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2007年12月 8日 (土)

「ナンバー23」 数字の神秘

「23」という数字に支配されているという妄想にとりつかれた男が主人公の物語。

古来から東西を問わず、数字というものに神秘的な意味があるという考え方があります。
西洋占星術へとつながる数秘術などや、名前の画数などに意味があるという考え方もそうかもしれません。
普段からなじみのあるラッキーナンバー7や、四は縁起の悪い数字などというのもそういう考え方の一つなのでしょう。
そもそもは聖書などの古典に書かれている物語が由来となっていたり、語感(四=死)などからきていたりするでしょうから、数字自体が神秘的な意味を持っているわけではないと思いますが、人間というのは不思議なものでそこに意味を見いだしたくなってしまうものなのかもしれません。

考えるに、数字というものは人間が自分の周囲の環境をとらえる尺度となるものです。
距離だったり、重さだったり、空間の広さだったり、そして時間の長ささえも。
数字があるから違うものを比較することができ、それにより人間は環境を正確に認識することができる。
数字を「発明」したからこそ人間は環境に影響を与えることができるようになったと言えるかもしれません。
そして人間が人間たる理由としての一つは時間を認識できるということ。
空間を動物は認識できても、概念上とはいえ時の流れ、距離を認識できるのは人間のみ。
1日前と今日とⅠ日後が違うと認識できるのは人間だけです。
そして人間は明日<未来>というものがわかるようになったからこそ、明日<未来>に対して不安を持つようになる。
なるべくいい未来を迎えたいと思うのは当然なわけで、そこでなるべく人間は未来を予測したくなる。
もしくはいまの行動がよい未来につながっているはずだと信じたくなる。
そこで「縁起」という考え方が発生するのではないかと思います。
ラッキーナンバーや縁起の悪い数字などというのは、そもそも科学的な根拠などあるはずもないけれども、それを信じることにより、真っ暗闇を全力疾走するような不安は薄まり、うすぼんやりとした暗さの中をすこしばかり安らかに「明日」というものを人間はむかえられるようになる。
現代人で「縁起」というものが未来予測につながることを信じている人はほとんどいないと思うが多少なりとも気にするのは、そうすることにより少しは未来を無防備で迎えることの不安が減るからだと思います。
その不安が過剰になればなるほど未来の確からしさを求めるようになって、そこに必然とか運命というものを見いだしたくなり、本来は機能的な役割しかもたない数字にそれ以上のものを期待するのが数秘術などの考え方なのでしょう。

本作の主人公ウォルターは過去の記憶がないという意味で、未来に対しての不安は普通の人よりも深いものだと思われます。
自分自身が覚えていない過去のことが、いつ自分の未来に影響をあたえてしまうかもしれないという漠然とした不安を抱えている。
だからこそ本人にとって意味があるように思われる23という数字が自分の運命を決定する(不幸な未来であっても不確かよりは受け入れやすいのかもしれない)ということを信じてしまったのかもしれません。

この物語をみるとちょっとみんな怖く感じるのは、少なからずそういうこだわる部分というか、過度になると偏執狂的なところが、自分の中にもちょっとはあると感じるからだろうと思う。
未来に対して不安な気持ちというのはみんな持っているわけで、そこには数字ではないかもしれないがなにかしらの自分なりのこだわりの「縁起物」がないと生きていけないからかもしれません。

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