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2007年4月 7日 (土)

本 「母なる地球 アシモフ初期作品集3」

アシモフの初期作品集の三作品目です。
この作品集に掲載されている作品はデビューしてからしばらくたっているので、前二冊に比べるともたつきもなくずいぶん手慣れてきているように感じます。
それぞれの作品が独創的なアイデアが効いていて、SFの短編かくあるべきというふうに仕上がっていると思います。
後にアシモフの主力シリーズとなるロボットシリーズの原点となる作品も収録されています。
作品集の表題作でもある「母なる地球」がそれですが、「鋼鉄都市」でも舞台となる惑星オーロラもこちらに登場します。
この作品、読んでいて思ったのは、今の世界を驚くほど言い当てていること。
もちろんそのままを言い当てているわけではありません。
小説の中のオーロラが代表する移民惑星国家群と地球の関係が、現代の日米露中韓の五箇国と北朝鮮の関係に似ている感じがしました。
小説の世界ではかつての文明の発祥地であった地球は移民惑星国家にも大きく技術的に遅れをとった後進国となっています。
地球は自らハイテクノロジーの工業製品を作ることはできず、農産物の輸出で得る資金で、輸出しなくてはなりません。
そのような状況の中、地球が秘密兵器を開発しているという情報が流れ両者の関係は一気に緊張が高まります。
両陣営の間で戦争回避のための交渉が始まる…。
なんだか先日の六カ国協議を思い出しませんか?
アシモフの先見力に驚きます。
というより人間や政治というものはそうそう変わりようのないものなのでしょうか。

「母なる地球 アシモフ初期作品集3」 アイザック・アシモフ著 早川書房 文庫 ISBN4-15-011155-3

アシモフ短編集「カリストの脅威 アシモフ初期作品集1」の記事はこちら→

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