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2007年4月23日 (月)

「ウルトラマンメビウス」 一年間通して見事なシリーズ構成力

1年にも渡るテレビシリーズ全体のシリーズ構成が見事でした。
基本的には「ウルトラマン」というシリーズは一話完結(一部前後編などもあるものの)が基本形です。
けれども、「ウルトラマンネクサス」では平成ライダーシリーズがヒットしたことに影響を受けたためか、大河ドラマ的シリーズ構成に転換します。
僕はこの作品は好きだったりするわけですが、一般受けはしなかったようで、当初予定を大幅に繰り上げ終了します(ようは打ち切り)。
続く「ウルトラマンマックス」では一転して、初期のころのような一話完結構成に戻しました。
金子修介監督、三池崇監督、実相寺昭雄監督などを起用し、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」にあるような至極の一編はあるものの、全体的には品質がばらけていたように感じました。
そして本作「ウルトラマンメビウス」。
前二作の反省を活かしたのか、基本的には一話完結の体裁をとりながらも、年間を通してのゆるやかなシリーズ感を出すという絶妙なバランスで構成されていました。
年間を貫くテーマとして設定されていたのは、若者たちの「成長」と「友情」。
ベタなテーマではありますが、一年間という長丁場を初期のテーマで貫けたということは、視聴者の評判も良かったということでしょうか。
地球防衛隊のメンバーをすべてルーキーとした設定が見事。
メンバーそれぞれのキャラクターを丁寧に描いていたため、結果的にはシリーズ全体が厚みをもったように思えました。
後半ウルトラマンの正体が仲間にバレるという、今までやっていそうでやっていなかった荒技に挑み、それを越えて地球人とウルトラマンの「友情」を描こうという試みは斬新だったと思います。
ゆるやかなシリーズ性という点では、怪獣が頻出しはじめた裏に蠢く謎の女、敵か味方かわからぬ青い巨人、異次元人ヤプールの影、そして歴代ウルトラマンの客演など、全体として興味を引き続ける「仕掛け」を用意していたところも見事だったと思います。

あと本作は「ウルトラマン80」までの世界観を引き継ぐという設定の中、過去作品からの引用が多くありました。
過去作品、また本作品の中の台詞や設定(これがメジャーな話ではなく、ややマイナーなエピソードからの引用も数々あった)を取り入れて、上手に構成していた脚本は昔からのファンを満足させたと思います。
僕が子供の頃、リアルタイムで観ていたのは「帰ってきたウルトラマン」以降であったので、このあたりからの引用が多かったのは嬉しかったです。

各話でいろいろ触れたいエピソードはあるのですが、キリがなくなるのでこの辺で・・・。
一年間夢中にさせてくれた見事なシリーズ構成でありました。

できることはやり尽くした感のある「ウルトラマンメビウス」。
しばらく「ウルトラマン」のシリーズは作られないのでしょうね・・・(しみじみ)

映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」の記事はこちら→

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