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2007年12月16日 (日)

「風林火山」 時代がかった時代劇

昨年の「功名が辻」と同じく(こちらのほうがやや時代は古いですが)、戦国時代を舞台にした大河ドラマです。
織田信長も恐れたという騎馬軍団を率いる武田信玄の軍師、山本勘助を主人公としています。

「功名が辻」では主人公である山内一豊の妻、千代をとても現代的な女性として描いていました。
戦国大名の妻でありながら、様々な情報から状況を分析し夫にさりげなく献策する。
才女でありながら夫をたてることを忘れない。
けれども戦前の教科書に載っていたような夫の言うことに従い、内助の功を行う女性というよりは、言いたいことはしっかりと主張する現代的な描かれ方をしていました。
「功名が辻」は時代劇でありながら、現代劇のようなドラマになっていたかと思います。

今年の「風林火山」は戦国時代と「功名が辻」と同じながらも、昨年と打って変わって「時代がかった時代劇」になっていたように思われます。
まず登場人物の話し方や仕草などがかなり大仰なこと。
昨年は話し方などの時代考証という点ではわざと曖昧にしていたように思えますが、「風林火山」は地域や身分などによる話し方の違いなどはかなり念入りに考証していたように感じました。
ちょっと大仰すぎて、歌舞伎のような感じがしてしまう感もありましたが(特に信玄役の市川亀治郎さんは歌舞伎チックでちょっと苦手でした)。
あと登場人物の思考の仕方がその時代の人らしいような気がしました。
「功名が辻」で描かれた千代は現代人のような思考の仕方をしていましたが、現実的はまあ、ありえない。
対して「風林火山」の主人公山本勘助は清廉潔白の士ではない。
まずは自分が生きること、そしてこの人はと決めた人物(信玄と由布姫)のためとあれば、権謀術数は厭わない。
乱世であり生き馬の目を抜くような時代であればそうでなければ生き抜けないはず。
戦国時代に生きている人間というのはこういう人間だったのかもしれないと思えました。
理想主義だけでは生きていけぬという時代性が山本勘助というキャラクターに表れていたように思えます。
劇中幾度となく、山本勘助の生き方に対して他の人物から悪く評されます。
NHKの大河ドラマにしてはなかなか珍しい主人公ではなかったかと思います。
対して清廉潔白の理想主義者として描かれていたのが上杉謙信。
ただ合わせて力も持っている男であるが故に、理想のためには容赦のない危険な側面もある人物のようにも見えました。
こちらはGacktさんが好演。
女性のような美貌を持ちながら、剛健であるという謙信というキャラクターにぴったりだったように思えます。

何次にも渡る川中島の戦いがドラマの中で描かれますが、この合戦シーンの描写は見事でした。
青い空と緑の平原で大人数が激突するシーンは映画のような迫力がありました。
実際に出演者たちが馬に乗り、何重にも組まれた陣の中や乱戦の中を駆け抜けるその場面をロングショットでおさえるなどかなり贅沢な作り。
手持ちのカメラが戦場の中に入り、登場人物を長回しで追うなどということを行っていましたが、それらの手法は戦場の戦いの生々しさを伝わってくるのに貢献していたように思えました。

06年NHK大河ドラマ「功名が辻」の記事はこちら→

08年NHK大河ドラマ「篤姫」の記事はこちら→

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