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2007年5月19日 (土)

本 「陰陽師 飛天ノ巻」

夢枕獏氏の小説には、「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」などでもそうですが、「よい漢(おとこ)」といわれる人物が出てきます。
「よい漢」というのは、見目がいいという意味ではなく、気持ちがいい男とでもいいましょうか、男が友人としてもちたくなるようなタイプの人物です。
物事を素直に見る、本人はわかっていないかもしれないけれども、物事の本質をつかんでいるような人物。
先にあげた「沙門空海〜」では橘逸勢が、「陰陽師」シリーズでは源博雅がそのようなとして描かれています。
この小説「陰陽師 飛天ノ巻」の中の「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」という短編では、源博雅の人物像がよくわかります。
「紗門空海〜」での空海、「陰陽師」での安倍晴明は、知識や呪術的能力に関しては、相方である橘逸勢、源博雅よりも遥かに上です。
でも空海、晴明は、彼らの相棒に男惚れしていると言っていいでしょう。
彼らは能力や知識の高さゆえか、世から距離をとっているように見えますが、相棒たち(橘逸勢、源博雅)の目線、素直にものを見る目というのをとても信頼しているということがわかります。
というより世を見る目という点でいえば、空海、晴明は自分よりも相棒の方が上だと思っている節があります。
当然、橘逸勢、源博雅も彼らの相棒の能力、人柄をかっています。
夢枕獏氏の小説にでてくるそういう風にお互いに認め合っている人物同士の間の会話が、とても心地よい。
ただ酒を酌み交わしているだけの場面でも、二人の友人の間には何か通じているという感じが気持ちいい。
男だったらこういう友人が一人でも欲しいと思わせるのが、夢枕獏氏の小説にでてくる「よい漢」なんですよね。

夢枕獏作「陰陽師 付喪神ノ巻」の記事はこちら→

「陰陽師 飛天ノ巻」 夢枕獏著 文藝春秋 文庫 ISBN4-16-752804-5

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