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2007年5月 5日 (土)

本 「魔法探偵」

著者は日本ファンタジーノベル大賞優秀賞をとった方。
この賞をとる方は相性がいいので読んでみたのですが、まったくおもしろくない。
主人公の探偵が、不思議な事件に遭遇するという話の連作なのですが、そのあたりの不思議な事件というのが、どうも中途半端な感じがしました。
不思議な事件というのは幽的なものだったり、子供の頃の懐かしい時代に紛れ込んだりしてしまったりするようなもの。
著者がこの作品で不可思議さみたいのを追いたいのか、人情ものみたいのするのか、ユーモア小説にしたいのか、どうもよくわからない。
ジャンル分けすること自体はナンセンス(先日読んだ「ユグノーの呪い」などはジャンル分け関係なくおもしろい)なのですが、どうも著者の狙いがわからない。
そういう意味で中途半端な感じがしました。
描いている時代も現代だったとは途中で気づきました。
全般的に昭和レトロのような雰囲気なんですよね。
主人公の探偵のキャラクターも不鮮明でしたし。
妙に時代がかったしゃべり方(今時、○○ぢゃなんてしゃべり方しないですよね)も気になりました。
これがキャラクター形成に関係するならわかるけれども、そんなことはなかったですし。
終わり方もこれで終わりというような終わり方。
いくつかのエピソードの連作という体裁なので、ひとつのエピソードが終わったということなのかもしれないですが、こんなキャラクターだと、シリーズ化も見込めないです。
あわよくばシリーズ化などと思わず、その前にちゃんと小説としてしっかりとして欲しかった。

「魔法探偵」 南條竹則著 集英社 ハードカバー ISBN4-08-775343-3

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