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2007年6月10日 (日)

「(ハル)」 話し言葉と書き言葉

96年の映画なんですね。
なので、この映画の背景となる時代はざっと10年ほど前。
それはインターネットが普及し始める前夜、まだパソコン通信が主流だった時代。
(ハル)と(ほし)は映画フォーラムで知り合います。
お互い仕事のことや恋人のことをぽつりぽつりとやり取りをし始めます。
本当の顔や名前を知らないという安心感からか、ささいな嘘を交えつつも、今自分が感じていることを素直に相手へのメールという形でふたりは綴っていきます。
それぞれが内に持っている不満や不安感。
何か世界の出来事に比べるととても小さな不安、人に相談すると「なんだそんなことで悩んでるのか」と言われそうな悩み。
意外と人には話せない。
それを(ハル)と(ほし)は相手へメールを出すということで、自分の気持ちというのを整理していきます。
自分の思いを文章に書くこと、それは自分の思いを客観的に見ることになります。
自分は楽しいんだ、悲しいんだ、と書くことは、あらためて自分の状況を認識することにとても役に立ちます。
自分がよろよろと思いを整理していていることを知ってくれている人がいてくれるのは嬉しい。
そして行動をしようとして決めるのはあくまでも自分。
でも、それをただ聞いていてくれる相手の存在が大きい。
自分の本質を見てくれているいう人がいてくれるということが大きい。

「想像の力、あまり大きくなるのが恐いのです」
これは(ほし)が書いた言葉。
期待をしすぎること、それを失ったときの悲しみを(ほし)は知っている。
でも怖がってばかりでもいけないことにも(ほし)は気づいている。
そんな(ほし)のいうことを(ハル)はただ聞いている。

先日読んだ「レインツリーの国」でも言葉を書くことということの大事さを感じました。
普通の話し言葉は話したときに消えていき、その言葉は勢いばかりでほんとうの思いが入っていないかもしれない。
話し言葉はどちらかというと自分のことだけを考えた言葉。
書いた言葉は、何度かの推敲を重ね、自分の気持ちが表され相手のことも考えた言葉になっていく。
書き言葉は相手のことも考えた言葉。
丁寧にやりとりされる書き言葉は、なにか思いを込めようと一生懸命に凝縮されたもので、言葉の一言一言よりもさらに深い意味が込められるような気がしました。

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コメント

奈緒子さん、こんにちは!

文字にすると自分の中にあるもやもやした気持ちが整理できますよね。
僕もブログを書き始めたのは、そういうことがきっかけでした。
僕のブログは映画のブログといいながらも、日々感じたことが織り込まれているのはそういうわけなんです。

投稿: はらやん(管理人) | 2007年11月10日 (土) 11時01分

TBありがとうございます♪
深津ちゃんがわかくてかわいいですよね~(*^_^*)
私も、昔は手紙や交換日記をよく書いていました。
文字にすることで気持ちが整理できるんですよね。
でも、大人になってからは、
本当の気持ちを文字にすることが、怖くなってきました。
自分の本当の気持ちと向き合ったり整理するのが怖いのか
文字として見たり残ったりするのが怖いのかなぁ。
日記を書かなくなったことで、ならばせめてと、
映画の感想を書き始めたのが、ブログなんです~(^_^;)

投稿: 奈緒子 | 2007年11月 8日 (木) 14時12分

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