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2007年8月15日 (水)

本 「九十九十九」

清涼院流水さんのミステリーシリーズ、JDCシリーズに登場する探偵九十九十九(ツクモジュウクと読む)のいわばスピンオフ企画です。
清涼院さんではなく、舞城王太郎さんが書いています。
清涼員流水さんのこのシリーズもいろいろと物議を醸し出し、賛否両論のあったミステリーでしたが、僕はけっこう好きなほうです。
ミステリーでは突飛なアイデアというのは突飛であればあるほど、二度と他の人は使えません。
(クリスティーの「そして誰もいなくなった」とか「オリエント急行殺人事件」とか)
清涼院さんのこのシリーズはそれに近いものがあるような気がします。
そもそもミステリーかどうだかというところもあります。

舞城さんの作品は今まで読んだことがありません。
てっきり清涼院さんのシリーズと同じ世界の話かと思ったら、全然違ってました。
清涼院さんの小説「JDCシリーズ」が存在している世界を舞台にした、小説といったところでしょうか。

もともとJDCでの九十九探偵は、「すべてのデータがそろえば、たちどころに犯人がわかる」というミステリー小説としては超絶した能力をもっているキャラクターです。
なぜ犯人がその人か、トリックの説明などありません。
いわばその作品を生み出している作者(=世界の創造者、神)の意志を読むことのできる能力を持つというわけです。
これが物議を醸し出し、ミステリーとして卑怯じゃないかということも言われていたようです。
僕としては、そんなことを思いつくことの方がスゴいと思うので肯定派ですけれども。

ということでこの作品「九十九十九」は神そのもののような九十九十九が主役となり、いくつかの小説が入れ子状態になっている複雑な作りになっています。
そういう意味ではオリジナルのキャラクターの突飛さを受け継いでいるともいえます。
ただ読んでいて非常に疲れます。
あと、これは舞城さんの小説の特徴なのか、異様で倒錯したような描写がいくつもあり、僕は読んでいてとても不快で辛かった。
これは清涼院さんの方の作品では感じなかったので、舞城さん特有のものなのでしょうか。
そのため比較的速読である僕でもページをめくるスピードが遅くなり、読了するまで時間がかかってしまった作品でした。
舞城さんの作品はもう読まないだろうなあ・・・。

「九十九十九」 舞城王太郎著 講談社 文庫 ISBN978-4-06-275624-2

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