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2007年9月29日 (土)

「檸檬のころ」 檸檬は心の擦り傷にしみて、ちょっと痛い

檸檬はすっきりとさわやかな味だけど、心の擦り傷にはしみて、ちょっと痛い。

高校三年というのは、人生の中で初めて自分で自分の道を選ぶ時かもしれない。
中学・高校進学は地元だからとか、親や先生が薦めたからなど、みんなあまり自分で進路を選んだという感じはないのではないだろうか(よほどしっかりとした人は別かもしれないですけれど)。
でも高校を卒業するときは、やりたいこと(もしくはやりたくないこと)などがぼんやりながらも見えてきて、進路というものを選ぶとき、少なからず自分の意志があらわれてくるだろうと思います。
子供の時は周囲にお任せであったのが、自分で選択する、していいとなったととき、人は初めて世界と直面し、自分と他者、理想と現実、そのギャップに気づく。
というより気づかされる。
将来やりたいことがあるけれども、その才能が自分にないのではないかと不安に思う。
ずっと好きな子がいるけれど、その子には自分の友人のことが好きだと言われる。
東京の大学に進学する彼女とずっといっしょにいたいけれど、自分は進学できるほど頭が良くない。
登場人物の高校三年生はそれぞれが自分の理想としている姿と現実のギャップに悩む。
自分がとっても小さかったり、恥ずかしい存在のように思えてしまう。
それでイライラしたり、落ち込んだり。
夢、進路、恋愛などに関して、理想とは違うどうしようもない現実に、自分が決めるということができる年齢になって初めて直面するのが高校三年なのかもしれないですね。
自分と他人、理想と現実のギャップを感じたとき、深くはないけれど心に擦り傷のような痛みを覚える。
擦り傷にしみる檸檬の痛みは、現実と自分とのギャップを調整するのに慣れていつしかすっかり忘れてしまうものだけれど、こういう青春ものの映画を観ると、その痛みを感じたという記憶がよみがえってきます。
とても檸檬にでも痛みをかんじてしまうくらい敏感だったころの記憶が。

榮倉奈々さんが主演なので、ファンとしてこの作品を観てみましたが、ちょっと彼女の魅力がでているかというとちょっと疑問。
とても真面目な優等生役で、悩んでいる表情が多く、彼女の明るさは感じられなかったのがやや残念でした。
でももう一人の主役の谷村美月さんが良かったです。
ちょっとコメディエンヌっぽさもあって、演技が上手でしたので、今後注目かもしれません。

青春ものと言えば、必ずと言っていいほど学校の屋上のシーンが出てきますよね。
この作品もそうでした。
いろんな作品で屋上のシーンはいい場面が多いんですよね。
なぜだろう?

榮倉奈々さん主演「阿波DANCE」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「渋谷区円山町」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「僕は妹を好きになる」の記事はこちら→

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コメント

hitoさん、こんにちは!
古い記事へのTBは時間がかかるようですみません・・・。

そうそう「渋谷区円山町」の榮倉奈々ちゃんはかわいいですよね。
僕は以前にやっていたドラマの「ダンドリ!」という作品で好きになりました。
朝の連ドラは観れてないのですが、どうなのだろう・・・?
連ドラが終わったら、また映画とか出てくるようになるんでしょうかね。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年8月22日 (金) 08時37分

こんにちは~
こちらの記事にだけTB反映されないようです、すいません。

榮倉奈々ちゃんの笑顔とはじけるような若さがあまり感じられず私も残念でした。
この映画や「僕は妹~」より、「渋谷区円山町」のような元気な奈々ちゃんが魅力的ですよね。

青春ものに登場する屋上シーンって憧れますが・・でも実際には屋上って行けないように鍵がかかっていて私の学校は無理でした~

投稿: hito | 2008年8月20日 (水) 10時33分

ミチさん、こんにちは。

榮倉さんの魅力は笑顔です(ズバリ!)
とは言ってもこの作品ではその魅力があまり出ていなかったので、残念でした。
そのかわり、谷村美月さんは良かったですよね。
コメディエンヌの素質もありそうですよね。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年10月 6日 (土) 08時06分

こんにちは♪
実は榮倉さんの魅力ってイマヒトツ分からないんです。
ゴメンなさい~。
背が高すぎてなかなかつりあう男性がいないのが気の毒な気がします。
逆にこの映画では谷村美月ちゃんがすごく良かったと思います。

投稿: ミチ | 2007年10月 3日 (水) 20時19分

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