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2007年5月19日 (土)

本 「ぼんくら」

宮部みゆきさんの時代ミステリーです。
読み始めたときは、短編集かと思ったのですが、実は全体が一つのミステリーとして繋がっているという仕掛け。
さすが宮部みゆきさん、鮮やかな展開です。
登場するキャラクターも魅力的です。
主人公の同心平四郎に付き添う甥の弓之助がいいですね。
弓之助は目を見張るほどの美少年ですが、なんでも計ってしまうという癖をもっている変わった子供。
ものごとをきちんきちんと論理立てて考えることができるために、次第に事件の謎に迫っていきます。
その事件自体は忌まわしい現実だったりするわけで、同じく事件の真相に気づく平四郎が甥を気遣いそれを見せまいと気遣うところは、宮部みゆきさんらしくほろりとさせてくれます。
またそのときの弓之助も健気でなんともいいんです。
それ以外にも、勝ち気だけれども情が深いお徳、なんでも記憶してしまう癖がある”おでこ”、もと女郎でお徳の手伝いをしているおくめなど魅力的なキャラクターが登場しています。

先に書いたように短編が実はひとつの謎に繋がっているという構造が秀逸。
短編のおもしろさと長編のおもしろさが味わえる作品だと思います。

本作の続編「日暮らし」の記事はこちら→

「ぼんくら<上>」 宮部みゆき著 講談社 文庫 ISBN4-06-274751-0
「ぼんくら<下>」 宮部みゆき著 講談社 文庫 ISBN4-06-274752-9

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» 宮部みゆき「ぼんくら」 [お花と読書と散歩、映画も好き]
ぼんくら同心が鉄瓶長屋の謎に挑む 煩わしいことには首を突っ込まずそこそこお勤めをこなしていればよかろう というスタンスで毎日を送る同心・井筒平四郎だが そうもいっていられない事態になる 出入りの鉄瓶長屋で殺しが起こり 差配人が失踪 すると店子が次々と引っ越してしまうのである 平四郎を助ける 隠密廻りの黒豆 計測にかけては誰にも引けを取らない甥っ子の弓之助 人の話を全て記憶している三郎(おでこ) 連作短編集の中に挟まれている長編「長い影」がメインストーリーになります ミステリーとしては、どんで... [続きを読む]

受信: 2010年2月15日 (月) 19時32分

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