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2007年8月25日 (土)

「阿波DANCE」 阿呆は自分でなるもんじゃ

このブログでも何度か書いていますが、榮倉奈々さん好きなんですよね。
彼女の笑顔はとてもよくて、観ている人に元気を与える笑顔のような気がします。
彼女は、例えば蒼井優さんのように器用でさまざまな役をやれるというタイプではなく、どちらかというと彼女自身のキャラクターで演じるタイプかなと思います。
悪く言うと全部同じなんですが、逆にあの笑顔は榮倉奈々さんという個人が持つキャラクターがでているような気がします。
テレビドラマ「ダンドリ。」ではチアダンス大会に出場する女の子の役でしたが、彼女は手足がとてもスラッとして長いのでダンス映えしますね。
今回は冒頭よりヒップホップダンスを披露してくれます。

さてこの映画は「スウィングガールズ」あたりから作り続けられている青春ものに位置づけられると思います。
この手の映画は最近多く、ややマンネリじゃないかというご意見もあるかもしれないですが、そうは言っても僕はこういう話は好きなんですよね。
みんなでがんばって、いろいろ壁もあるけどそれも乗り越えて、最後に何かを成し遂げる。
いいじゃないですか、マンネリでも。
いっしょに達成感が味わえるので、やっぱり観ていて気持ちがいいです。

さて阿波踊りといって思い浮かべるフレーズというと、
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン」
だと思います。
この映画でも「阿呆」という言葉がキーワードになります。

東京でヒップホップの大会で優勝し、さてこれからと思っていたアカネ(榮倉奈々さん)は、突然親の都合で無理矢理徳島に連れてこられます。
都会育ちでクールが信条の彼女の目から見ると、徳島の人々はとても田舎くさく、彼女はここは自分の居場所じゃないと思います。
特に同級生の阿波踊り部のコージは暑苦しく、ウザイ存在。
でも二人それぞれが「踊る」ということに対する情熱は、とても熱いものがあります。
コージの親友であり、アカネに好意を持つユッキーがその二人の仲を何とかとりもち、仲間たちでヒップホップと阿波踊りを融合させた新しい踊り「阿波DANCE」を作ろうということになります。
けれどもアカネ、コージ、ユッキーの気持ちは微妙にすれ違い、その試みも空中分解の危機に面してしまいます。

人はそれぞれ自分で決めつけてしまう概念を持ってしまうものです。
「自分はこういうタイプだから」とか「自分の仕事はこうだから」みたいなものですね。
ただ、よく言われることですが、固定概念に捕われてしまうと、それが知らず知らずのうちに自分を縛り、ものの考え方を変えられなくなってしまいます。
何か新しいことをしようとする場合その自分の考え方自体が足かせになってしまいます。
まさにこの映画の前半のアカネの態度がそうですね。
「ここはあたしのいるところじゃない」
「無理、ぜったい無理」
という言葉からは彼女が自分自身のイメージに捕われてしまっていることを表しています。
これは立場は違いますが、コージにも言えます。
でも一度自分のイメージ・概念を自分で壊し、つまり「阿呆」になってしまうというところを通過すると、新しいものが見えてくる。
人のやってることも「決めつけ」ではなく、きちんと素直に見える。
そうなれば人との壁もなくなり、良いものは素直に自分の中に取り入れるということができるようになるんですよね。

ラストで、アカネのダンスに心を動かされたコージがダンスに加わろうとした時、父親(高橋克美さん)に
「俺、今から阿呆になってくるから」
と言います。
父親は
「阿呆、阿呆には自分でなるもんじゃ」
と返します。
まさに至言。
新しいものを生み出すためには、人や組織の壁を突破しなければなりません。
けれどもその壁は実は自分が設定しているもの。
それを越えるには、自分から「阿呆」になって既存概念を壊さなければいけないのですよね。
単なる青春ものと思うことなかれ、深読みかもしれませんがけっこう人生論まで読み取れます。

映画の演出的には個性的という感じはしなかったですね。
テレビドラマを観ているような感じ。
ただやはりこういうダンスものは最後は気分が盛り上がりますよね。
前半は榮倉奈々さんはクールな都会っ子の役だったので笑顔がほとんどなかったのですが、ラストは魅力的な笑顔を見せてくれました。
前半抑え気味だった分、よけいに笑顔がまぶしかったですね。
うるっときました。

そうそう、コージの父親役の高橋克美さんの阿波踊りがすごくはまってました。
ほんとに地元の人のような手つき、腰つきでびっくりです。

榮倉奈々さん主演ドラマ「ダンドリ。」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「檸檬のころ」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「渋谷区円山町」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「僕は妹を好きになる」の記事はこちら→

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コメント

たいむさん、こんにちは。

確かに映画的な作り込んだ感はなかったですよね。
勝地さんは初めて見ましたが、確かに高校生ギリギリでしたね。
熱い感じはよくでていたと思います。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年9月 1日 (土) 06時01分

カオリさん、おはようございます。

確かに僕も映画を観ている時は没入して阿呆になっているかもしれないですね。
映画の世界に入っているとういか。
抜けてしまう感じって、何だか気持ちよくハイになったりしますよね。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年9月 1日 (土) 05時39分

はらやんさん、こんばんは。
勝地君、アツイ役がピッタリでしたし、阿波弁も上手でしたね~。
とはいえ、さすがに高校生役はそろそろ卒業して欲しいです。

それにしてもTVドラマのような映画でしたね。


投稿: たいむ | 2007年8月30日 (木) 18時56分

こんにちは!
阿呆ってステキなことですね。
自分も映画観てるときは阿呆になってる気がしますよ。

投稿: カオリ | 2007年8月29日 (水) 16時47分

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