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2007年5月 3日 (木)

「渋谷区円山町」 「好き」というその素直な気持ち

「僕は妹に恋をする」と同じく榮倉奈々さん目当てで観に行ったのですが、映画が終わったと思ったら、すぐに別の物語が進行し始めて、びっくり。
この映画、別々の物語が渋谷を舞台に進む二部構成だったんですね。
観るまで知らなかったので、少々面食らいました。
ポスターとかは榮倉さんだけだったような気がしたんだけど。
第一部が榮倉奈々さん主演。
第二部が仲里依紗さん、原裕美子さん主演でした。
仲里さんは昨年公開のアニメ「時をかける少女」の真琴の声を担当していた方です。
原裕美子さんはモデルの方らしいですね。
榮倉さんもモデル出身ですが、この二人さすがに手足が長い。
というよりほんとに日本人かと思うくらい。
僕らの世代とは食べているものが異なるに違いない。

渋谷区円山町とは東京在住の方は知っているかと思いますが、ラブホテルが立ち並んでいるエリアですね。
映画の中でもでてますが、109とか東急のすぐ脇にある場所です。

第一部は。
榮倉奈々さん演じる由紀江が、新しく赴任してきた教師に恋をするという話。
ある日、由紀江は休日に渋谷に出かけたときに、担任教師(あだ名がヤマケン)が恋人とラブホに入るのを目撃してします。
普段学校では冴えないヤマケンに、オトナの男性を感じてしまい由紀江は恋をしてしまいます。
由紀江は自分の気持ちにストレートな女の子。
相手が好きになったらはっきりと「好き」と言ってしまう子。
10代の女の子だけが持つ、素直さとわがままさ。
相手が担任教師でも、「好き」という気持ちを隠さない。
由紀江は本当にヤマケンが好きなのか、恋に恋する乙女なのか。
ヤマケンじゃなくても「お前はオトナに憧れているだけだ」と言いたくなりますが、10代の少女にとってはそんなこともどうでもいいこと。
理屈なんてなくて、好きだって思ったんだから、好きなの!というある意味純粋な気持ち。
「好きになったら、もっといろいろなこと知りたい」
ヤマケンが海が好きだというのを気づき、彼に海の写真集をプレゼントするくだりはけっこう好きな場面でした。
大人でもなく子供でもないというのは、言い古された陳腐な言葉ですが、そんな感じを榮倉奈々さんがよくだしててました。
ちょっと舌足らずで子供っぽいしゃべり方と、すらりと背が高い容姿がそんなアンバランス感を出しているのかもしれません。
あと僕が興味深く見れたのは、ヤマケン。
設定は25歳という年齢。
高校生の由紀江から見たら十分「オジサン」なのですが、自分もその年齢を通過してみるとまだまだ大人になりきれない年ですよね。
教師ですが、何かしゃべり方はまだ若者っぽい感じ。
けれども、由紀江に「ラブホにいっしょに行きたい」と迫られても、教師として「お前、なに言ってんだ」という感じで大人らしく説教したりもします。
ある種、子供をあしらっている感じでした。
元恋人がホテルに入るところを目撃してしまったとき、ヤマケンも大人としての冷静な気持ちはなくなり、由紀江の前で感情を爆発させてしまいます。
そんなところが、由紀江とはちょっと違いますが、彼も大人と子供の間という感じが出ていたと思いました。

第二部は。
東京からちょっと離れた高校に通う女の子、糸井と有吉。
糸井は他の子たちから嫌われることがイヤで、周りからいじわるされながらもニコニコと愛想良くしている女の子。
有吉は、周りの子たちとは群れずに一歩距離を置いている女の子。
有吉はいつも媚びているような糸井がいらだたしい。
けれども気になる。
自分も前にいじめられていたから。
糸井は、周りから離れ自分を持っている有吉をカッコいいと思う。
二人とも、それぞれ笑顔だったり、仏頂面だったりという仮面をつけて周りになんとか対応している。
自分のほんとの気持ちをだしていない子。
そういう点では一部の由紀江とは対称的な女の子たちかもしれません。
たぶんお互いに同じようなにおいを感じたんだろう、二人はいつしか友達になっていく。
二人で過ごした渋谷の夜の二日間、糸井は有吉の胸で泣き、泣く有吉を糸井が抱きしめる。
二人とも今まで出したことのないほんとの気持ちを表すことができた。
そしてお互いを大切に好きと思えるようになった。

年上の教師に恋する女の子。
周囲から孤立し、惹かれていく二人の女の子。
テーマとしては使い古された感もあるものですが、女性監督らしくなにか「好き」ということ、その気持ちというのが素直に表れていたような気がします。

榮倉奈々さん主演「檸檬のころ」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「阿波DANCE」の記事はこちら→

榮倉奈々さん主演「僕は妹に恋をする」の記事はこちら→

榮倉奈々さん出演ドラマ「ダンドリ。」の記事はこちら→

仲里依紗さんが声で出演している「時をかける少女」の記事はこちら→

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