本 「サラミス」
タイトルの通り、古代ギリシャとペルシアとの戦いの転換点となったサラミス海戦を題材にしている小説です。
サラミス海戦は、現在公開中の「300<スリーハンドレッド>」が描いているテルモビュライの戦いのあと、スパルタ精鋭の命を賭した戦いもペルシア軍の勢いを止めることができず、アテナイ(アテネ)も占領されてしまった時に起こりました。
映画にも出ていたペルシアのクセルクセス王がこの小説でも敵国の王として出てきます。
「300<スリーハンドレッド>」で男と男のガチンコ勝負を観た後に、この小説を読んだので、もの足りなさが残ります。
サラミスの海戦を題材にしているとは言っても、この作品では、海戦の地をサラミスにするかどうかを議論しているギリシアの都市国家の代表者を延々と描いています。
その議論も国会答弁のようなもってまわったような言い方でディベートしているので、なんだか読んでいてイライラしてしまいます。
登場人物もかなり出てくるのですが、どうもあまり性格が見えてこないので感情移入しにくかったですね。
かなり下調べをしたようなギリシア軍のさまざまな仕来りなどの情景描写は綿密に書き込まれ見事だと思いました。
盛り上がりそうな海戦の様子も、かなり淡々としている印象を受けました。
やっぱり直近に観た「300<スリーハンドレッド>」の血の興奮が忘れられず、没入できませんでした。
テルモビュライの戦いを描いている映画「300<スリーハンドレッド>」の記事はこちら→
「サラミス」 佐藤哲也著 早川書房 ハードカバー ISBN4-15-208614-9
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