「ベッカムに恋して」 若者たちが越えていく通念の壁
先日観たオムニバス映画「パリ、ジュテーム」の中でも好きな一遍「セーヌ河岸」のグリンダ・チャーダ監督の作品を観ました。
少年少女がいくつかの障害を越えて自分の夢を叶えようとする物語、好きなんですよね。
主人公はイギリスで暮らすインド系イギリス人の少女、ジェス。
サッカーに恋し、そしてコーチであるアイリッシュの青年に恋します。
インドの文化では女の子が素足を出して人前にでるというのははしたないこと。
そして白人の男性とつき合うのももってのほかなことになるわけです。
人は人を、知らず知らずのうちに型(タイプ)をはめて見てしまいます。
男性か女性か、イギリス人かインド人か。
ジェスは試合中相手にパキスタン人と言われひどく怒ります。
インドとパキスタンは長年対立しており、二つの国の人の間では複雑な感情があります。
ただイギリスの人から見ると見た目の違いはほとんどわからないはずです。
イギリスにおいても、イングランド、アイリッシュというのは見た目ではわからないかと思います。
そこにあるのは歴史なものや文化的なものによって形作られた、自分たちや他者の概念化された型(タイプ)なんですよね。
そしてその型(タイプ)にあるイメージや概念をはめ込み、相手をそうあるべき、そして自分たちもかくあるべきだと思いがちです。
女性はサッカーをするのははしたない。
インド人はクリケット(英国の伝統的スポーツ)にはふさわしくない。
身近なことでも、「この人は血液型がA型なのにいいかげんなんだねー」なんてこともよく言いますよね。
そういう型にはめた見方というのは、個人それぞれの才能や能力とは全く関係ないことなのですよね。
けれども社会で通念とされてしまっているようなことは、なかなか個人でその通念を否定することは難しい。
そしてその通念を守っているのが、若い頃はそういうことに反対していた大人だったりするわけです。
曰く自分も若い頃はたいへんだったが我慢したというようなことです。
それでも若い子たちが思いをあきらめず、少しずつでも通念の壁を壊して、悩みながらも前進していく姿は見ていて清々しかったです。
お話の中には、そのような民族や性別の通念以外にも、ホモセクシュアルやレズビアンに関する見方など他のツ年の壁がとりあげられていました。
ただそれらもあまり仰々しくではなく、さりげなくとりあげられているのであまり重々しくは感じないのがかえって良いかなと思いました。
お話はこのような青春成長ものとしてはオーソドックスな展開ではありましたが、もともとそういう話が好きなので(笑)いい印象で見終わりました。
ただ時間はお話に対して全体的に長くもたもたしていた感もありました。
「パリ、ジュテーム」とこの作品しか見たことないのですが、この監督さんは短めの作品のほうが上手なのではと感じたりもしました。
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コメント
ミチさん、こんばんは!
邦題がいまいちだったのでスルーしてましたが、「パリ、ジュテーム」で好きな作品(セーヌ河岸)を取ってた監督さんだったので、観てみたらおもしろかったです。
イギリスにおけるインド系の人の立場みたいなのは「セーヌ河岸」にも通じますね。
キーラはほんとに細い、少年のようです。
こういうお転婆娘は似合いますね。
投稿: はらやん(管理人) | 2007年7月31日 (火) 20時33分
こんにちは♪
TBありがとうございました。
今をときめくキーラですけど、この頃はまだブレイク前の初々しさがありましたね~。
インド系の方々の生活文化などが分かって面白かったです。
投稿: ミチ | 2007年7月31日 (火) 19時00分
にゃんこさん、コメントありがとうございます!
キーラ・ナイトレイはこの作品みたいな勝ち気なお転婆娘が似合いますよね。
僕は最初に彼女を見たのは「パイレーツ・オブ・カリビアン」だったでしょうか。
こちらもお転婆娘ですよね。
「パリ、ジュテーム」もDVDでたら、是非ご覧になってくださいね!
投稿: はらやん(管理人) | 2007年4月21日 (土) 22時32分
こんばんは~
あまりにもなつかしくって、コメントだけ(笑)
この映画2003年公開時に観ました。
キーラ・ナイトレイとはじめて出会った作品です。
あのとき、ほんっと目を惹かれたんだけど
こんなにメジャーになるなんてね~
作品的にも、好きな青春成長モノストーリーで
好きな路線でしたし。
当時はblogじゃなかったので、感想は昔のHPですが。
『パリ・ジュテーム』まだ未見なのですが公開予定ないので
こちらはしかたないけどDVD待ちですね^^;
投稿: にゃんこ | 2007年4月21日 (土) 21時19分
ヨメさん、こんばんは。
さわやかな映画でしたよね。
主演の女優さんは、普通っぽいところがあって、等身大な感じがでてたような気がします。
キーラ・ナイトレイはやはりお転婆娘が似合いますよね。
同じ監督さんが一編を撮っている「パリ、ジューテム」も良かったですよ。
投稿: はらやん(管理人) | 2007年4月14日 (土) 20時44分
こんばんわ。
TBさせていただきました。
ありがちなストーリー展開でしたが、イギリスの文化的背景なども絡めてあってなかなか楽しめました。やっぱり鑑賞後のスッキリ感がいいですね。
「パリ、ジュテーム」はまだ観れていないのですが良さそうですね。
チェックしたいと思います(^-^)
投稿: ヨメ | 2007年4月12日 (木) 00時41分