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2007年4月21日 (土)

本 「発酵 ミクロの巨人たちの神秘」

最近「もやしもん」という漫画がお気に入りです。
今までにない「発酵」というものをテーマにした珍しい漫画で、主人公は僕たちのまわりにいる微生物を見ることができる能力を持っています。
漫画の中でも発酵について詳しく解説していたりしますが、興味がでてきたのでこちらの本を読んでみました。
実は勤めている会社も発酵技術をベースにしている会社だったりするので、全く知らないわけではないのですが、知識の再確認という意味も込めてです。

日本という国は発酵食品に特に恵まれている国です。
味噌や醤油、納豆、酢、漬け物、日本酒など。
たしかに身の回りの食べ物はほとんどなにか発酵の恩恵を受けているものが多い。
著者は世界の中でも発酵というものを生活の中に深く取り入れてきたのが日本人と書いています。
食べ物だけでなく薬なども発酵で作られています。
抗生物質というのはお医者さんに行くとよく聞きますが、よく効く薬というくらいのイメージしかありませんでしたが、これも微生物の力によって生み出されたもの。
抗生物質とは微生物によってつくられる化学物質で、他の微生物の発育または代謝を阻害する物質とのこと。
なるほどだから病気の原因となる微生物を、抗生物質で抑制できるんですね。
江戸時代は火薬のもとも、発酵でつくっていたということです。
「発酵」という技術はさまざまな分野に応用できるのだなと驚きました(勉強不足でした)。

著者が「発酵」という技術の定義は「あくまでも人間社会にとって有益なものであること」と書いています。
上記に書いたように発酵はさまざまな分野に応用されています。
けれども間違った使い方をしてしまうと、「細菌兵器」などを生み出し「バイオテロ」などにも結びつく危険性があります。
あくまでも「人間社会に有益なものであること」というのを心に刻んで、研究者には発酵を深く研究していて欲しいと思いました。

「発酵 ミクロの巨人たちの神秘」 小泉武夫著 中央公論新社 新書 ISBN4-12-100939-8

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