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2007年7月21日 (土)

本 「七三一部隊 -生物兵器犯罪の真実-」

この本のタイトルにある七三一部隊というを聞いたことがある方は多いかと思う。
正式名称は「関東軍防疫給水部」といって、戦中に中国ハルビン近郊にあった部隊です。
生体実験や細菌兵器の開発などで悪名高い組織です。

第二次世界大戦中、日本軍は細菌兵器に関しては欧米諸国よりも進んだ知識がありました。
それもこの部隊をはじめ実施されていた非道な生体実験などによるデータがとれていたからです。
現在は薬を開発する際は最後には人体実験をすることが義務づけられていますが、その実験で事故を起こすわけにはいかないため、事前に動物実験などを行い、安全性を何度も確かめます。
そのため薬の開発は時間とコストがかかるわけです。
けれども七三一部隊は安全性などを気にするわけでなく、人を実験に使っていたわけですから、開発が早く進むわけです。

この部隊の人間は、医者でありました。
医者には「ヒポクラテスの誓い」というのが、あります。
これは自分たちの知識を人類への福祉のため以外には使わないという誓いです。
この部隊にいた医者はその誓いを守らず、国のため、天皇のためという大義名分で、自らの目を塞ぎ、医者としてあるまじき行為を行いました。
そしてその大部分の人は戦後、大学などに復帰し、研究者、教育者として生きてきました。
彼らは罪の意識を感じなかったのでしょうか。
感じなかったならばそういう人々を許せないですし、そういう人々を復帰させた国も許しがたいと思います。
血液製剤で問題になった「ミドリ十字」を興した人も、この部隊に関与していたそうです。
結局、戦中とはいえ、非道な犯罪に対して何も感じていなかったのかと憤慨してしまいます。

日本が戦争に負け、そのデータはアメリカに押収され、また幾人かの捕虜はソ連に連れられていき研究の成果を話させられたそうです。
それらのデータは両国の細菌兵器の開発の元になったそうです。
そして開発された兵器は世界に伝播していく。
テロ国家が細菌兵器を持ったと怖がっても、その大もとは日本かもしれません。
なんだか人は愚かだなと思ってしまいます.
まだ戦争の時の犯罪のおとしまえはついていないのですね。

「七三一部隊 -生物兵器犯罪の真実-」 常石敬一著 講談社 新書 ISBN4-06-149265-9

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コメント

ryokoさん、こんばんは!

ryokoさんが書かれている通り、アメリカと旧ソ連の細菌兵器の研究は戦後押収した731部隊のデータをかなり利用したそうです。
731部隊が行ったことは全くもって容認されるものではありませんが、それらのデータを使って研究を発展させた大国も同じように非難されるべきな気もします。

投稿: はらやん(管理人) | 2008年3月11日 (火) 22時16分

731部隊についてはテレビのドキュメンタリーで見ました。責任者の方は、アメリカと取引し人体実験の資料と引き換えに戦争時の責任は不問になったそうです。ソ連もその資料に興味を示し、アメリカと取り合ったということでした。戦後の日本の医学を牽引したのも、「ミドリ十字」を創ったのも、こういう方々だったとのこと。
おとしまえはついていないし、裁く側も何だかね~。

投稿: ryoko | 2008年3月 9日 (日) 23時46分

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