、それをわかって何かをすること、そういう勇気が必要なのかなと僕も思ったりしました。
先がないというということがわかってから初めて「後悔」するのはやっぱりイヤだなと。
やっぱり何か自分で動かないといけないなと思いました。
そういうことを思わせてくれて、この映画観て良かったなと思ってます。

もともと難病ものはあまり観ないんです。
嫌いとかそういうわけではないのですが、涙もろくてすぐ泣いちゃうので。
けれどもこの映画、永田琴監督だということで観に行きました。
あまり永田監督の長編デビュー作「渋谷区円山町」がけっこう好きなんです。
永田監督は奇をてらったようなところはないのですが、とても女性らしいやさしい感じがするですよね。
なんだかとてもやさしくて観ていて安心してしまう作品を撮られる監督だなあと思います。

永田琴監督作品「渋谷区円山町」の記事はこちら→

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コメント

cyazさん、こんばんは!

あの年頃って男の子の方がドキドキしちゃうんですよねー。
女の子のほうが屈託がないというか・・・。
福田麻由子さんは前に観た映画の時よりも、ずいぶん大人になっている感じがしてびっくりしました。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年2月 4日 (月) 22時33分

はらやんさん、こんにちは^^
TB、ありがとうございましたm(__)m

何だか少し昔の懐かしい優しい恋心を思い出した気がします。 あの病院のベッドの二人と同じ状態を僕も経験しましたが、本当にドキドキバクバクだった想いが心に去来しましたよ^^

投稿: cyaz | 2008年1月29日 (火) 08時27分

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