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2007年7月 8日 (日)

本 「仮面ライダー響鬼の事情」

平成仮面ライダーシリーズとして2005年に放映されていた「仮面ライダー響鬼」の文芸チームにいた片岡力氏が、番組の企画開始から放映までの記録をまとめたものです。
僕たち視聴者は、できあがった完成品である作品をテレビで観るだけで、その成立過程というのはなかなか知ることはできないので、そういう意味では貴重な資料と言えます。
この番組でいう文芸チームとは、番組のコンセプト、設定、プロットなどを考える集団ということです。
映画や他の番組では同じような役割でも他の名称がついていたりしますね。

「仮面ライダー響鬼」という番組は、「仮面ライダークウガ」で見事平成ライダーを立ち上げた高寺成紀氏がプロデュサーとなり「完全新生」をキーワードに、今までのライダーとは異なるテイストで放映されました。
僕は新しいこのテイストは好きだったりしたのですが、あまり世間では好評ではなかったようで、放映途中でプロデューサー、メインライターの交代などが起こりました。
この本ではその経緯についてはほとんど触れられていません。
なのでそういう内輪の話が知りたくてこの本を手に取った方は肩すかしになるかもしれません。
けれども、普通の視聴者はほとんど知らない番組の企画というものがどういう手順で行われ、どのように精度を増していき、実際に番組となるのかのは読んでいて大変おもしろいものでした。
文芸チーム内でコンセプトアイデアを出し、その矛盾点や課題を修正していく。
設定が決まったと思われるところで、スポンサーやテレビ局、さまざまな部門から茶々が入り、また修正・・・。
僕も会社では商品企画に近いところでの仕事をしていますが、大勢の人間が関わり、ものを作っていくという意味では同じようなことが起こります。
テレビ番組とはいえ、これも商品を作っているということなんだなあと感じました。
大勢の人が関わってくるということは、調整調整ばかりで苦労が多いというのが伝わってきます。

「仮面ライダー響鬼の事情」 片岡力著 五月書房 ソフトカバー ISBN978-4-7727-0462-5

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